南アルプス早川尾根と称す部分は仙塩尾根と並んで尾根の用法が妙です。尾根とは背状で1ピークから1方向へ徐々に低まりある段落(ピーク、鞍部、山麓)に至る部分を指すのではないでしょうか。早川尾根がどこからどこまでかにも異論があるかもしれません。甲斐駒ヶ岳側からの尾根は仙水峠、鳳凰三山側からの尾根は白鳳峠で段落がついているとみて、一応仙水峠・白鳳峠間とします。この間の最高点はアサヨ峰ですが、早川尾根はこの東西両側をいうことになります。また、東側は広河原峠があるのになお白鳳峠まで連続します。それに西側栗沢山はちょっとしたコブというのではなくアサヨ峰と区別できるのではないでしょうか。鳳凰三山も含めて早川左岸山脈とでも称するならわかりますが。
さて、上記3峠はいずれも地図に西南野呂川(早川上流)からの登山道しか記載のない片峠です。東北大武川から(へ)は沢登りの技術のある方しか立ち入れません。広河原峠2344mは未だ森林限界以下ですが、樹林の切れ目から八ヶ岳や北岳が望めます。
小太郎尾根、小太郎山を眺めて思うのは何度か北岳には登ったが未だ小太郎山には登っていないことです。小太郎山には北岳側からピストンするしかないからです。ここまで下ったら野呂川へ下りたい(また同じ道を2時間かけて登りかえすのか)。が、ここ30年登山道開拓の噂もないのは、野呂川の峡谷が切り立っているからでしょう。拙がほとんど全部登ったつもりでいる南アルプスは実のところは一般登山路がない所はもちろんある所さえ知らない所ばかりです。
早川尾根小屋について
1泊2食5000円 要予約℡0551(28)8173
おかずはレトルトなので、お願いするにしても自分でも副食を持参されたほうがいいと思います。
他に宿泊者なし。但し前のキャンプ指定地には青年多数(水、WCあり)


2013年8月27日広河原峠(山梨県)から
左、北岳3192m、右小太郎山2725m