或梭 才の妄想

或梭 才の妄想

夢小説/マンガのネタバレ感想他なんかを載せてます
最近はpixivで小説などを投稿していますので、
もし宜しければどうぞ。
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Amebaでブログを始めよう!

大変お恥ずかしい話です。

コメントで指摘され、なんとも赤面しました・・・・。

今まで気が付いていた方、大変申し訳ありません。

そして私のミスで勘違いされた方、大変申し訳ありません。

夢小説と腐向けを、混同させていました・・・・・・。

この二つの定義をここできちんとしようと思います。

ピクシブ百科事典を引用させていただきますと、


夢小説


創作小説の一種。ドリーム小説 ドリー夢小説 名前変換小説 などともいう。略称は ドリーム ドリー夢 ドリ など。このジャンルを楽しむ人を夢見乙女 夢女子 ドリーマー などと呼ぶ。
多くの場合、版権 キャラクター オリジナルキャラクター (夢主人公の略称・夢主 と呼ばれることが多い)の交流が書かれる二次創作 の一種である。cookie JavaScript によって夢主の名前を読者が自由に変換することができ、夢主=自分と考え楽しむことが可能。『大好きなキャラクターと交流できる夢のような小説』として広まったと思われる。内容としては恋愛が多いが、友情など恋愛以外をテーマにした作品もある。夢主を自分ではなく一人のキャラクターとして認識し、楽しんでいる人も多い。
一次創作
に名前変換機能が付いた作品もあるので、必ずしも二次創作とは限らない。また乙女ゲーム 作品の夢小説は公式の主人公とは別に夢主が登場する作品と、公式主人公が夢主として登場する作品がある。
どちらにせよ、名前変換機能が付いたものであるということが大前提。
名前変換のないオリキャラがキャラクターと交流する小説は夢小説ではないため注意が必要。


腐向け


腐向け」とは、主に男性 同士の恋愛をテーマとした「女性向け 」作品、つまり腐女子 (稀に腐男子 )向けの作品のことを指す。ボーイズラブ (BL )メンズラブ 、男性キャラ同士の恋愛を扱った二次創作 (やおい /801 )などがこれに当たる。
女装
性転換 擬人化 ケモノ など、ボーイズラブの中でも人を選ぶ趣向の作品も存在するため、「腐向け」タグのついた作品が、必ずしもすべての腐女子に適応しているというわけではない。
少年
を扱ったショタ は「女性向け」とも「男性向け」とも取れるため、つけられている場合とそうでない場合が混在する。
なお、男性同士であってもゲイ 向けのガチホモ 作品は腐向けとは全くの別物であり、同じ男性同性愛を扱いながら、その趣向や表現手法は著しく異なっていることが多い(ゲイポルノと腐向け

作品の双方を好んでいる腐女子や腐男子もいないわけではないが)。




とのことなんです。

大変申し訳ありません( ;;)

Pixivの方で同じものを投稿させていただいているのですが、

そちらは腐向けに直したのですが、

残念ながらAmebaは多くの作品を今から直すのは正直きついです・・・

許してください( ;;)

なのでそのままでいかせていただきます。

大変申し訳ないです。

この内容の記事は定期的にうpしようと思います。

それでは。

本当に申し訳ないです・・・・というか今まで区別して使わなかった自分が恥ずかしいです・・・・。

ではでは。

山坂(山岳×坂道)→巻坂?


自分は今、

報われない恋に囚われている。




電話越しで彼の声を聞くだけでは気が済まなくなった真波山岳は、

小野田坂道に内緒で、一人総北高校の練習場所としてよく使われている峰が山山頂を訪れていた。

今登っている山道は、総北自転車競技部での恒例の行事である『一年生レース』のコースだろう。

自分はリタイアしてしまったが、とても良い経験ができたと、そう彼は嬉しそうに話していた。

彼が今もほぼ毎日走っているコースを自分が走っていると思うと、

不思議と力が湧き、ペダルの回転が上がる。

「本当に、東堂さんには感謝しないと」

真波は小声で尊敬すべき先輩の言葉を思い出した。

「真波。お前は自分の気持ちに誇りを持つべきなのだよ、俺のようにな!!!」

自分が今、小野田坂道に対して抱く自分の気持ちに向き合えたのは、

クライマーとして尊敬すべき東堂の後押しのおかげであった。

真波が小野田坂道に対して抱く自身の恋慕を否定し続けていたがために、

本人は全く気が付いていなかったようだが、だいぶ部活動の練習に支障が出ていた。

それを見かねた泉田が東堂に相談し、東堂は見事目的を達したというわけである。

東堂が試しにと言って、自分と箱根山を登った。

タイムはいつも通りだった。

多少以前よりも息切れが早くなったが、特に問題はなかった。

登り終えた後、東堂は困ったような表情を浮かべる。

「うむ。タイムは問題ない、それにギアの使い方も、ペダリングも、際立った欠点は見つからんな。だが真波よ、お前――――――――――――――」

その後、東堂が指摘してきた言葉を思い返して、真波は思わず笑みを浮かべた。

この事実が笑わずにはいられない。


坂道を登っている最中、自分が一切笑っていなかったなんて。


だが今は不思議なぐらい笑っている自分がいる。

自身の気持ちを受け入れただけで、こんなにも見える景色が違うなんて夢にも思わなかった。



世界が今まで以上に彩り、そして、美しい。



峰が山山頂に彼がいると坂道の後輩に聞き、自分の持つ全ての力を出して山頂を目指した。

今までにないぐらい、気持ちの良い風が吹いていると思った。

胸が高鳴り、心が躍る。

真波山岳は考える。

まず彼に会ったら何を言おうか?

愛している?

それとも、

今まで冷たくしてごめんなさい?

