僕は人間が性善説というのは違うと思う。たとえあと20年経って人間が進歩したとしたって、心の進歩ははるかに遠い。

 少女の手首に神の恩寵を見出したりもするが、彼女らも社会教育の中で競争することを学ぶ。

 成績がよかったり、頭のよかったりする子が価値があるものとされる。

 実際、社会が、彼女達に課す差別はひどい。

 ところで、僕の入所しているシルバー老人ホームなのだが、大抵の介護士の人は懸命に仕事に従事なさっている。

ところが、どこにでもサデステックな人間はいるもので、僕などはものが喋れず体の自由が利かないものだから、その迫害は熾烈を極める。

 サデストというのはその人の特質によるもので、一種の病気である。

 このような病気が一刻も早く治癒されることを祈る。

 日曜だというのに心が重い。

僕も齢60になったのだから、そろそろ幼稚な人間関係の悩みなど卒業してよさそうなものだがが、なかなかそうはいかない。

 今は津新町シルバータウンなどという老人ホームに通っているけれども、心はひどく明澄だ。その証拠に今も「アタル」という興味深いドラマを楽しんだところだし、十分に楽しめた。

 ふう。ここまで30分。

 まあ、いいさ。今日はここまで。

 また明日。