ブログネタ:献血したことある?
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止まっていた時間がまたゆっくりと流れ出した。
止まっていた時間がまたゆっくりと流れ出した。
私は言葉の発し方を組み合わせることで、面白い冗談を言うことができた。
気がつくと、道路の向こうでは献血を呼びかける職員がいる。
全ての血液が足りません。
寒い中、彼女達は道行く人々に呼びかけている。
血液を捧げる。
その捧げられた血液はどのように使われるのだろう。
私は自分が記憶喪失になってしまうところを想像してみた。
記憶喪失の私は病院のベッドの上で目覚める。
自分の体に様々な管が刺さっているのを目にする。
体は思うように動かない。
大きな事故に遭って、君は手術を受けたんだと医師は説明をする。
大量の輸血が必要だったが、君は幸いにも供給者に恵まれたんだよ。
献血を申し出る同じ血液型の人が二十人近くもいたんだ。
だから、君に輸血された血液は一切血液センターを経由していないんだ。
私に献血を申し出てくれた人たち。
それは一体誰なのだろう。
私は誰なのか。
さっぱり思い出せないが、意思は私が記憶喪失であることに気付いていないようだ。
不思議と頭痛はしなかった。
そんな状況は決して起こらないことはわかっている。
だが、そういう想像をしてみると、献血をしてみるのも悪くないかなと思えてくる。
私は声を張り上げているポニーテールの職員の前に歩いていった。