そうだ。

一先ず彼に謝ろう。

その後に女々しくて申し訳ないが、言い訳をさせてもらわなくてはならない。

今まで君に対してしてきた拒絶は、

ただ俺が君に対して抱いていた気持ちに戸惑っていただけなんだ。

本心ではない。

本心は違うんだ。

俺はずっと前から君のことが好きだった。

好きで好きで、仕方がなかっただけなんだ。

ちゃんと言葉に示せば、きっと彼は自分を許してくれる。

いつもの笑顔を浮かべて、きっと笑ってくれる――――――――――。



「―――――――――――――」

そんな夢を見ていたから余計、今の状況に自分はついていけなかった。

途方もなく絶望した。

自分は彼の笑顔しか知らなかった。

太陽のように笑う、彼の姿しか知らなかった。

「―――――――――――――」

彼は今、両目から大粒の涙を流している。

山頂に到着したと同時に、真波は彼が山頂で泣いている姿を見た。



儚げで、それでいて、とても美しいと思った。



そして悟る。

彼が今まで自分に対して、『笑顔』しか向けていなかったことを。

「巻島さん・・・・・」

彼の呟く声が、大好きな風に乗って自身の耳に入ってくる。

大空を仰ぎ、ただ静かに『巻島』という人物の名前を呟きながら、

彼はベンチに座り泣いていた。

以前彼が自分に対して、泣きながら笑みを浮かべてくれたことがあった。

だが今の彼は、酷く切ない表情を浮かべながら泣いている。

彼が心の底から尊敬し、敬愛している絶対的な先輩である巻島祐介の名を呼びながら。

「・・・・・・・・・」

ああ、なんて自分は傲慢なんだろう。

彼の心には、自分の存在だけが在ればいい。

そう強く願っていた。

彼の心を、自分の存在でいっぱいにしたい。

それが実現できると信じていた。

何故なら現に今の自分は、小野田坂道という人間で満たされているのだから。

彼を満たすのは、自分しかいない。

そうなることを前提としていた自分が、酷く惨めに思えた。

『巻島さん』という言葉を、また彼が呟いた。

クライマーとして、今まで頼ってきた先輩がいなくなってしまったという、

ただそれだけの感情で、彼の顔があそこまで歪むだろうか?

今、彼が浮かべている表情はまるで―――――――――――。



自分の元から去り、遠くへ行ってしまった恋人を想う、そんな表情。



「坂道・・・・・君・・・・・」

彼の名を呼ぶと、彼は驚いたような表情を浮かべこちらを見た。

そして必死に裾で涙を拭うと、またいつもの笑みを浮かべて自分の名を呼ぶのだ。

「真波君!」

駆け寄ってくる坂道に、真波は微笑んだ。

坂道君。

別に笑顔でいなくたっていい。

悲しければ、泣けばいい。

辛ければ、頼ればいい。

坂道君。

君が俺を頼らないのは、俺が総北と敵対する箱根学園の人間だから?

君が俺の目の前で泣き顔を見せないのは、

俺が君にとって、

その程度の人間だから?

「やあ・・・・・坂道君。――――――――遊びに来たよ」

彼は笑顔で「嬉しい」と言う。

だが自分の表情を見て、その笑みは驚愕へと変わっていく。

「真波君・・・・どうして・・・・泣いてるの・・・・?」

ああ、何でだろう。

自分は笑いながら泣いていた。

大粒の涙を両目から流しながら、自分は笑顔で泣いている。

それはきっと、

自分の中に彼の存在が収まらなくて、

彼の存在が涙に変わり、溢れだしたせいだろう。

坂道君。

俺はね、

君のことが、

この世で一番、

大好きだよ。




報われない恋が幕を開ける。

まだ舞台にも上がれない自分は客席から、

玉虫色の髪をした青年と、

心の底から愛してやまない青年の二人が、

果てしない道を、共に歩んでいく姿を見ているだけ。

二人が去って、客席も自分以外誰もいなくなって、

そして、

自分だけが残される。











→続きません

→読み返して、なんだか真波君に謝りたくなりましたごめんなさい

→久々の投稿です!!

→最近なかなか時間がないです・・・・本当に

→新生活もスタートしたわけですが・・・・なんだかすごく勉強してる気がします(笑)

→弱虫ペダル33巻のネタバレもはよしたいのですが・・・・・

→何しろ時間がΣ(゚Д゚)

→部活動が始まるのも考えると・・・・・本当に・・・・・・恐ろしいですわほんまに

→それでは

→暑い季節がやってこようとしていますが

→体調にはお気をつけて

→ではでは

弱虫ペダル夢小説(※腐)


この夢小説にあたっての注意!

です。腐の意味すら理解していない方は即刻リターンしてください!

弱虫ペダルのネタバレが多少含まれています!(登場人物紹介から)

かなり雑ですし、文が下手です!特にキャラのセリフが酷いです

(↑荒北さんや鳴子くんなどなど。特徴的な言葉遣いの方々は酷いです)

原作のセリフがそのまま入っていたりします。

この夢小説を読んで弱虫ペダルの冒涜だとか思いそうでしたらリターンして下さい!

以前投稿した巻坂や今坂や荒坂とは話が繋がっていません!(キャラ設定は多少引き継いでます)

キャラの親の名前は私が勝手に付けました!!気にしないでください!!

登場人物紹介で所々オリジナルが混ざっています。

というか文句つけそうでしたらリターン宜しく!!

真波くんがなかなか報われません。

唐突に思いついた話を文に起こしてみました(*´ω`*)お粗末です(*´ω`*)

突然始まり、そして突然終わります。

再度警告します。

真波くんが残念なことに報われません。


登場人物紹介


★小野田 坂道(千葉県立総北高校1年・自転車競技部)

弱虫ペダル主人公。

同じクライマーである巻島を頼る真っ直ぐで純粋なクライマー

小柄で細く、丸い眼鏡を掛けている。漫画やアニメが大好きなオタク。
ひょんなことからロードレースを始める事になり、才能を開花させてゆく。

もうすぐ高校2年生で、クラスは今泉や寒咲と同じ。

真波のおかげでインターハイの舞台に出られ、楽しい思い出を沢山作れたと思っており、

彼に対して心から尊敬し、感謝している。

未だに巻島がイギリスへ行ってしまったことを悲しく思っている。

巻島に対して抱く気持ちは、親愛?、それとも、愛情?


★真波 山岳(私立箱根学園1年・自転車競技部)

選手層の厚い箱根学園で1年生にしてレギュラーを勝ち取る実力を持つ。

遅刻魔な上にゆるい性格で、気が向かないことは参加せず自由気ままに自転車で山道へ繰り出し、

坂道と同じクライマー。

自転車で大好きな山道を登ると、坂道と同様自然と笑顔になる。

一見優しい男のように見えるが、かなり病んでいる

自分のせいで箱根学園を優勝に導けなかったことを今でも悔いているためか、

(↑自分が坂道をインターハイへ導いてしまったから)

自分が彼のことをこの上なく愛しているという事実から逃げている。

(↑自覚しているが、見てみぬふり)

