エベレスト•ライジング(秋季エベレスト西稜登頂まであと4日)
西稜の大きな壁を眺めています。いよいよ明日からキャンプ2を出発して、西稜の壁に取り付いていきます。
深くて青いこの空の奥は、山頂ではなく、宇宙と繋がっていることを改めて感じてます。本当にこの壁を無酸素で一人で登るのか。なぜ、僕はこんなに深くて青い空にこだわり続けるのだろうか。突き抜ける山を眺めながら想いを高めています。
「お前は人生の3合目で終わる気か?」大学3年の時にある先生から言われた言葉だった。それは単独でマッキンリーを行こうとした時に「お前にできるはずはない」という応援ではない否定の言葉だった。
思えば、高校生の頃も大学生の頃も同じような言葉を言われ続けていた。そして、その言葉は本当にそうなのかと心の疑問は消えることはなく、気がつくと、単身、父の「信じているよ」という言葉だけを胸に千歳空港を出発していた。
マッキンリーの山頂に立った時、自分の心の壁は取り除かれ、無限の力を感じていた。壁は自分で作った幻想であるということに気付かされた。
それから世界の山を登り続け、ヒマラヤの高峰に挑戦し、壁にぶつかり、時には挫折し、再び壁に向かい、そして、新たな壁へと向かうようになっていた。
僕は決して強い人間ではない。夢に破れ、ニートとしてさまよっていた時期もあった。その後、大学3年の時に「お前は3合目で終わるのか?」と言われたのであった。
そんな僕でも多くの人に支えられ、今、エベレスト西稜と向き合っている。挑戦を支え続けてくれた支援者と同じように、見えない山を登り続けている人に心から感謝申し上げます。
強くない僕が、山以外で喜びを感じるのは、学校や全国で講演に呼ばれ、沢山の出会いをいただいた時でした。しかし、沢山の子供達との出会う度にあの頃の自分のように夢を否定され、大人達の否定に疑問を感じている子供達の姿を目にしました。
確かに、夢にチャレンジすることは難しいです。全てが叶うとは限りません。それでも人は、挑戦を通して多くの「学び」と「出会い」を糧にし、そこから新しい挑戦が生まれます。そこには失敗もマイナスもなく、全てが足されていく世界だけがあるのです。
成功や失敗という概念や壁を前に何もしないのではなく、挑戦していくことの楽しさを多くの子供たちに感じてもらいたいと想いは強くなっていきました。
そこで、この挑戦をフィルムに納め、全国の学校で無料上映を行おうと考えております。これはエベレスト終了後の僕の新しい挑戦への道です。
学校で「あんな普通のお兄ちゃんでもできるじゃん」とカッコイイ大人の姿を見せたいと思います。 そして、新しい夢と挑戦が育つことができれば、僕がヒマラヤに挑戦し続けてきたことの意味はあります。
また、大人の人達にも眠っていた何かを呼び起こす「元気玉」として、エベレストに登る熱い太陽をお見せしたいと思います。そのためにも身体一つで宇宙に向かっていきます。
10月8日の日本時間の13時に宇宙(エベレスト山頂)から生中継で皆さんと繋がります。そして、新しい夢と挑戦が生まれ育つようドキュメンタリー夢教育映画「エベレスト•ライジング」という新しい山にも登って行きます。
皆さん、応援宜しくお願いします。それでは10月8日にリアルタイムで、宇宙で合いましょう。
サポート募集: http://www2.kurikiyama.jp/movie/supporter.html
動画: http://www2.kurikiyama.jp/movie/