間 黒助です。
日本人の食事は基本的に “ ご飯とおかず ” です。
つまり、
漬け物や焼き魚やおひたしなどをなどを “ おかず ” にして、
1日お茶碗2~3杯のご飯(白米)を食べるというスタイルであり、
食べるターゲットはあくまでも “ ご飯 ” で、
オカズはそのための補助という位置付けにあります。
炊いた白米の味は、
基本的にほんのりと甘くて香りが良く、
しかもそれ自体の味はくどくないため、
塩味や辛みで味付けされた “ おかず ” と非常によく合います。
実際、
美味しい塩辛や漬け物さえあれば、
どんぶり飯が何杯でも食べられると豪語する人も珍しくありません。
そして、
ご飯(主食)とおかずには上下関係が厳然としてあります。
どんなおかずが豪華であっても “ご飯が主、おかずは従 ” です。
大多数の日本人の意識としては、
“ ご飯を食べるためのおかず ” であり、
“ おかずを味わうための添え物としてのご飯 ” という発想はないはずです。
これは “ 酒と肴 ” の関係と似ていて、
肴はあくまでも酒の引き立て役であり、
酒の味を邪魔してはいけないのと同じです。
この “ ご飯とおかず ” のスタイルは外食の基本です。
コンビニや持ち帰り弁当店の弁当は全てご飯と、
ご飯をたいらげる手助けとなる味付けをしたおかずとの組み合わせです。
定食屋も同様、同じ発想で組み立てられているし、
日本が誇る丼物もうな重も基本的にはどれも “ ご飯とおかず ” です。
さらに言えば、
卵かけご飯もお茶漬けもふりかけご飯もおにぎりも、
カレーライスやお寿司も同じ範疇に入り、
どれも “ ご飯とおかず ” という基本構成を守っている。
豪華絢爛なおかずもあれば、
貧相なおかずもありますが、
その真ん中に白米がある構図は同じですし、
白米を食べきるまで食事は終了しません。
ちなみに、
このような “ ご飯とおかず ” という食べ方の様式が日本に生まれたのは平安時代であり、
その成立には、
「米は神が授けてくれた神聖な食べ物」
という米信仰とも言うべき意識が働いていたようです。
逆に言えば “ ご飯とおかず ” という食事の概念は、
人類普遍のものではなく、かなり特殊なのです。
実際、
英語やフランス語などのヨーロッパ系言語には、
日本語の “ 主食 ” に相当する単語がないか、
あっても日本語の “ 主食 ” とはニュアンスが全く異なっているようです。
これに対して日本など米を食べる民族は皆 “ 主食 ” という言葉をもっています。
糖質制限の凄いところは、
この日本人の原点ともいうべき “ 主食 ” を完全否定している点にあります。
だから実際にやってみると大したことなく簡単に始められるのに、
“ 主食を食べない ” というだけで、
心理的軋轢や多大な葛藤を生むわけです。
とりあえず、
頭から “ 主食 ” という言葉を追い出すことが重要です。
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