だが、東堂からの後押しもあり、ようやく彼に想いを伝えるべく、坂道のいる峰が山山頂に向かう。







エレンの言葉を、リヴァイはずっと黙って聞いていた。

泣きじゃくる彼を見て、リヴァイは思う。

彼は大人によって制約を受けた、ただの15歳の少年だと。

15歳と言えば、自分はまだ地下街でゴロツキだった。

巨人の駆逐だの、そんな大層な夢など掲げずに、

ただ自分の好きなことを好きなようにしていた。

今思うと、退屈な日々が酷く恋しい。

仲間を失っていくごとに、後悔の嵐が自身を襲った。

軽かった翼も、今や『人類最強』という重しによって羽ばたきを失いかけている。

後悔しかないと思っていた。


澄んだ瞳をした、この少年に会うまでは。


ずっと空いていた自分の隣に、彼は違和感なく居座った。

彼の優しさに、心が大きく揺さぶられる。

今まで他者と一定の距離を空けていた自分が、初めて自らその距離を縮めようと奮闘した。

「なあ、エレン」

「・・・・・?」

「俺はお前のことを心の底から愛している。

だからもし巨人を全て駆逐したら―――――――俺と結婚してくれないか?」


( ゚Д゚)?」


エレンがバッとリヴァイの肩から顔を上げ、信じられないような表情を浮かべる。

心の声が、彼の表情にしっかりと刻まれていた。


今、何て言いました?リヴァイさん。


「すべてが片付いたら、結婚しようと言った」

「に、二回も言わなくていいですよ!!!!」

エレンの顔が見る見る間に紅潮していく。

彼の泣き顔も好きだが、こういう照れた顔の方が自分は好きだった。

「ふ、不謹慎にも程がありますよ!どうして今言うんですか!?」

「正直、巨人が全て駆逐されてから言うつもりだった」

「だから、どうして―――――――」

「だが、いつ死ぬか分からない状況で―――――――この言葉を伝え損ねることだけは避けたかった」

「―――――――――――――――」

「昨日俺の班は、俺とお前を除く四人を失った。

俺は奴らの意思を受け継ぐために、決して立ち止まらない」

そう思い続けて、今までこうして生き延びてきた。

「今までに俺は多くの仲間を失ってきた。

その意思を、今までは全て自分一人で背負い続けるつもりだった。だが――――――」

リヴァイはそこで言葉を切った。

先ほどまで慌てていたエレンが、今は真摯に自分の言葉に耳を傾けている。

彼のそういう所も好きだと、リヴァイは改めて思った。

「お前にもその意思を背負ってほしい。そして俺よりも先に死ぬな・・・・・・命令だ」

の言葉にエレンは優しく微笑んだ。

また彼の表情に、心の声がしっかりと刻まれていた。


命令されなくても、必ず遂行しますよ。リヴァイさん。


エレンは漸く待ち望んだ言葉が聞けたことに喜びを隠せずにいた。

笑みが零れないはずがない。

「はい!」

彼の迷いない返答を聞いて、リヴァイはふと自分の身体が軽くなったことに気が付く。

先ほどまで重く圧し掛かっていた『何か』が、ふっと軽くなった気がした。

羽ばたきを失った翼が、自分の身体に合う形へと変形していく。

「俺は死にません。そしてリヴァイさんも死にません。

 俺だって巨人を全て駆逐したら、リヴァイさんと結婚したいですもん」

「・・・・・・・」

「照れてますか?」

「削ぐぞ」

「すみません」

いつも通りの他愛もない会話が始まる。

エレンを監視するという名目で、エレンとリヴァイは同室となった。

夜は互いが寝ることを確認するために、同じベッドで眠る。

以前に増して、二人の距離はグッと縮まった。

「ねえ、リヴァイさん」

「ガキは早く寝ろ」

「もし俺たちが生きている間に、巨人が駆逐できなかったら・・・・」

「・・・・・・・・・」

リヴァイはエレンに背中を向けていたため、寝返りを打ち、エレンのいる方へ向く。

するとエレンと目が合った。

どうやら彼は、こちらを向いて話しかけていたようだ。

「変なこと想像する暇があるのなら、寝ろ」

軽くエレンの鼻を摘まむと、バッと寝返りを打ち、彼に背中を向ける。

太陽が沈み、夜という闇が、この少年の不安を煽っているのだろう。

しょんぼり肩を落としているエレンを察したのか、リヴァイは軽くため息を吐いた。

「この時代で報われなくても、いつかまたこの世に生を授かることがあるだろう。

 そしたら俺はお前を見つけ出して、今以上に甘やかしてやる。だから安心しろ」

「!」

「だが俺は、この時代で幸せになるつもりだ。てめェはそうじゃねェのかよ」

「そ、そう意味で言ったわけじゃありません!お、俺は―――――――――」

そんなエレンの様子に苛立ち、リヴァイはバッと起き上がる。

驚いているエレンの方を向き、再び横になると、彼を深く抱き込んだ。

そして彼の額に軽く口付けする。

「!?」

「いいから寝ろ。次はねェぞ」

そう言い放つと、リヴァイはすぐに眠ってしまった。

どうやら昨日眠っていない分、だいぶ疲れがたまっているようだ。

エレンは暫くリヴァイの寝顔を見つめていた。

彼の温もりを直に感じ、不思議と安心感に包まれる。

眠気が徐々に自分を襲い、深い眠りへと誘った。



夢の中で、自分は真っ白な空間に佇んでいた。

『エレン』

何処からか聞き覚えのある声が聞こえる。

声の主が視界に入らなかったが、エレンにはその声が誰なのかすぐに分かった。

自然と涙が溢れだす。

『おい、エレン。何泣いてんだよ』

『ったくよー。これだからガキは』

『ちょっとオルオ!あなたは黙ってて!!』

『エレン、辛気臭ェ顔すんなって』

裾で涙を拭い、エレンは精一杯敬礼をする。

どんどん遠ざかっていく声を聞き逃さないよう、エレンはこみ上げてくる言葉を抑えて必死に黙っていた。

『んじゃまあ、先にあっちで待ってるぞ、エレン!またな』

声の主が一人、別れを告げて去って逝く。

「ありがとうございました・・・・エルドさん」

エレンは今出せるだけの精一杯の敬意と感謝を込めて礼を述べた。

『エレン。お前と過ごせて本当に楽しかった。ありがとな』

声の主がもう一人、別れを告げて去って逝く。

「ありがとうございました・・・・グンタさん」

『ったく、いつまでも泣いてんじゃねェーよ!先に行くだけだろうが。ゆっくり後から来い』

声の主がまたもう一人、別れを告げて去って逝く。

「ありがとうございました・・・・オルオさん」

『エレン』

その声と共に、何か温かいものがエレンを包み込む。

『エレン、今まで本当にありがとう・・・楽しかったわ。幸せになって』

温もりがエレンからそっと離れて行く。

それが堪らなく辛く感じられ、エレンはその方向に手を伸ばした。

その温もりをこの場に留めておくために。

「ま、待ってください!ペトラさん!!!」

彼女の名前を呼ぶと、何故かペトラが自分の目の前にいるような感覚に陥った。

