梅雨真っ最中の6月24日、どうか雨が降らないようにとの願いが天空に通じたのか、梅雨独特のジメッとした天気ではあったが、雨には降られなかった。
そんな天気に中、外山安樹子トリオの演奏を聴きたくて、ネフェルティティには20名以上のお客さんが集まった。
外山安樹子トリオはネフェル出演最多の5回目。
今回の外山さんは大好きなミッフィー・カラーともいえるオレンジと白のドレスが可愛くて、眩しい!
彼女の演奏は耳に馴染んでいるので、ぼくが厨房でオーダーの珈琲を淹れている時でも、「あー、あの曲が始まった・・・」と分かるところが嬉しい。
しかし、「あれれ?これ初めてだなあ・・・」という曲が始まった。
題名は『SADO』
新潟の佐渡島に演奏旅行をおこなった時、2時間半の佐渡汽船の中から日本海のマリン・ブルーと洋上のスカイ・ブルーがまじり合い溶け合う姿を目の当たりにし、この美しい風景を見ながら曲想が浮かんだという、バラッドな新曲だ。
目を瞑り聴いていると、心の中にじわーとその青を基調とした美しい風景が広がり、とても絵画的な演奏だなあ・・・、と思った。
外山安樹子さんの演奏を聴いていつも思うのだが、スタート時は静かでも時間の経過とともに演奏がヒートアップしてきて、ラベルのボレロじゃないけれど終わってみると手に汗握っている状態になるんだなあ・・・。
ぼくの大好きな『Flame in Flame』そして『TAKE5』
その盛り上がり、クライマックスに向かって烈しく上り詰めるそのスピード感がたまらなく快感で、痙攣をおこしそうになる。
もちろん、ぼくだけじゃなくみんなの身体が左右にスウィングし、ネフェル空間がピアノとドラムスとベースの音で充満、その爆音でパンクしそうになる。
「うわー!すごいことになってる・・・」
やはり《外山ワールド》は、このぶっ飛び・エナジー炸裂に真骨頂があるのだ!
さすが、肉食系ピアニストだけあって一音一音が攻撃的なのである。
毎回思うのだが、この腕っぷしでぶん殴られたら、3・5mぐらいぶっ飛ぶんじゃないかなあ、と思う。
ちょっとオシャレなアロハシャツを着て、ウッドベースのかなりのハイポジション部分で芸術的超絶技巧を展開するクールな関口さんも、この『Flame in Flame』と『TAKE5』では、ホットになる。
ジャズを聴き始めたばかりのお客さんが、この『TAKE5』を外山さんのCDで初めて聴き、その人にとってこれが《元祖TAKE5》だと思い、後日D・ブルーベックのオリジナル『TAKE5』を聴いた時、その人は、
「これは、『TAKE5』じゃないっ」と言ったらしい。
ミュジシャンにとってこんな嬉しいことはないっすねえ・・・。
秋葉さんも今回、吠えた吠えた・・・・。
防犯ベルを鳴らそうと思い、
「これでもかっ、これでもかっ」
とバスドラでドドッ・ドドッ・ドッスーンの連打、シンバルをかき鳴らすように汗だくで・・・。
パワー全開・炸裂度120%くらいだったが、防犯ベルはならなかった・・・・。
秋葉さんには申し訳ないことをした。
??、防犯ベルのスウィッチがOFFになっていたのだ。
次回は、叩き甲斐があるようにスウィッチONに設定しておこう。
アンコール曲は、ぼくが今超ハマっている、エンニオ・モリコーネの『ニューシネマ・パラダイス』
この曲は、新しいアルバム『TRES TRICK』に収録されている。
このCDの中のこの曲を時々聴くが、やっぱ生演奏の方が心にジーンとくる。
目頭が熱くなる。
お客さんも《外山ワールド》に魅せられたようで、満ち足りた表情で店を後にした。
最後にいつものように、ミュジシャンと一緒にパチリ!
最多記録を更新し、また来年あたりに第六回目ネフェルライブをやって頂きたいなあ、と思っている。