間 黒助です。
ガンになった時、
治療費はいくら必要なのか考えたことはあるでしょうか。
アフラックが実施したアンケートがあります(下図)。
ガン未経験者に、
「いくらくらいの治療費がかかると思いますか?」
と質問すると、
300万円~(以上)との回答が最多で、
300万円(程度)と合わせると過半数を超えています。
それに対してガン経験者に、
「実際の治療費はいくらかかりましたか?」
と質問すると、
50万円(程度)が最多で、
100万円(程度)と合わせると70%近いです。
想像するほどの治療費はかからないのです。
これは公的な健康保険に加えて、
高額療養費制度があるためです。
例えば、
70歳未満で所得区分「一般」の場合、
医療費の月額が150万円かかったとしても、
自己負担は3割の45万円ではなく、9万2430円となります。
差額ベッド料や先進医療費は高額療養費制度の対象外ですが、
一般的な保険診療であれば、
月額約9万円に抑えられることも可能と考えていいです。
実際のところ、
相応の貯蓄があればガンに対する備えとなります。
そう考えると、
現役世代はできるだけ早くお金を貯めた方がいいでしょう。
年齢が上がってから入るガン保険はコストパフォーマンスが悪くなる上に、
ガンにならなかった場合は掛け金が無駄となるからです。
例えば50代の男性が終身ガン保険に入るとすると、
平均的なもので200万円くらいの買い物ということになるでしょう。
80歳までにガンになる確率は※37%です。
※参照 『 ガン保険の広告が感情面に訴えるのはなぜか 』
もっと長生きしたとして、
ガンにならない可能性が50%近くあります。
その場合は200万円がゼロになるということです。
一方、
200万円の貯蓄でガンに備えるとすると、
運良くガンになることが無ければ200万円が手付かずなので、
この違いは実に大きいです。
もっとも、
貯蓄が無い、あるいは少ないのであれば、
ガン保険に頼るという選択肢も有効です。
その場合はどのような保険を選べばいいのでしょうか。
僕がオススメするのは現在の主流である終身ガン保険ではなく、
5年や10年などの定期ガン保険です。
また、
重要な契約は診断給付金のみで、
他の特約は軽視していいと思います。
定期を選ぶのは、
貯蓄でガンに備えるまでのつなぎにするという考え方が1つ、
また、
終身にはガン医療との関連性においてデメリットがあるというのも理由です。
ガン医療は進歩し続けているし、国の医療政策も変化します。
しかし、
終身だとそれに対応できないケースが出てきます。
例えば、
旧タイプのガン保険の中には、
入院しないと保険金が支払われないものがあります。
近年、
ガンの種類によっては入院無しの治療が選択されることもありますが、
この場合、
この旧タイプの保険は役に立ちません。
古いガン保険は現在、陳腐化しているということは、
現在のガン保険もいずれは陳腐化する可能性が高いということです。
時代に合った定期を選び、貯蓄に励むというのが理想でしょう。
現在、
終身に加入しているなら、
契約内容を見直し、
定期に乗り換えるという考え方もアリです。
ただし、
若い頃から終身に入っている場合は、
保険料負担が低いため、
そのまま継続していた方が有利なことも多いです。
数ある特約の中で、
診断給付金を重視するのはなぜかと言うと、
ガンと診断確定された際にもらえるのが診断給付金だからです。
一般的には1口100万円で、
治療方針に係わらず受け取ることができます。
まとまった金額の一時金ですし、
最も有効な契約と言えるのではないでしょうか。
最後に、
契約内容をよく理解していないと陥りやすいガン保険を巡るトラブルを挙げておきます。
まず、
上皮内新生物では保証が小さくなるケースがあるということです。
上皮内新生物は、
ごく初期のガンではあるのですが、
治療は比較的容易で、
完治する可能性も極めて高いことから、
保険会社によっては悪性新生物と区別しています。
一方、
上皮内新生物でも診断給付金を100%支払う会社もあります。
入院給付金に対する誤解も多いです。
例えば、
ガンの治療に必要な入院が20日間だったとして、
患者さんが高齢のため、
家族が入院の延長を希望すると、
患者さん側の都合により入院が伸びた場合、
支払われる給付金は20日分のみとなる可能性があります。
これはトラブルというわけではありませんが、
手術給付金、放射線治療給付金、通院給付金といった各種特約が増えるほど、
請求の手間も増えるということは心得ておいてほしいです。
治療を続けながら全て自分で対応するとなると、
肉体的・精神的にかなりの負担となることもあるでしょう。
大切なのは、
ガン保険について知識を持つことです。
知識無しには商品を比較することも出来ないし、
加入する、しないの正しい判断も出来ません。
<※今回の記事に対しまして、
前回に続きセシリアさんからコメント欄に素晴らしいご教示をいただきましたので、
コメント欄もぜひご覧下さい※>
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