『エレン、あと一つだけ・・・我儘言ってもいいかしら』

「はい・・・・っ」

『リヴァイ兵長を・・・・宜しくね』

そう言い、微笑んだ彼女が見えた。

エレンは再び敬礼する。

そして大きな声で返事をした。

「はい!!」

最期までこの場に残っていた声の主が、別れと願いを告げて去って逝く。

「ありがとうございました・・・・ペトラさん」

暫くその場でエレンは泣いていた。

悲しいからではない。

最期に彼らに会えたことが、堪らなく嬉しかったからだ。

会えて良かった。

貴方たちに会えて、本当に良かった―――――――――。



リヴァイもエレン同様の夢を見た。

やはり最後までその場に留まっていたのは、エレンの時と同様にペトラだった。

『リヴァイ兵長』

「なんだ?」

『エレンを、幸せにしてあげてください。そして、あなたも』

その言葉を聞き、リヴァイは目を見開く。

消えていく温もりに向かって、リヴァイはスッと手を伸ばした。

「ああ、約束しよう。お前たちは―――――俺の元で働いたことを、後悔しているか?」

『いいえ』

リヴァイにはペトラの温もりが消える間際に、彼女が自分に向かって微笑んだような気がした。

『あなたの元で働けて、幸せでした』

その言葉を残し、最期の温もりが完全に消え去った。

「ああ・・・・・俺も、幸せだった」

静かに涙を流しながら、彼はそう口遊んだ。

会えて良かった。

お前たちに会えて、本当に良かった――――――――。





あなたには理解できますか?

残された者の、計り知れない苦痛が。

そして。

逝ってしまった者の、計り知れない後悔が。






→続く

→ついに進撃の巨人夢小説投稿です(*ノωノ)

→本当にこの二人大好きすぎてpixivで荒ぶっていましたwwww

→ここまで読んでいただき、ありがとうございましたwwwww

→次辺り、転生しようと思いますwwww

→ではでは。

進撃の巨人夢小説


<注意>

●初めに断わっておきますが、です!腐ってます!

●勿論リヴァエレ(リヴァイ×エレン)です!よってミカサが安定のセコムです(今回は出番なし)。

●原作に多少沿っていますが、あくまで夢小説。察してください。

●キャラ崩壊ウェルカムの人、大歓迎です。

●作者の進撃愛と妄想の詰まった物語となっています。ノリとテンションでいってます。

●シリアスだったりいろいろします。

●死ネタあり。というか転生大好き(*’ω’*)だが今回は転生しない!

●ショートストーリーなのかどうかは、その時々によります。というか突然始まる。

●この時点で「こいつヤヴァイ」と思った方、回れ右してください。

●とにかく何でもおk!な人のみどうぞ!


<主な登場人物紹介>


●エレン・イェーガー

進撃の巨人主人公。

強靭な精神力と非凡な行動力を持ち、壁の外の世界に人一倍憧れを持つ心優しい少年。

巨人化能力を持ち、人々から謙遜されていることを陰ながら気にしている。

当初はリヴァイを『人類最強で尊敬する憧れの先輩』として見ていたが、

行動を共にするごとにその意識が変わっていく。

リヴァイを生まれて初めて心の底から愛しているが、立場上あまり表に出さない。


●リヴァイ

人類最強の兵士として名高く、その実力は1人で一個旅団並みの戦力を持つとも噂される。

調査兵団に入る前は王都の地下街で暴れるゴロツキであった。

冷静かつ粗野で、無愛想な性格で口調も辛辣であるが、エレンには甘いし意外とシャイ。

潔癖症だがエレンと触れ合うのには何の抵抗も示さない。

当初はエレンを『駆逐が趣味な巨人化できるただの可愛い後輩』として見ていたが、

行動を共にするごとにその意識は変わっていく。

エレンを生まれて初めて心の底から愛しているが、シャイなためあまり表に出さない。





あなたには理解できますか?

残された者の、計り知れない苦痛が。




女型の巨人がリヴァイ班を壊滅させた。

その日エレンは一睡も眠ることなく、逝ってしまった仲間の遺品を整理していた。

遺骸を持ち帰ることもできなかったため、かつていた仲間の遺品を埋めて弔おうと考えたのだ。

先ほどまで窓から差し込んでいた月明かりが、いつの間にか太陽とすり替わっている。

エレンは僅かな彼らの遺品を胸に抱え込むと、夜の間に掘っておいた穴にそれらをそっと置いた。

遺品が僅かしかないのは、家族にある程度返してしまったからだ。

「・・・・・・」

穴は全部で四つ。

左からエルド、オルオ、ペトラ、グンタとなっている。

なっている、と言っても、勝手に自分が決めただけなのだが。

遺品を収め、丁寧に土を掛けた。

墓石とは言えないが、それなりに大きな石を立て、エレンはその前で合唱する。


なんて不格好な墓なのだろうか?


悲痛に歪んだ表情を浮かべ、エレンは暫くの間そこから一歩も動かなかった。

胸が締め付けられているかのように苦しい。

昨日の出来事が脳裏を過る度に、エレンの身体は大きく身震いした。

「おい」

背後から声を掛けられるが、エレンは声の主の方に顔を向けない。

声色からそこにいる人物が誰か分かっているからこそ、余計顔を向けられないのだ。

声の主は暫く沈黙していたが、チッという舌打ちが聞こえるのとほぼ同時に、

エレンは声の主に抱きしめられていた。

「リヴァイさん・・・・離してください」

今までなら羞恥心で恥ずかしがっていただろう。

だが今は、そんな浮かれる気分になれなかった。

この世で最も愛しいと思える人からの抱擁が、今は酷く辛く感じる。

「てめェが命令してんじゃねェよ。お前の許可なんざいちいち取ってられっか」

「許可取ったこと、ありましたっけ?」

「ねェよ」

「ですよね」

エレンはそこで初めて微かに笑った。

リヴァイはエレンの背中をそっと撫でる。

それによって、徐々にエレンの緊張も解れてきた。

「エレン、お前昨日・・・・一睡もしてねェだろ」

「・・・・眠れなくって」

「寝ろ。睡眠は任務に大きく影響する」

「リヴァイさんに言われても、説得力ないですよ。あなただって、眠っていないくせに」

エレンはそこで漸くリヴァイの顔を見た。

「いつもより、眉間の皺が多いですもん」

その言葉に目を見開くリヴァイに、エレンは微笑む。

どうやら図星だったようだ。

軽く呼吸を整え、エレンは遺品を整理しながら考えていたことを口に出した。

「リヴァイさん、実はあなたに会ったら言いたいことがあったんです」

「何だ?」

「俺は、あなたより先に死なない」

「!」

突然の宣告に、リヴァイの動揺が表情に表れる。

エレンは彼から視線を逸らさずに、真っ直ぐ見つめた。

透き通った黄色い瞳が、リヴァイの視線を捉えて離さない。

「俺が暴走したら、あなたが俺を殺してくれるって、以前約束しましたよね?

