「Re:サイタル」というソーシャルゲームが事前登録を開始しました。みなさまよろしければぜひ。
さて、もうひとつのブログに半年前くらいかいたんですが、「ゲーム」という存在からとっても遠い自分が、はじめてゲーム作りに携わって勉強したことをメモしておきます。ビジネス視点なのでゲームクリエイター視点ではありません。
おもしろさ について
ソーシャルゲームをやらない人は、あんなポチポチゲーなにがおもしろいの?と揶揄するのですが(ぼくもそっち側の人間です)半年間いくつかのゲームをやってみて、色々とわかったような気がします。気がするだけかもです。
ゲームとはなにか?をいくつかのゲームプランニングの入門書を読んでみましたが、どうもつきつめると、一定のルールに基づき自分自身や他人と競うインタラクティブな娯楽である。ということのようです。
プロジェクトの企画フェーズで「なぜこのゲームが楽しいのか」を文字に起こさないといけない場面があり(プロモなど関係者にイメージを伝えるためです)まったく書けずに相当悩んでいましたが、上記の定義を考えて結局諦めました。「おもしろさ」というのは膨大な要素のバランスの上で成り立っているので、誰が見てもわかるようには文字などで書き起こせる情報量ではないのです。
娯楽産業だということ
広く「娯楽」、特に1人で楽しめるもので例えてみましょう。オーケストラを鑑賞しにいった時に感じた面白さを、クラシック音楽をまともに聞いたことがない人に伝えるのはすごく苦労すると思いますし、ほかにも僕は「ヒトカラ」の魅力を言葉で力説されてもあんまり魅力が伝わる気がしません。言葉で伝えられる娯楽の「おもしろさ」というのはその程度だと思う気がします。
しかしながら、伝える相手を限定すればできなくもありません。例えば、○○という似たゲームをひと通り遊んだユーザに対してであれば、差別化要素のみを伝えることで「おお、それは面白そうじゃん」となります。さっきのクラシックだと「あそこのオケ、中盤のストリングがほんとに感動的で!」みたいなポイントだけでおもしろさを共有できるわけです。(話はそれますが、相手の立場を想像するみたいな伝え方は、伝え方が9割の本に書いてましたね。)
そこで、社内、同業の人に伝えられるためにいろいろな要素があることを意識しました。なぜ「楽しい」「心地よい」かはいくつかの要素に分割できると思います。例えばおしゃれなレストランの良さを説明するのであれば
・みせの雰囲気
・ドリンクの豊富さ
・料理の美味しさ
・店員の態度
・価格
と言った要素があると思います。どれか一つがよいだけでは人気のお店にはなれません。どんだけワインが美味しくて(差別化要因)も、店員がムカつく感じだったらダメですね。ゲームも、グラフィックやゲームシステム、レスポンス速度や文字のラベリング、課金設計などいくつかのポイントが同様に有ると思います。
ソーシャルゲームビジネスってどうなの?
ビジネス的な面でわりとこれが一番感じたものに近かった。※個人の見解です。
http://anond.hatelabo.jp/20110918202040
立場上、この増田と違い集客力がある大手に分類されるので、ちゃんとリリース時にフルスペックで投入することと、あとはクオリティを上げていきましょうねという話だった。某社や某社の中の人にも聞いてみたけど、世の中がネイティブ化の流れとはいえ多くの会社はまだ売上の大部分をブラウザカードゲームに依存してて、その売上があるうちにネイティブ「も」投資していこうというフェーズなんじゃないかと思います。
ただ少なくとも、カードゲームもカードゲームなりに進化していないとダメで、絵師の確保や、サクサク動くようなチューニングは本当にコストを掛けてやってるなと感じる。あと、売上の多くはイベントによって発生してるっぽいので、イベント運用はどんどん進化しているなーと感じます。
チームが一番勉強になった。
今回のチームは、自分がゲームも、アニメも、全然からっきしだったので、ゲームを面白くとことん追求したい人とうまく対立側に回って、とにかく日程内に終わらせる担当をしました。以前にもかきましたが、2つの意見をぶつからせてるほうが健全なので、「もっとちゃんとしたい、こんなんじゃダメだ!」派と「うるせぇあと2週間しか無いんだこれで行くぞ!」派がぶつかって結果いいバランスに落ち着けた気がします。リソースは有限ですし。
また、上で学んだ要素、に関してはほんとうに勉強になりました。レイドイベント中に、こういう事を出してあげないと萎えてやる気なくて辞めていく。とか些細なポイントだったり、この絵の肩の角度は実際だとおかしいからレタッチしないと違和感が出ちゃう。とか素人目だと気づかないところでも、before/afterをみくらべるとたしかに。と感じます。
とりあえず作業が終わらずブログに現実逃避でした。ひぃ。