琵琶とガトーショコラ。
人ごみの横浜駅のホーム。
人があまり写らないように写真を撮るのは困難。
土曜日はいい天気。
日曜には雨が降る。
天気の良い方の週末に、
鎌倉へ遠足に訪れた。
大仏の中に入ったら、
あたまのぼつぼつの秘密が見えた。
贅沢ランチに精進料理を頂く。
個室でおいしい精進料理は、
予想に反して、しっかりと味がついていた。
そんなことを話しながら食事していると、
受付のおばちゃんが入ってきた。
「もうしばらくしてから、隣の部屋で琵琶を演奏しますので、
よかったらどうぞ、と部長が申してます。」
そう部長が。
「はい、ありがとうございます。」
しばらくして、またそのおばちゃんがやってきて、
「15分くらいですので、是非いらして下さい、
と部長が申してます。」
食事途中ではあったが、
強引すぎる申し出に隣の部屋へ移動する。
琵琶をひく部長って誰だ。
隣の部屋へ行くと、
琵琶をもったお坊さんの前に3人組のおばちゃん達が心待ちに座っている。
ボクたちも中に入って座るとお坊さんは話し始めた。
寺の庭の由来や寺にまつわる国宝の話。
しまいには、踊り始めて、
いつになったら琵琶を弾くのだろう。
琵琶を弾く頃には、
ボクは連日の疲れでウトウトしてしまっていた。
素晴らしい演奏を聞いて部屋に戻ると小一時間たっていた。
とっても強引な扱いにパサパサしたお米に、
後日、お客様を招待するのが少し不安になったが、
口にはしなかった。
そんな仕事が昼過ぎには終わった。
駅で皆様と別れ、
鎌倉永住中の友人と待ち合わせ。
うんちがしたいからどこかに入りたいとワガママを言いつつ、
カフェを探す。
Coffeeの文字を見つけ近づくとセレクトショップなんて書いてある。
間際らしいことはして欲しくないものだ。
こっちは、けっこう必死なのに。
小町通りにカフェの看板を見つけ、
その方向の路地に入っていく。
目の前を歩くカップルが看板の指す小さな角を曲がる。
男が女の肩を抱え、女はななめ下を見ながら連れ去られているかのように。
明らかにその方向にカフェがあるのだろうけれども、
その曲がり方がいかにもラブホテルに入るように見えて、
ボクたちは思わず逆に曲がった。
季節と時間外れの朝顔が咲く先に偶然にも別のカフェがあったものの、
満席。
しかたなく逆戻り。
ラブホテルかと思ったそのカフェは、
湿気とほこりでつまったような、落ち着いた雰囲気で、
すてきな音楽が流れていた。
ボクはまだ信用しきれなくて、
込み合っている席に座る客にへんな妄想を抱く。
用を無事にたして、
注文したのはガトーショコラ。
とっても甘いガトーショコラと、
甘酸っぱいラズベリーのソース。
友人から甘いサプライズを聞かされ、
結局、怪しいカフェのことは忘れた。
きっと年明けにはみんなに言えると思うけれど、
とっても素敵な話を彼から聞いた。
あぁ、素晴らしいな。