 でもその約束、なかったことにします。すみません」

「・・・・・・」

「俺は暴走なんかしない。だからあなたの隣にずっと在り続けます。

 だから、あなたの『人類最強』という翼を、俺にも担がせてください」

親しかった、家族同然とまで思える彼らを失った悲しみは、

恐らく自分より彼の方が大きいだろう。

確かに調査兵団に入って、多くの同期を見送ってきた。

だが今回は今までのものと訳が違う。

昨日命を落とした彼らは、エレン・イェーガーという人物をを護るためだけに、命を落とした。

それが堪らなく悲しかった。

苦しかった。

その事実はこうも解釈できる。


自分がいなければ、彼らはもっと生きながらえた。と。

今も尊敬するリヴァイ兵長と共に、これから先人類のために生きていけただろう。


リヴァイはただ黙ってエレンを見つめていた。

そして突然、リヴァイよりも身長の高いエレンの足を勢いよく蹴り飛ばし、

その痛みに驚いて地面に座り込んだエレンの前にしゃがみこむと、そっと優しく抱きしめた。

痛みで多少涙目になっていたエレンは、リヴァイの肩に自分の顔を埋める形となり、思わず驚いてしまう。

強引な人だとは思っていたが、まさか今、それをしてくるとは夢にも思わなかったからだ。

「ガキが一丁前に耐えてんじゃねェよ」

「?」

「泣きたい時は、泣けばいいだろ」

「――――――――――――――」

リヴァイの行動の真意が伝わる。

彼の行動と言葉を解釈するならば、こういうことだ。


俺の肩を貸してやるから、泣きたいだけ泣け。


「無理ですよ・・・リヴァイさん。俺は泣きません」

エレンは言葉を紡ぎ始める。

徐々に涙声になっていく自分の声を呪いながら、エレンは全力で平静を装った。

「だって、泣いたらまるで、まるで俺が被害者みたいじゃないですか!!

 俺は、彼らの命を奪って生きながらえた、謂わば、謂わば加害者だ!!」

視界が滲む。

両目から零れ落ちる雨粒は、きっと先ほどリヴァイに蹴られた時の痛みで流れた涙だ。

だからこれは、決して彼らのために流しているわけじゃない。

泣いたらダメだ。

泣くときは、巨人を全て駆逐したその時に流すと決めていたはずなのに。

「遺骸さえ弔えない。俺は、俺は――――――」

巨人化できる。

ただそれだけの存在の自分が、本当に、本当に――――――――。

「彼らの死を犠牲にするほど・・・価値のある人間なんですか?」

人間。

その言葉にも最近違和感を感じてきた。

もう人間と名乗る資格はないのかもしれない。

巨人でも、人間でもない、異端の存在。


化け物。


その言葉だけが、自分の胸の中にストンと落ちてくる。

エレンの言葉を、リヴァイはずっと黙って聞いていた。











→続く

→中途半端なので続けて読むことをお勧めします(*'ω'*)

その頃、家を出て行った優花は、自転車で箱根病院に向かっていた。

病院に着くと、足早に院長室へ向かう。

ズカズカと病院内を歩き、院長室へ突進していく彼女を誰も気に留めることはなかった。

何故なら優花とこの病院の院長が恋人関係であることは、

この病院の関係者なら誰でも知っているからだ。

ノックもせずに優花はバッとドアを開け、ソファに腰を下ろし資料を見ている院長の前に座った。

「靖久!!」

「どうしたんだい、優花。さっき会ったばかりじゃないか。忘れ物か?」

「どうして坂道君のこと、黙ってたの!?」

「・・・・」

「あなたでしょ?坂道君に名前を付けたの」

「・・・・そうだよ」

「どうして黙ってたの!?私と靖友が、どれほど苦しんだと―――――」

「坂道君が、前世の記憶を持っていなかったんだから、当然だよ」

「・・・・・・・・」

「もし君たちに坂道君のことを言えば、すぐに駆けつけてきて、

 今後の坂道君の将来に影響を及ぼすのは明確だ。だから言わなかった」

久留木 靖久(クルキ ヤスヒサ)はそう言うと、坂道と初めて出会った時を思い出す。

優しそうな母親が、生まれたばかりの赤子を抱いて嬉しそうに微笑んでいた。

「先生、どんな名前がいいと思いますか?」

そんな質問をしながら、腕の中で笑う赤子を愛しそうに見つめていた。

その赤子を見た時、一目で彼が前世の小野田坂道だということは直感で分かった。

何故なら自分も、前世の記憶持ちだからである。

今は『久留木』という名字だが、前世で自分は『荒北』という姓を名乗っていた。

妻の名前は優花、そして自慢の息子の名前は靖友。

「先生!どうして泣いてるんですか!?あ、あの・・・・・」

「あ、すみません。なんだか昔を、思い出してしまって・・」

「?」

「名前ですか・・・・そうですね・・・・。『坂道』、なんてどうですか?」

「『坂道』?」

「ええ。実は私の知り合いの息子に、『坂道』という名前の男の子がいたんですけどね。

 とても優しくて、真っ直ぐで、みんなから好かれるような人だったんです。

 だから僕は、その名前が大好きなんで・・・・・・・あくまで個人的な意見ですが」

靖久の言葉に一瞬驚きながらも、その母親は再び嬉しそうな笑みを浮かべた。

「坂道、坂道・・・小野田坂道・・・とても、いい名前だわ――――――」




「まあ、あなたなりに考えた結果なら、いいわ」

靖久が過去の記憶に浸っていると、優花はため息交じりに言い放つ。

そして立ち上がると、靖久の隣に腰を下ろした。

「帰らないのかい?明日は大学のレポート提出だろう?」

「今帰ったら、靖友に殺されちゃうわ。今日はここに泊まっていく」

優花の言葉の意味を察したのか、靖久は困ったような笑みを浮かべる。

前世で靖友の母だけあって、彼が今家で何をしているのか、大方予測がついているようだ。

「坂道君の件に関しては、許してあげる」

「ありがとう」

素直に謝罪する靖久に優花は少しムッとする。

「本当にあなたって分からないわ・・・・昔からそうよね、本当に。

・・・・でも、そんなあなたをまた好きになった私も、よく分からないけど」

「今度こそ、死ぬまで幸せにするよ」

前世では、息子と、息子の愛する人を失ってしまったから。

靖久の言葉に、優花は嬉しそうに頷いた。

「そうでないと困るわ。でももし、もしまた何か悲劇が起こっても―――――」

優花はそっと靖久の頬にキスをする。

「また転生してあなたを見つけてあげる。だから、安心しなさい」

そう言って満面の笑みを浮かべる優花を、靖久は愛しそうに見つめた。







今度また転生するときは、一体全体君はどんな姿で甦るのだろう?

人かもしれない。

犬かもしれない。

鳥かもしれない。

虫かもしれない。

蛙かもしれない。

目で認識できないほど小さな生き物かもしれない。

それでも、必ず自分は君を見つける。

見つけたら、まず君にこの言葉を伝えたい。



「愛してる」



この世で一番、愛してる。















→終わりです(∩´∀`)∩

→荒坂転生パロ、楽しんでいただけたでしょうか・・・・?

