ドストエフスキーの小説「 二重人格 」を元に
特異な映像世界で描いて行く摩訶不思議系スリラー
嗤う分身
THE DOUBLE
を観て来ました。
未来なのか現代なのか過去なのか?
全く説明のないまま繰り広げられる不条理ワールド
強いて言うならドストエフスキーが生きていた時代から見た
デジタルが発達しなかったアナログな未来といった趣きの
やたらこだわりを感じる現実には存在しないセットや小道具の造形に
不思議と郷愁や哀愁を感じさせる作りに妙な説得力があります。
そして半ば劇中歌として唐突に流れる
日本の昭和歌謡 !!!
上を向いて歩こう
ブルー・シャトウ
雨の赤坂
草原の輝き
さよならのあとで
まさかドストエフスキーに昭和歌謡が合うとは!?!?
明らかに観る人を選ぶ映画ですが、
コレ、好きな人にはタマラナイ作品だと思います。
つまり自分は好きですこの奇抜な異種的世界観。
思いを寄せる同僚の女性とまともに話すこともできない
内気で奥手の青年サイモン・ジェームズ( ジェシー・アイゼンバーグ )は、
要領が悪く仕事でも上司に嫌味を言われっぱなしのある日、
目の前に容姿が瓜二つのジェームズ・サイモン( ジェシー・アイゼンバーグ=二役 )が現われます。
二人は、顔はおろか服装まで同じなのに会社の人間は誰一人その事を指摘しません。
サイモンと正反対で活発な性格のジェームズは
やがてサイモンの仕事を横取りし憧れの女性ハナ( ミア・ワシコウスカ )にも近付き ...
ジェシー・アイゼンバーグ
ミア・ワシコウスカ
若手ながら最近特に曲者感を醸し出すこの二人のキャスティングがピタリとはまり
ヒッチコックの「 裏窓 」を意識した展開を盛り込むなど
映像へのこだわりをも強く感じる手腕を披露した
リチャード・アイオアディ監督の名は刻んでおかねばなりません。
ミア・ワシコウスカ インタビュー