政府が21日閣議決定した一般職国家公務員の11年度新規採用を約4割抑制する方針は、「緊急的な今年限りの措置」(総務省人事・恩給局)にとどまり、公務員制度改革の全体像はなお先送りされている。国の出先機関職員には09年度比8割減とする抑制目標を設けたものの、出先機関の統廃合の本格議論はこれからで、数字先行の側面が否めない。

 原口一博総務相は21日の閣議後会見で、11年度の採用抑制について「出先機関を原則廃止しようとしているのに、去年と同じ人数を採用すること自体がおかしい」と強調した。

 一方、政府は21日、出先機関の事務・権限仕分けに向け、内閣府で公開ヒアリングを開いた。各府省の政務三役や地方6団体の代表らが出席。24日と合わせ、7省11機関を対象に聴取するが、省庁と地方側の議論がかみ合わない場面も多かった。

 採用抑制で最後まで抵抗した法務省が示した資料には「国が自らの責任において行うべきだ」「地域主権改革を推進する観点からの事務・権限の見直しは検討していない」など、改革に否定的な見解が並んだ。全国知事会の代表として出席した上田清司埼玉県知事は「ゼロ回答だ。霞が関の化石ですよ!」と語気を強め批判した。

 11年度の採用者数は、財務省1308人(09年度比55%)▽法務省1304人(同66%)▽国交省846人(同62%)▽厚労省343人(同50%)--など計4783人で、抑制率は39%にとどまる。各省の抵抗で抑制目標は当初の半減から後退しており、出先機関統廃合論議の行方にも不安を残した。【笈田直樹】

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