→個人的には自分で書いておいてかなり盛り上がってましたwww

→本当にこの二人が好きです!!早くアニメで活躍しないかな~二人ともっ(*´ω`*)

→転生っていいですよね!!進撃の転生パロにだいぶ影響を受けました・・・pixivって凄いww

→それでは皆さん、またお会いしましょう~

→何かいい案があったらください~(∩´∀`)∩

→前に友達から荒北×新開で書いてよ、と頼まれたのですが、

→あまり好きでないカップリングは無理ですごめんなさい!!!

→皆さんも新学期、体調には気を付けて頑張っていきましょう!!

→ではでは(*´ω`*)







ちなみにソファに移動しても、靖友は坂道を解放しなかった。

抱っこしたまま、何も問題がないかのような素振りで彼を固定している。

そんな靖友を気にせず優花は正面のソファに腰を下ろすと、簡単に事情を説明してくれた。

優花は靖友の姉として現世に生まれ変わったらしく、

両親が海外出張に行っていていないため、金は優花が全て管理しているらしい。

それで靖友が買い物をする時は、財布の紐を握っている優花を同伴させているのだとか。

前世の記憶は靖友と同じく、生まれたその時からあったようで、

靖友が弟として生まれた時、両親に彼の名を『靖友』と提案したようだ。

どんどん解けていく誤解に戸惑いつつも、坂道は一言一句しっかりと聞いていた。

「でも、ずっと探してたのよ?でもまさか箱根にいたなんて・・・千葉県の方ばかり調べていたわ」

「僕も、荒北さんのお母さんが、まさか荒北さんのお姉さんとして転生してたなんて、驚きました」

「引っ越してきたのよね?初めは何処にいたの?」

「いえ、その・・・箱根で生まれました」

「「――――――――――――――――――――」」

その瞬間、靖友と優花の動きが止まる。

そしてパリッという音がたったかと思えば、優花の空になったカップにヒビが入った。

「!?」

「・・・・ということは、坂道君は・・・・箱根病院で生まれたってこと・・・かしら?」

「?。は、はい・・・・」

坂道の返事に笑顔で応答した優花は、バッと立ち上がる。

そして今さっき脱ぎ捨てた上着を再び羽織った。

「少し用事を思い出したから、行くわ。今日は泊まって行って頂戴、坂道君。また後で」

そう言い残して優花は家を飛び出して行く。

その一部始終をポカーンと見ていた坂道に、漸く靖友が声を掛けた。

「小野田チャンは、『坂道』って名前――――――親に付けてもらったのか?」

「?。い、いえ・・・・なかなか名前が決まらなくて、主治医に付けてもらったって、聞きました」

「・・・・ったく、やっぱ確信犯かよ」

「?」

「それより小野田チャン。誤解は解けたか?」

「!!」

「鳴子から事情は聞いた。気が付いてやれなくて・・・・悪かったナ」

「ち、違います!ぼ、僕が勝手に勘違いして、それで、荒北さんを・・・・傷つけました」

坂道が涙目でそう言うと、靖友は一瞬目を丸くして、その後優しく微笑んだ。

///////////////

思わず赤面し、顔を逸らそうとした坂道の顎を捉え、靖友は真っ直ぐ坂道を見る。

「オレは、前世の記憶に縛られているかもしれねェ。

 だがこれだけは自信がある。オレは何度生まれ変わっても、小野田チャンだけを愛する」

分かっているから、自分は神様にお願いしたのだ。

自分が生まれ変わる時は、

彼も一緒に生まれ変わりますように、と。

「解放されたってされなくたって、変わんねェーんだヨどの道。だから――――――――」

靖友はグッと坂道に顔を近づける。

「諦めてオレのモノになれ、小野田チャン」

返事をする前に、自分の口は彼の口によって塞がれる。

噛みつくような口づけが呼吸をする間さえ簡単に奪い去った。

ずっとこうやって彼と触れ合いたかった。

温もりを共有したかった。

そのままソファに押し倒され、彼の口づけは口から頬、そして首へとどんどん下降していく。

いつの間にか服は肌蹴け、シャツが捲られた。

「あっ、荒北、さんっっっ!!ま、ま、待ってくださいっ!」

必死に彼の名を呼ぶが、それが返って彼を煽ってしまう。

坂道の喘ぐ声と靖友の名を必死に呼ぶ声に、靖友の理性は完全に塵と化していた。

前世で身体を何度も重ねていたからとはいえ、坂道は大分混乱している。

現世で今まで誰にも抱かれたことのない坂道の身体は、非常に敏感であった。

それ故に坂道が感じる快楽と、そして未知に対しての僅かな恐怖が胸を満たす。

これから彼が自分に何をしようとするのか、頭では想像できているが、

それでも身体は信じられないぐらい緊張していた。

「小野田チャン」

そう自分の名を呼びながら、彼の手が自分の下半身へ移動していく。

坂道は恥ずかしさのあまりギュッと目を閉じた。

「小野田チャン」

そう自分の名を呼んで、靖友は坂道の顔に自身の顔を近づける。

一旦彼の動きが止まったことが分かり、坂道は恐る恐る目を開いた。

靖友の顔は微かに紅潮している。

彼の両目から、彼が自分に飢えているのは一目瞭然であった。

優花からも聞いたが、靖友は自分と違って生まれた時から前世の記憶を持っていた。

この18年間を、一体全体どんな想いを抱きながら彼は過ごしてきたのだろうか?

「小野田チャン・・・・嫌なら嫌って言えヨ」

「っ!」

「オレは小野田チャンが好きで、好きすぎて、もう我慢できねェ。

 だけど今ならまだ、これからやろうとしていることを制御できる。

 嫌って言われたら、その分キスするけどな」

靖友は情けないような表情を浮かべた。

靖友の気遣いが、坂道には堪らなく嬉しかった。

前世と同じで、彼はいつも自分の了承を得てから次の段階へといく。

それによって、自分も多少の心の準備ができた。

思い返してみれば、前世でも自分はいつも靖友に甘えている。

キスをしてくるのも彼からで、抱いてくれるのも彼からだ。

坂道は自身の羞恥心を頭の隅に頑張って押しやると、靖友の背中に両手を回す。

そして彼の口元に軽くキスをした。

「!?!?!?」

靖友が目を見開き、顔を真っ赤に赤面させる。

その反応があまりに新鮮で、坂道は思わず笑ってしまった。

しかも調子に乗って、こんなセリフを吐いてしまう。

「待っていてくれて、ありがとうございました。

 僕も、や、靖友さんのことが、誰よりも一番・・・・大好きです・・・・」


プッツンッ


何かが切れる音が聞こえる。

坂道が首を傾げていると、靖友が坂道の首筋をきつく吸い上げた。

坂道の悲鳴などお構いなしに首筋に赤い痕を残すと、靖友は満足したような表情を浮かべる。

この後の展開は予想がつくだろう。

案の定、滅茶苦茶セックスしました。

翌日、坂道は自転車に跨ることができず、徒歩で箱根学園に通学し、部活も休んだそうです。












→次がラストです(∩´∀`)∩

→うぅ・・・・おういう描写はあまり得意ではないというか(言い訳)

→難しいですね!プロの方って本当にすごい!

