本当に熱い。
ひりひりするほど熱い。
外に居るだけで干上がりそうなこんな天候にもかかわらず、《Sweet Nefer Trio》の演奏を聴きたくて、27名ものお客さんが三々五々と集まった。
お客さんの中には、ミュジシャンの方々も数名いる。
一般の方だけじゃなく、ミュジシャンの方々も聴きてみたくなるのが、この《Sweet Nefer Trio》なのだ。
スウェーデンの【Sweet Jazz Trio】なら知っているが、《Sweet Nefer Trio》って、なあに?
このユニットと同じく、ドラムレス・トリオなのだ。
誰が云ったか、「ドラムレスは、癒しの時代に相応しい!」
ストレス多きこの時代に生きる人々は誰もが癒しを求めているが、この《Sweet Nefer Trio》はギター・ウッドベース・トランペット(フリューゲルホーン)の三人編成で、心拍音に似たゆったりめのテンポで美しいメロディーを奏でてくれるので、心が洗われるよう・・・。
夢の世界に誘ってくれる・・・。
ドラムがないジャズなんて、メリハリが無くて《気が抜けたビール》みたいでつまらな~い、とおっしゃるあなたにこそ、この《ドラムレス・トリオ》を聴かせたい・・・。
ドラムスが居なくたって、しっかり大きなうねるようなビートを刻んでくれるのが、大きなバイオリンの4本の弦上に己の人生をかける、マーヴィー・アサクラさん。
温和で寛容な心の持ち主が奏でるベースの音は、じわーと心の中に広がっていく・・・。
『大舟に乗った気持ちで』という表現があるが、まさにMarvieさんの大きな船の上でEijiさんのギターもNotsuさんのフリューゲルホーンも自分の個性が自分の音色が出せるんだなあ・・・、きっと。
しっかりと大地に深くはった太い根を持つ樹木にこそ、美しい枝や色とりどりの花が咲くのだ・・・。
映画『ラウンド・ミッドナイト』でテナーサックス奏者デクスター・ゴードンが、『時の過ぎゆくままに』のリクエストに対して、
「歌詞が思い出せないので、演奏できない」
と断るシーンがあったのだが、Marvieさんの歌心にもきっと同じようなところがあるんじゃないかなあ・・・、と思った。
どの曲も心の中で歌いながら弾いているのが、手に取るように分かる。
いつもは思慮深い哲学者のようなEijiさんだが、今日はいつになく饒舌だ。
ギターサウンドもイマジネイティブで鋭く切れる。
ほとんどを目を瞑って弾いている。
が、一音たりとも間違えない。
ソニーロリンズの『セント・トーマス』では、楽しい解説を・・・。
この曲が、これほどまでにユーモラスなものだとは知らなかった。
トランペットとの掛け合いが不協和音的で笑いを誘うが、そのイントロから続くメロディーが、カリプソ的な楽しさだけじゃなくユーモアもあるんだなあ、という新たな発見をさせてもらった。
ベースが、半拍ずつずらしてメロディーを弾くのもユーモラスであった。
Notsuさんのトランペットも《Sweet Nefer Trio》の大きな魅力。
リー・モーガンやニニロッソのように力強くてブリリアントなだけじゃなく、柔らかくてシルキーな音色も出せるんだなあ、と改めて感動した。
7月29日(土)の《映画音楽の夕べ》が待ち遠しい・・・。
アンコール曲として『ラウンドミッドナイト』をリクエストした。
涙がでそうだった・・・。
今回、三人に共通しているのは、しっかりしたテクニック、表現力、そして何よりも《歌心》。
あっそうそう、あと一つ《スタンダード曲》しか演奏しないこと。
妙に小難しいオリジナル曲を「聴かされる」よりも、心が和み満たされる・・・。
あっ、今日は演奏者と一緒にパチリ、を忘れてしまった、うー残念!
この《Sweet Nefer Trio》
もう一度聴いてみたい素敵なユニットなので、次回のネフェル・ライブも決定した。
日にちは、10月9日の《体育の日》
乞うご期待!