『私たちの退屈な日々』 多島 斗志之
俺の三連休も終わり、今日からお仕事です
この休みは、いろいろ忙しかったです
まぁ、浜松市ということで凧揚げ祭りなんかもありましたが、俺は参加せず。。。
のんびりしようと思ったんですが、家には人の出入りも多く、落ち着きませんでしたね
今日からは、普通の日が続きます
というわけで、休みの間に読みました文庫本
それは。。。
- 私たちの退屈な日々 (双葉文庫)/多島 斗志之
- ¥610
- Amazon.co.jp
内容(「BOOK」データベースより)
女はこわいと言うけれど、本当のこわさをあなたは知らない。―ある芸能人のファンになってしまった私。彼に会いたい一心で、ついに自宅をつきとめたが…「取り憑く」。夫が会社をクビになる。理由を聞いても納得できない私がとった行動とは…「ねじこむ」など、平凡な日常を送っていた女性が遭遇する7つの出来事。読み始めたら止まらなくなること必至の傑作短編集が、堂々の登場!あなたの友人に、こんな女性がいたらどうしますか。
って感じの、ある程度の女性たちを主人公にしたホラー的な短編集ですね
ホラーといってもスプラッタみたいでは無く、いやぁ~な感じにさせる作品たちです
それでは、さわりだけ。。。
『取り憑く』・・・友人に誘われて行った舞台で、ひとりの役者のファンになった主婦。会いたい一心で、いろいろするが、裏目に出て。。。
良く出来ています
主婦が徐々にハマっていく様と、ラストの唐突な感じが、良かった
『めぐりあい』・・・学生時代の恋人に偶然再会した主婦が主人公。テレビ関係の社長をやっているというかつての恋人と話しているうちに、おかしな方向へと進んでいく。。。
主婦が不倫をして、追い詰められていくのかと思いきや、これまた唐突なラストで、楽しませてくれます
『教え子』・・・自分の親族が結婚することになった娘さんは、かつての教え子だった。しかし、その教え子は、カツアゲ、売春、恐喝などして、少女少年院に送られていた札付きのワルだった。。。
旦那に過去を知られたくない教え子と、何とかしたい親族の主婦とのやり取りが面白い
そこに収めるかっていうラストも、俺は意外で好きでした
『預け物』・・・反抗期の娘に悩まされる主婦が主人公。友人の死を知って、預けてあった絵を、探し求める話。。。
絵の行方を捜している間に主婦の本性が、現われて面白い
最後に上手くまとまって良く出来てますね
『記憶』・・・ボケの進行した父親が、裏山で同じ所を手で掘り返していた。何かが埋まっていると考えた娘は。。。
ボケの進んだ父親の奇妙な行動によって、封印されていた記憶がよみがえさせられるところが、上手いですね
『旅の会話』・・・女三人の旅行での、告白話。会社の危機の話し、旦那の愚痴ときて、最後の一人の告白は。。。
ただの愚痴合戦では、終わらないと思っていましたが、最後の1人はなかなかヘビーです
ただ、ラストの爽やかさは、女友達らしくて良かった
『ねじこむ』・・・駅の階段から転落して入院中の主婦が主人公。会社に切り捨てられた旦那のピンチに、病院から、会社の理事の家に直談判しに行く。。。
主婦の行動、言動が、気持ちが良いくらいハマります
ラストもまさに『ねじこむ』って感じです
全編通して、すごく心に残るってものではないですが、どの話もオチがしっかりしていて楽しめます
というわけで、俺的には。。。
『私たちの退屈な日々』 多島 斗志之
空いた時間に読むには、もってこいの短編集です
一つ一つの長さもちょうど良いですし、はずれも少ない
傑作ってわけじゃないので、逆に忘れた頃に、また読んでも楽しめそうな作品ですね
過去に記事にした多島斗志之さんの作品