瀧本智行監督
成島出脚本という
ちょっと気になる組み合わせの
ダーク・バイオレンス・ミステリー
脳男
を観て来ました。
イキガミ
スープ・オペラ
星守る犬
はやぶさ 遥かなる帰還
あまり自分の色を持たない瀧本智行監督ですが
意外にもこの「脳男」は、シックリ来ていると思いました。
初っぱなから結構重い路線バス爆破テロから始まり
あっ、思っていたよりかなり本気だゾと感じさせ
爆破されたテロ犯のアジトに特異な眼光を放ち佇む
身元不明の脳男こと自称“スズキイチロー”(生田斗真)の出し方も異様な雰囲気を醸し出し
なかなか掴みはOKな滑り出しで観る者に期待を抱かせます。
脳男は爆弾魔なのか、はたまたダークヒーローなのか?
「銀残し」のフィルム処理みたいな原色を排した映像も効果的で
日本映画には珍しいダークな感じも良く表現されています。
脳男の精神鑑定を担当する女医・鷲谷真梨子(松雪泰子)自身の身辺にも複雑な事情を絡め
彼女の実母の模写など、ちょっと引いてしまう怪奇な模写で登場させたりします。
事件を追う刑事の茶屋(江口洋介)は、
昭和の刑事ドラマみたいな破天荒キャラが上滑りしてミスキャラだと思いましたが...
出て来た時は誰?と思ったけれど
その独特な台詞回しで判った二階堂ふみちゃんは
リスベットを彷彿とさせるまさかのアナーキーな悪役を怪演!!!
いずれは、こう云う役が回って来るであろうとは思っていましたが、意外に早かったです。
テレビ局資本だし、ムラのある監督さんだし...
元々ハードルが低かったせいもあり
思いの外、スンナリ楽しめました。
但しカーアクションが、
なんだか往年の刑事ドラマ「西部警察」みたいだったのはご愛嬌(・Θ・;)