→荒北さんと坂道君、自分で書いておいてあれですが、無事幸せになれてよかったwww

→続く

「彼を、解放してあげてください」

前世の記憶から。

そして。

小野田坂道という、たった一人の男から。


「その願いは一生叶わねェよ、小野田チャン」


聞き覚えのある声がして、坂道はバッと顔を上げた。

目の前に立つ青年の姿を見て、坂道は目を見開く。

立ち上がろうとするが、突然のことで身体がうまく反応しなかった。

「話がある。今日はオレの家に泊まっていけ」

「あ、あのっ!荒北さ――――――――――」

そう言いかけた坂道の口を、靖友は自身の口で塞ぐ。

舌を絡み取られ、しゃぶられ、吸われて、坂道は口から零れ落ちる唾液をどうすることもできなかった。

数分間という長い口づけを終え、自身の思考回路が完全に停止する。

立つことさえできなくなってしまった坂道を、靖友は俵担ぎした。

自転車が留めてある所まで移動し、徐々に思考回路が運転し始めた坂道を下ろす。

靖友は何も発さなかった。

ただ黙って自転車に跨り、自分についてくるように坂道に促す。

ここで逃げることもできただろう。

彼が走っていくのを確認して、自身の家に引き返すこともできた。

恐らくそれを実行すれば、彼は追ってこないだろう。

そんなことを頭で考えていたはずが、身体はその考えと相反する行動をした。

彼の背中を追うために、自分は自転車を扱ぎ始める。

靖友の家に着くまで、二人の間には一切会話がなかった。

家に着き、玄関の傍に自転車を止める。

おろおろしている坂道の右手を靖友は素早く握りしめると、

靖友は自身の家の中に坂道を誘導した。

「あ、荒北さん!?」

靖友の歩くペースについていけず、坂道は玄関先で態勢を崩す。

だが坂道が倒れるよりも先に、靖友は彼をスッポリ自分の胸の中に収めていた。

////////////////////

久々に感じる彼の温もりに、思わず体温が急上昇する。

靖友が坂道の肩に顔を埋めた。

幼子が母親に甘えるようなその仕草が、堪らなく恥ずかしい。

「あ、荒北さん・・?」

「―――――――――」

「・・荒北さん・・?」

何の反応も見せない靖友を不審がり、坂道は首を傾げる。

自分の肩が湿っていくのを感じた。

耳を済ませなければ聞こえないほどの嗚咽も聞こえる。

「!」

気が付けば、頭で考えるよりも、身体が勝手に動いていた。

恐らく前世でも同じことをしていただろう。

坂道は左手を靖友の背中に回し、右手で靖友の頭を軽く撫でた。

自分が辛いだの苦しいだのという言い訳をして、靖友をずっと避けてきた。

自分のことで手一杯になって、大切なことを見逃していた。

自分は彼の気持ちを、一切理解しようとしなかったのだ。

人前で、ましてや自分の目の前で涙を見せるその姿は、前世の記憶を辿っても滅多にあることではない。

「小野田チャン・・・・」

涙声でそう呼ばれ、坂道は目を伏せる。

靖友が何かを言おうと口を開いた瞬間、玄関のドアが勢いよく開いた。

坂道はハッと我に返ると顔を上げる。

そういえば自分が今いるこの場所は、玄関のすぐ先であった。

誰かが家に戻ってきたら、すぐ目に付く場所である。

「や、靖友っ!!!何やってるのよ!!!浮気はダメじゃない!!!」

声色から声の主が女性であることはすぐに分かった。

この位置からでは声の主に背中を向けてしまっているため姿は見えないが、

恐らく以前靖友と一緒にいた女性だろうと坂道は予想する。

そう思った瞬間、全身が小刻みに震え始めた。

胸に鋭い痛みが走り、激しい頭痛と吐き気が自分を襲う。

そんな坂道を、靖友はそっと抱き上げた。

まるで赤子をあやすかのように背中を擦り、ぽんぽんと軽く叩いてくれる。

そして靖友が「大丈夫だ」と耳元で囁くと、自然と不快感は薄れた。

視界に声の主の姿が映る。

彼に抱き上げられたことにより、坂道は声の主の姿をしっかり見ることができた。

やはり靖友と一緒にいた黒髪の美少女だ。

だがその美少女と目が合うと、少女は目を見開くと大きな瞳から大粒の雨を降らし始めた。

先ほどまでの不快感も忘れ、坂道は素っ頓狂な表情を浮かべる。

少女は泣きながら嬉しそうな表情を浮かべ、自分の名前を呼んだ。

「坂道君」



―――――坂道君―――――



いつの間にか、自分も涙を流していた。

彼女を知っている。

自分は、彼女をよく知ってる。

「ゆ・・・・優花・・・・さん・・・・?」

前世での靖友の母であった、荒北優花。

靖友と自分の交際を快く認め、自分のことを大切にしてくれた、前世で大好きだった人である。

その人と、今自分の目の前に立っている美少女の姿が、酷く重なった。

坂道の言葉に、その少女は大きく頷くと坂道を勢いよく抱きしめる。


「さ、坂道君~~~~ッ坂道君だわあああああッ!」


おいおい泣き始めた彼女の顔は酷く涙で濡れ、折角の美人顔が台無しであった。

一先ずリビングに移動した三人は、ソファに腰を下ろす。

優花は慣れた手つきで紅茶を淹れた。

ちなみにソファに移動しても、靖友は坂道を解放しなかった。

抱っこしたまま、何も問題がないかのような素振りで彼を固定している。

そんな靖友を気にせず優花は正面のソファに腰を下ろすと、簡単に事情を説明してくれた。












→続く

→もう完結しましたwww続けてまだ投稿しますwww

→ここまでお付き合いしていただき、ありがとうございましたwww

→まだ続きますwww

(※注)多少R-15です(今後)。今のうちに言っておきます。









日は西に沈みかけていた。

坂道は拳を強く握りしめる。

いつの間にか涙を流していたことに気が付くが、たいして驚きはしなかった。

いつものことだ。

もう慣れた。

涙を流すたびに坂道は内心思うのだ。


こんな気持ちになるのなら、彼に会わなければ良かったのに。



―――――ずっと待っててやる、だから早く――――――――オレと、出会ってくれ―――――

(※弱虫ペダル夢小説 荒坂(荒北×坂道)ルート  転生パロ 3 参照)



