あねご三級建築士のブログ


この「定家と長明」展は実験的な試みです。

芥川賞作家・堀田善衛さんの「方丈記私記」と「定家明月記私抄」を、もしスタジオ・ジブリがアニメ制作したらどうなるのかを展示企画した絵画展。会場の下賀茂神社神服殿には、ジブリのスタッフが平安末期の乱世に生きた二人、京都を襲った災害を描いたイメージボード、美術ボード約300点が展示されています。


定家と長明は共にすぐれた歌人。でも二人の間に交流はありません。生い立ち、生き方がまるで違う。つまりこの話は架空の設定です。それをもしアニメ映画化したらとこうなると、いわば架空の二乗の企画なんですが、見ていて引き込まれました。二人のキャラが面白い。長明は諦念の人ではなく、野次馬、皮肉屋、へそ曲がり。定家も愚痴っぽく、世渡りが下手。わかるなあ、どこにでもいる、自分にも似ていると面白かった。



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いずれもとてもきれいな絵でした。構図も大胆で修羅場の京都を描いています。色彩も淡いタッチで飽きません。

アニメ映画の原画ではなく、紙に描かれた絵画作品。

会場には「是非アニメ化して欲しい」との嘆願の署名用紙が置かれていましたが、私はこれも良しかなと。


12月16日(日)までの開催。ジブリファン、絵の好きな人、グラフィックに興味のある方にはお薦めしたい展覧会です。