【TOWN】 「ラーメン缶」アキバに現る “情報発信型”自販機続々 | 空は青く。海は碧く。

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「ラーメン缶」アキバに現る “情報発信型”自販機続々

秋葉原で話題の「ラーメン缶」を仕掛けた自販機メーカーの最新機には大画面液晶が搭載され、動画CMが流れる。広告を放映する代わりに飲み物を無料にする自販機など、情報発信型が増えている。

 東京・秋葉原で今話題の「ラーメン缶」。これを仕掛けた自動販売機メーカーのフジタカ(京都府長岡京市)の最新機には、大画面の液晶ディスプレーが搭載され、「ついに出ました! らーめんの缶詰が!!」といった動画CMが流れる。このような“情報発信型”の自販機が次々設置され、広告ビジネスも動き出した。

「ラーメン缶」のCMが流れるフジタカの「MONITAN」(東京・秋葉原)

 「ラーメン缶」は名前通りラーメンの缶詰め。フジタカが他メーカーと差別化を図るため、有名ラーメン店の「麺屋 武蔵」と組んで開発した。伸びないように、こんにゃく麺を使うなど工夫してある。

 お湯を入れなくても、フタを開ければそのまま温かいラーメンが、自販機で買えるアイデア商品。1個300円で、おもしろさも手伝い、一時品切れになるほどの人気になっている。

 現在、「札幌らーめん缶」しょうゆ味とみそ味の2タイプを商品化しているが、6月には「冷やしらーめん缶」を販売。さらに「博多らーめん缶」など順次品ぞろえを増やし、全国で売り出す予定だ。

 このCMを放映するフジタカの自販機も目新しい。タッチパネル式の液晶ディスプレーが付き、広告映像だけでなく、周辺地図やレストランなどの役立つ情報が表示できる新開発の「MONITAN(モニタン)」だ。

 インターネット接続機能も備え、遠隔操作により地域ごとに異なるコンテンツ(情報の内容)の配信も行える。防犯カメラを取り付ければ監視装置にもなる。

 同社では、秋葉原と渋谷を中心に、今夏までに設置台数を50台まで増やす計画。この機能を活用した広告展開の実験を進めていく。

サンプル品画像表示

 サンデンが開発した次世代機も、18インチという大型タッチパネル式液晶画面を備える。さらに「ウィンドウズXP」のパソコンを内蔵し、広告映像や各種の情報だけでなく、サンプル品の画像も画面に表示する。

 飲料会社の作業員が見本の缶やボトルを差し替える必要がなく、メモリーカードで簡単に置き換えられる仕組み。

 オンラインにも対応し、複数の自販機をネットワークで結び、リアルタイムの販売管理システムが構築できるほか、自販機の画面で販売ランキングなどを見られるようにすることも可能。特定の商品を時間制限を設けて買えるようにするなど、機能も追加できる。

サンプル品の画像も画面に表示するサンデンとTISの次世代型自販機「i See Station」(東京都港区のTIS本社)

 サンデンでは、システム運用大手のTISと連携し、この最新機「i See Station(アイ・シー・ステーション)」を、情報ステーション機能をあわせもった自販機として売り込む。

 TIS営業推進本部事業開発室の松浦孝治・統括マネジャーは、「飲料に限らず、さまざまな商品を扱える」とアピールする。7月にも第1号機が設置される見通しだという。

広告収入で無料飲料

「メディアカフェ」によりコーヒーが無料で飲めることも(東京・六本木)

 自販機を活用した広告サービス「メディアカフェ」に乗り出したのは、広告企画会社のウィル・ビー(東京都新宿区)。広告を印刷したカップと自販機の液晶画面によるCM放映でスポンサーから収入を得て、コーヒーやジュースの料金を割引または無料にする。

 飲料販売会社のアペックス(同千代田区)と共同で、全国に3万5000台以上ある自販機で広告主にあわせたターゲットを絞り込み、設置場所を決める。飲料を抽出している30秒の間に広告映像を流し、カップに記入したPRサイトに誘導するのが狙い。

 料金は1万カップ分で80万円、10万カップ分で700万円。まずは大学や医療機関などがある特定地域に営業を図る企業に働きかけていく。

 さらに、自販機最大手の富士電機リテイルシステムズは、新商品や試供品を無人で配布できる「サンプリングマシン」を開発。横浜・みなとみらい駅や桜木町駅の構内には、液晶ディスプレーにメニューをきめ細かく表示するコカ・コーラの次世代型カップ自販機が設置してある。

 国内の自販機普及台数は昨年末時点で約427万4000台。昨年、自販機で販売された商品の売上金額は6兆7000億円を超えた。ただ、90年代以降は、コンビニエンスストアの普及により夜間でも買えるようになった影響で、市場は横ばいが続いている。

 「ラーメン缶」のような話題商品が続々と自販機に並び始めれば、顧客への訴求効果がある情報発信型モデルの出番が増えてきそうだ。(森万抄雄)


記事元:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0705/21/news014.html