訃報が届いた

主人の元職場の同僚Yさんの奥さんから 悲しい知らせを受けた


主人の職場の勉強、研修で半年間 千葉県に住んだことがある
その時 全国の赴任地から20人程集められた人たちの殆どは独身だった

家族がいても 単身で来ている人もいて、奥さん連れは 私達を含めて4組だけだった


その内 私とYさんは妊婦、Nさんは流産直後の辛い時だった
Oさんは結婚仕立てのホヤホヤさん
主人達は 帰りも遅く、帰ってからも課題があって 結構遅くまで勉強(?)していて 奥さん達は寂しかった
となると 4人は度々集まって食事をしたり仲良く過ごすようになった
妊婦と流産直後のNさんの会話は 話題にも気を使ったりするもの

でも ある意味空気を全く読まないOさんの明るさに救われ Nさんもどんどん元気になって 私達の体調を気にしてくれたり タブーとしていた話題も自分から色々話してくれるようになった

Oさんは 新婚さんなのに 我が家に遊びに来ては 来てから帰る直前までご主人の悪口やら愚痴を吐きに吐いて 私を笑わせまくった

確かに ソレは無いわぁ 何ソレ?信じられない!とつい同調して一緒に悪口を言いたくなるご主人だった(笑)

帰る直前に「でも まぁそこが可愛いんだけどね〜」で ケロリと帰っていった

可愛い人だった


もう30年以上前のこと

半年が過ぎて私達は 再会を約束して それぞれの赴任地に帰っていった


以後 彼らとは一度も一緒に働くこともなく 会うことも出来なかった
私達は 長く長く 年賀状だけで近況を知らせ合っていた
Oさんの奥さんの訃報は 年末の喪中のはがきで知った
まだ30代はじめの若さで逝ってしまった
Nさんのご主人は50歳を迎えないうちに 職場で倒れて亡くなられた

30年前の景色の中にいた人が 20年前の景色の中にいない

一人、また一人と消えていく


そして今 あの時の夫婦の中で 二人揃って今を生きているのは私達だけになってしまった
出会いと別れを繰り返してきた
5年後の景色の中に私は居るだろうか
10年後の景色の中には 私が居ても私の大切な人は もう居ないのかもしれない
「また会おうね 今度遊びに行くからね」
笑って別れて そのまま時が流れた
会えないまま 二度と会えない人になってしまった
もっと丁寧に生きていこう
ありがとうの気持ちや 大好きな気持ちは ちゃんと伝えていこう
30年前には 見えなかった景色が今は見える
時の大切さや愛しさや 老いの寂しさと同時に 達観したような落ち着きも身につけた
色々なことを許せる心と 小さな親切に涙が出そうになるくらい喜びが溢れる
ずっと一緒に居たかったのに 一足先に景色から消えていった人達の分まで 楽しく幸せに 
もう少し 私はここに居るよ