第13回東京フィルメックスにて
園子温監督が
1995年に撮った未公開作品
BAD FILM
を観て来ました。
【作品解説】※第13回東京フィルメックス公式サイトより抜粋
『BAD FILM』は1995年に約1年間をかけて撮影されたものの、資金難のために未完成のままになっていた幻の映画だ。現在は使用されなくなったHi-8(8ミリビデオの高画質版)で撮影された150時間以上に及ぶ映像素材が本年再編集され、驚くべき作品が誕生した。映画のコンセプトは「香港返還の直前、20世紀末の東京・中央線で、沢山の人々が暴走し、愛が疾走する」。高円寺が中国人に乗っ取られつつあるという設定のもと、日本人自警団と外国人グループの抗争が中央線、新宿などを舞台に恐ろしく巨大なスケールで展開される。出演者の大半は、93年に園子温が結成したパフォーマンス集団「東京ガガガ」のメンバー。中央線の始発電車をまるごとジャックして撮影された両グループの激突、100人を超えるエキストラが動員された新宿アルタ前の大乱闘など、常識では考えられない場面が次々と展開し、見る者を圧倒する。園子温作品の持つありとあらゆる要素が凝縮された傑作と言えよう。
手っ取り早く云えば
かなり大掛かりな自主映画
Hi-8カメラを何台も使って同時撮影していく手ブレLIVE感の強い映像。
粗雑で生々しく攻撃的な中にもブラックな笑いの要素も絡めてくる濃厚な161分 。
コレは、まさしく
「愛のむきだし」と「冷たい熱帯魚」への系譜となった作品でした。
そして、この作品のもう一つの見どころは
園監督自ら役者として登場している姿が見られます。
それもかなりメインの役柄で!!
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上下の写真、中央の黒系のロングコートの男性が17年前の園監督です。
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多国籍な感じが充満する平成7年のおもに高円寺を舞台に繰り広げられる
邦人×中国人の人種的な終わりなき対立と闘争。
中央線の車両内、渋谷のハチ公前や
とりわけ新宿東口のアルタ前で展開する
集団による闘いの場面は、間違いなくゲリラ撮影
よくぞ撮ったと驚くばかりです。
正直なところ
この内容で2時間41分はキツかったですが
園子温監督作品の根本にあるものを
極めて如実に実感できると云う意味では貴重な体験でした。
そして今日も例によって20~30代の女性のお客さんが多かったです。
上映前に園監督が登壇して
「この作品をスクリーンで上映が出来て感謝しています」
「今はの世相の下での上映に意義がある」と述べていました。
そして上映後にも登壇して質疑応答が行われ
「これは当時の日本映画への反逆作品です」と云う種のことを語っておられましたが、
誠に残念ながら
自分は、次のイベント参加への時間が迫り
やむなく途中退席して会場を後にしました...