エビリファイの脱落率(エビリファイその9) | kyupinの日記 気が向けば更新

エビリファイの脱落率(エビリファイその9)

エビリファイの発売以後、僕は60~70名くらいには使ってみたかなと思っていた。最近、1病棟で1度でもエビリファイを処方したことのある患者さんがどのくらいいるのか、うちの薬剤師さんに調べてもらった。結果だが、今入院中の人で30名だったのである。ということは、既に退院している人や他の病棟をトータルすると、エビリファイの処方歴がある人はだいたい50名前後と思われる。1病棟の30名のうち、現在でもエビリファイを服用している人は9名しかいなかった。定着率はたったの30%だったのである。なんと70%が脱落していた。ただ、これは既に退院している人もいるので、正確とはいえないが、退院者にもエビリファイをやめてしまった人がいるので大きな誤差はないかと思われる。僕の感覚だと、脱落率は60%くらいかなと思っていた。患者さんに不快感や違和感、個人的希望があった場合、簡単に中止しているので、辛抱して処方しておれば、もう少し定着率は上がったかもしれない。いったんやめた後、しばらくしてもう一度試す場合もあり、それで継続になった人もいる。やめる場合の原因によれば、これはダメだといえない場合ももちろんある。


1病棟の9名だが、現在の処方量については、

9mg   5名
6mg   3名
1.5mg  1名


であった。感覚では6mgが多い感じだが、それは外来患者や他病棟の患者さんに6mgが多いからと思っている。1病棟は、うちの病院では最も重い人が入院しており、それが関係していると思う。上の6mg、9mgの人でも以前はもっと多い量を服用していた人が多い。徐々に減量して今の服用量になっている。9mgの人は一度は6mgを試みるつもりだ。上に1.5mgの人が1名いるが、当初は6mg処方していたが、減量し続け現在は1.5mgになってしまった。この量の方が断然良いのである。この患者さんは今後、0.75mgまで減量するつもりだ。この量でもなんとエビリファイの単剤治療となっている。外来患者さんは3mgか6mgが多い。従来の薬物から、急いでエビリファイ切り替えると失敗しやすい。なぜなら、エビリファイは決してパワフルな薬物ではなく自然体と言えるような効き方をするからだ。もしエビリファイを追加し、急激にそれまでの薬物を中止してしまうと、それらの薬物が面倒を見ていた受容体?がお留守になり、その影響が出やすい。エビリファイは最初、平凡に、少量上乗せで処方するのが継続させるコツだと思われるのである。