心配というよりも気になって仕方がなかった。
死んでしまえばいい! 死にたい!
みんな 死んじゃえばいいんだ!
なんで! なんで生まれてきたんだ!
何のために生まれてきたんだと思う?
大声を出し そう言って崩れていく彼を。
泣き崩れ 疲れきった彼は
一点を見つめて6年間のやんちゃぶりを話していた。
私はあなたの後ろにいるの… 誰に話しているの?
まるで 仲のいい友達や後輩や弟に話すような口振りで
普段とは変わらないようにも、別人のようにも見えて
二重人格なのかと疑ってしまった。
明け方まで眠れず…
カウンセリングを受けている病院に不信感がつのった
通院している病院には一人で行き あっという間に帰ってくる
薬だけもらってくる感じしか受けないので 病院に電話をした
きちんとカウンセリングをしてもらえるようお願いした
どんな症状で病院に行き 先生にどんな話しをしているかは
教えてもらえず 今度行った時にはとにかく診察をと。
前に話していたことを思い出す…
行政の援助などがあり金銭的に負担がかからないから
その病院を選んだという事を。 でも、先生に話したところで
スッキリするわけでもなく、頼れそうな感じも受けず、とりあえず
薬をくれる、何かあっても入院できるから、、
それが決め手で選んだという事を思い出した。
いざ、診察にいっても数分話をするだけで時間になると
はい、、今日はこの辺で。
と言って 何時間も待っている甲斐が全くないまま終わってしまう。
そういう病院に通っている。
市内には精神科の有名な病院が2つある。
どちらも初診に辿りつくまでいくつかの段階を踏んでからでないと
診察が受けられないシステムで、
たった独りでの生活をしている彼には仕事をしないと金銭的
援助をしてくれる人がいないから通院できない事、
急に休まないとならないから なかなか仕事を休むこともできない
いくつかの理由があり 2つのどちらの病院にも行けないという事。
偶然にも家の近所に新しく病院ができたのを思い出した
電話をしてみると親切に受付の人が先生に繋いでくれた
お昼休みの休憩の時間だったせいか とても親身に状況、環境、
いろいろな事の話を聞いてくれ 支える者としのアドバイスをしてくれた。
思い切って話してみようかと思った。
でも、、いつ話せばいいんだろう・・・。
昼過ぎに様子をうかがうように メールをしても返事はなく
用事を済ませていそいそと家に帰ると 酔ってフラフラしている彼がいた。
少し落ち着いたようで 昨日荒れてしまった自分が恥ずかしいかのような
そんな素振りをみせつつも
もう、、ガマンはしないから。 好きなようにするから。
しばらくすると またこみ上げてくる感情を苦しそうに抑えていた。
ねぇ、、抑えてばかりいるから疲れちゃうんだよ
私じゃ頼りないと思うかもしれないけど 話して…
今まで何度もこうして心の中のことを少し話してくれたでしょ
少しずつでいいから… どんな事があっても受け止める準備は
出来てるの 今 思っていることを何時間でも何日かかっても
いいから話したいことがあるなら 話してみて。。
今までこういう風になる時 ずっと我慢してきた。
調子がよくなって彼女ができても「うつのあなたは見たくない!」と言って
中絶して去って行った。
いろんな想像をして目の前にいるいろいろな人を傷つけないように
考えて行動して、考えて喋った。
自分がされたら嬉しいと思う事、嬉しいと思う言葉を出してきた・・・・・
不満なことは全部胸にしまって・・・・独りで生きてきた・・・・・・
そうだね。
そう、そんな事があったの。。
ただ、聞くだけだったのに だんだん私の言葉も求めてくるようになり
少しずつ会話ができるようになったところで 薬の話、お酒の話、
病院の話をしてみた。
電話で相談した近所の病院に行ってみようかとも言い出したところで
ねぇ、夕べ一緒に食べようと思ったお夕飯ね、そっくりそのままなの。
少し食べてみる?
食べながら また泣いている。
どうしたの? おいしくない?
ありがと。 なんでこんな俺に… 欠点ばっかりでしょ…
欠点のない人はいないよ。誰にでも欠点はあるもの。
私はあなたの素晴らし~いところ知ってるよ。
人はそれが欠点だというかもしれないけど
私には欠点だと思えないしさ。
ちゃ~んと 苦しくたって今まで踏ん張ってきてるじゃない。
ありがと。 こんな俺を認めてくれる人はいなかったよ。
否定しないで話を聞いて こんなに良くしてくれた人とは
出会ってこなかったよ。
そう、、ありがとうね。
昨日も今日も涙がいっぱい出ちゃったから
シャワーでも浴びて サッパリしてから休めば?
朝
コーヒー入れたから 一緒に飲もう。
数時間後
焼酎にまた手をのばす…一杯だけと言いながら。