坂道は一人涙を流す。

心の底から愛しいと思える彼の姿を思い出す度に流れる涙は、枯れることを知らなかった。

坂道は腕時計に視線を移すと、少し目を見開いて慌てて裾で涙を拭う。

そして日々の日課を熟すため自転車に跨り、箱根学園とは逆方向に足を勧め始めた。

毎日決まった時刻に、坂道はここからそれほど遠くない墓地に足を運んでいる。

墓地の入り口付近に自転車を止めると、その墓地を管理する住職と鉢合わせした。

だが特に驚くことはない。

何故なら、その住職とは顔を合わせたことが何度もあるからだ。

「おや、今日は少し早く着いたんですね」

住職である吉原が坂道に声を掛けると、坂道は気恥ずかしそうに俯きながら頷いた。

吉原は嬉しそうに微笑むと、坂道に笑顔を向ける。

「あなたにお参りされる方は、本当に幸せ者ですね」

そう言い残して、彼はさり気なく掃除用具を坂道に渡した。

吉原のさり気ない気遣いは、いつ受けても本当に心が温まる。

「花はまだ綺麗に咲いているので替える必要はないと思いますよ。

ひしゃくはいつもの所にありますから、ゆっくりしていってください」

コクンと頷く坂道を見て、吉原は温かい笑みを浮かべその場を後にする。

受け取った掃除用具を握りしめながら、坂道はとある人物の墓に向かった。

目的地に達すると、箒で簡単にゴミを掃く。

毎日やっている行為のため、墓石やその周辺は大して汚れていなかった。

掃除を終え、ひしゃくに入った新しい水を墓石にかける。

「・・・・・・・」

目を閉じて合唱し、坂道は胸に抱いている気持ちを吐き出した。

これが彼の日課であった。

毎日この墓石を綺麗に保ち、そして自身が抱く心境を、その墓石に眠る人物に聞いてもらう。

前世の記憶を取り戻した次の日から行っていた、坂道の細やかな日課なのである。

吐き出される気持ちは、親友の鳴子にも、ましてや自身の両親にですら言えない気持ちだった。

『荒北靖友』と書かれた墓石の前でだけ、坂道は不思議と素直になれる。

「荒北さん、僕は前世の記憶が戻ってきてから、生きるのがとても辛いんです」

静かな墓地に、彼の涙声が響き渡る。

その涙声も、微かに吹き抜ける風によってかき消されてしまった。

「自転車に乗る度に、思い出してしまうんです。

 事故で受けた全身の痛みや、呼吸のできない辛さ、そして―――――あなたの泣き顔」

生まれ変わっても自分を愛すると言った、あの泣き顔。

毎晩夢に出てくるほど、その顔は脳裏に焼き付いていた。

「僕は、この先ずっとあなたを愛し続けます。

 前世の記憶があるからだとか、そういう理由ではなくて・・・僕は、あなたしか愛せない」

あなたの愛が、あまりにも自分にとってかけがえのないものだから。

「僕は前世の記憶があって幸せです。とってもとっても、幸せなんです。

でも荒北さんは、前世の記憶に縛られて苦しんでいます。

 僕以外の人と恋人同士になりたいと望んでいます、だから――――――――――――」

黒髪の美しい少女。

彼にとても見合うような、そんな女性。

きっと彼を、大事にしてくれるだろう。

「彼を、解放してあげてください」

心の底からそう願った。

彼が解放されれば、彼は自由の翼を手にすることができる。

彼をこの世で一番愛しているからこそ、叶えたいと思える願いだった。

自分など二の次である。

前世で彼に辛い思いをさせた。

その事実がいつまでも自身の胸を締め付ける。

坂道は合唱していた手に力をこめ、再び願った。

「彼を、解放してあげてください」

前世の記憶から。

そして。

小野田坂道という、たった一人の男から。











→中途半端ですwwwできれば続けてお読みくださいwww


彼に会わなければ、今すぐに。


坂道は勢いよく家を飛び出した。

前世と現世が違っているのは百も承知だが、一か八かで坂道は前世で記憶している靖友の家を訪ねる。

前世で存在していた靖友の家と、今彼が住んでいる家の場所が一致しているとは考えにくいが、

坂道は必死に自転車を扱いだ。

そして奇跡が起きる。

前世に靖友の家があった場所まで来ると、そこには家が一軒建っていた。

表札を見て、坂道はハッと息を呑む。

『荒北』。

そこには見覚えのある名字が表札に刻まれていた。

今すぐ呼び鈴を鳴らそうか?

迷っている最中に、向こうから男女二人がこちらに近づいてくるのが話し声から分かった。

坂道は思わず曲がり角に隠れる。

声色から、男の方が靖友であることはすぐに認識できた。

そして隣を歩くのは、昼間に見かけた美しい黒髪の似合う美少女だ。

「やーすーとーもー(*´ω`*)眠いから早く連れて行って頂戴」

「ったく、なんでオレがてめェーの世話しなきゃいけねェーんだよ」

「仕方ないでしょー!!文句あるならキスするわよ」

その女性の発言に坂道は目を見開く。

キス。

その言葉が耳の奥で木霊した。

靖友とその少女は『荒北』という表札の掛かった家へと足を運んでいく。

坂道はその様子を呆然とした様子で暫く見つめていた。

「・・・・・・・」

声は何も発さずに、坂道は来た道を戻るために自転車を反対方向に向ける。

暫く頭の中で、思考回路が完全にショートしていた。

大粒の涙が両目から沢山零れ落ちる。

今まで生きてきた中で、この出来事が一番辛いと思った。

来た道を引き返していくと、焦った表情でこちらに近づいてくる真っ赤な髪の少年・鳴子が近づいてくる。

「小野田君!!突然家飛び出したって、小野田君のおかんから連絡受けて・・・って、どないしたん!?」

傍に駆け寄ってきた鳴子に、坂道は精一杯の笑みを浮かべた。

だがその顔は涙で濡れ、少しも笑顔を浮かべられていない。

声が小刻みに震えながら、坂道は鳴子に返答した。

「だ、大丈夫だよ!鳴子君!そ、その・・・・ただ・・・・失恋した、だけだから・・・・」

「!?」

その後、軽く支えられながら鳴子と一緒に帰路を辿り、家に戻る。

両親は自分が夜、突然家を飛び出した理由を深く追及してこなかった。

「失恋した」という言葉で、何かを察してくれたようだ。

後日、鳴子に自分には前世の記憶があることを話すと、彼は馬鹿にすることなく真剣に聞いてくれた。

誰かに話を聞いて欲しかったのだ。

前世の記憶に縛られている自分だからこそ分かる。

今まで生きてきた世界が一変し、自分の身も心も、最愛の人を欲していた。


彼以外は、愛せない。













→続く

→すごく中途半端ですが、今日はここまでですwww

→ではでは