間 黒助です。
人間は生きていると色々な病気になりますが、
その度に体は治るための反応を起こして修復しようと頑張ります。
それを治癒反応と言いますが、
この生体反応をよく理解しておかないと、
病気が治るステップを理解できません。
怪我や火傷でも治る反応はよく似ていて、
“ 炎症 ” を起こして治ろうとします。
炎症は基本、
“ 腫れ ” “ 熱 ” “ 痛み ” が出ます。
腫れは血流の増加、
熱は代謝の亢進、
痛みは危険に陥っている部位を教えています。
炎症によって血流を増やし代謝を亢進させ、
血液中の脂質によって壊れた組織を修復させるという流れです。
腫れ、熱、痛みなどの炎症を引き起こす中心物質を、
“ プロスタグランジン ” と言いますが、
アスピリンやインドメタシンなどの消炎鎮痛剤は、
プロスタグランジンの産生を阻害する薬です。
消炎鎮痛剤を使うと、
腫れが止まったり、
熱が下がったり、
痛みが軽減しますが、
プロスタグランジンの産生を阻害するので、
“ 炎症 ” の重大な役割を邪魔するということになります。
炎症は病気を治す、細菌と戦う、組織を修復する、
という大切な反応ですが、
患者さんにとっては苦痛を伴う反応です。
現代医療では、
“ 辛い症状を軽くしてあげたい ” という傾向が強いので、
対症療法として薬物投与を行います。
主に、
消炎鎮痛剤、ステロイドホルモン、
免疫抑制剤、抗TNFα抗体、
などが使用されています。
やはり1番使用されているのは消炎鎮痛剤です。
消炎鎮痛剤は血管収縮作用があるので炎症を止めていますが、
血流障害が起きます。
短期的に見れば腫れが治まり、
熱が下がり、
痛みが取れるのですが、
長期的に見れば病気を治す力を失うという見方ができます。
そうは言ったものの、
風邪をひいたときの喉の腫れが強く出る子供や、
よく高熱が出る子供がいますが、
炎症反応の強さは個人によって差があるので、
風邪などの辛い症状を少しだけやわらげる薬物療法なら受け入れられます。
しかし腰痛などで消炎鎮痛剤を使っても、
腰痛が治るということは期待できません。
原因不明の偏頭痛などで経口の鎮痛剤を使用しても、
薬が切れるとまた痛み出すということの繰り返しになってしまいます。
子供時代は免疫力が低く、
体をウイルスなどから守るために副交感神経が優位で、
リンパ球が多いのが普通です。
だから風邪のときの炎症なども子供時代は強く出やすいのです。
人間は20~30歳くらいから生理的にリンパ球が減少を始めるので、
加齢により炎症が次第に弱くなります。
この性質を知っていれば、
子供の炎症に過剰反応しなくて済むことができます。
そもそもリンパ球の多い子供時代に、
食生活や偏った生き方があると、
リンパ球が過剰になりやすいので炎症も過剰に起きてしまいます。
例えば、
甘いものの摂り過ぎ、運動不足、過保護、
などがあると副交感神経が優位の体質になってしまいます。
このことから食生活や生き方が、
“ 自律神経 ” を介して炎症の程度を決めていることを理解しましょう。