サイド・バイ・サイド ーフィルムからデジタルシネマへ | 今日も映画馬鹿。

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映画あれこれ。ときどき音楽。たまに戯言。おまけに麺。






上映システムが急速にフィルムからデジタルへ推移してる昨今の映画事情を

製作のキアヌ・リーヴス自ら著名な映画監督や撮影監督などの映画製作者たちに

インタビューを試みてその背景にあるモノを浮かび上がらせて行くドキュメンタリー



サイド・バイ・サイド
フィルムからデジタルシネマへ
SIDE BY SIDE



 を観て来ました。






$今日も映画馬鹿。



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元来ドキュメンタリーは、苦手なんですが、

コレは観ておかねばなるまいと思いました。



作品の大きな狙いは、

映画にとって果たしてデジタルは是か否か?と云う問いかけと

映画のフィルム上映は衰退してしまうのか?と云う問題を

映画制作の精鋭達へのインタビューで検証して行きます。





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マーティン・スコセッシ





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ジョージ・ルーカス





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ジェームズ・キャメロン





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デヴィッド・フィンチャー





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デヴィッド・リンチ





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クリストファー・ノーラン





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ロバート・ロドリゲス





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スティーヴン・ソダーバーグ




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ラナ&アンディ・ウォシャウスキー





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ラース・フォン・トリアー





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ダニー・ボイル





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ジョエル・シューマッカー





これらの名だたる映画監督陣の他にも

ヴィルモス・ジグモンド
ヴィットリオ・ストラーロ


などの撮影監督と呼ばれる重鎮などの映画製作陣が登場します。





フィルムでは一巻で10分程度しか撮影出来ないし

そのラッシュは、一晩の現像作業を経て

最短でも翌日にならないと見ることが出来なかったのに対し

デジタルカメラ撮影では、即モニターで確認できるのが特徴。

必要ならその場で撮り直しも出来る利便性も踏まえ

経費削減にも一役買い映画制作をスムーズに遂行出来るそうです。





その速攻性にいち早く気付きフルデジタル撮影可能なカメラを

SONYに受注したのはジョージ・ルーカスだったそうです。

そして映画史上初のフルデジタル長編劇映画「SWエピソードⅡ」を完成させたのです。



それに追随したのが言わずもがなジェームズ・キャメロンで

その一つの頂点を極めたのが「アバター」と云うことになります。



その一方で頑なにフィルム撮影に拘るのがクリストファー・ノーランで

あの「ダークナイト ライジング」は、IMAXカメラは使用していますが

全編フィルム撮影というのだから驚きです。

ノーラン監督は、これからもデジタル撮影をする気は無いと断言しています。



このようにデジタル派とフィルム派に制作陣も別れているのが現状ですが、

世の中の流れは間違いなくデジタルへの傾倒。



日本のシネコンでもフィルム上映から撤退し

オール・デジタル化する動きが加速しています。



つまりクリストファー・ノーラン監督が、いくらフィルム撮影に拘ろうとも

映画館ではデジタル変換されて上映されてしまうと云うのが現実なのです。



しかし「ダークナイト ライジング」がフルデジタルの作品よりも

映像にある種の重みがあってやたら明るいだけの画ではなかったのも事実。





結局、時期相応ということもあり

フィルムかデジタルかという結論が出る訳もなく…

このドキュメンタリーも、その奥底にこれからの映画が抱える

マイナー作品の上映システムの崩壊や

老舗映画館やミニシアターの暗雲を掘り下げるまでは至りませんでした。

それらの事情は日米のみならず世界共通であると思うのですが…



それでもハリウッドの著名映画制作陣の生の声が聞けたのは貴重でした。