あっ言っちゃった。Wikipediaについて | 栗城史多オフィシャルブログ Powered by Ameba

あっ言っちゃった。Wikipediaについて

もうすぐ、秋のエベレストに向けて出発します。肉体もかなり変わってきました。今まで、朝7時間からスペシャルトレーナーと一緒に加圧トレーニングと体幹を鍛えるトレーニングを1時間半行い、その後はランニングと心臓を鍛える坂道ダッシュ。
 午前中の打ち合わせが終わったら、お昼を抜いて、またランニング。打ち合わせが終わった夜中に、ランニングと筋トレという毎日を過ごしていました。
 トレーングだけではなく食事制限も行い、体重もかなり減りました。筋肉増強と減量は相反するもので昼間は頭が朦朧としてきてかなり辛かったのです。今日の夜は久しぶりにきちんとしたご飯を食べましが、お腹いっぱいまで食べることはできませんでした。
 しんどいと思うことは、全くありませんでした。やる気を失うことも、心が折れることもありませんでした。それは、登りたい山があるからです。
 登りたい山がなければ途中で挫折どころか、道に迷っていたかもしれません。
だから道に迷わず、やる気を出して生きて行く為には、山を見つけるしかないと思いました。
 先日、ある山岳ジャーナリストと話をしていました。話はシシャパンマ南西壁の話だったのですが、「栗城君はかなり誤解をされている。栗城君がやりたいことをきちんと説明した方がいい」と言われました。
 ウィキペディアに事実と全く違う事が書かれていたり、ヒマラヤの実情を全く知らないのだなと思わせる文面や、特定の人物が意図的に悪い方に書こうとしている文面などがあり、それは良くないなと感じていました。ただ、この人は知らないだけだなと思っていたのですが、その山岳ジャーナリスト(来月に山岳歴史の連載を某新聞でやるようです。)から「きちんと事実を言わないと勘違いされたままだよ」と言われ、あまりブログで書くことではないのですが、エベレストを前に少し誤解を解いておいた方がいいと思い、書くことにしました。
 それはウィキペディアで僕が「7大陸最高峰単独無酸素」を売りにしていると書いているのですが、その事実は全くないです。まず7大陸最高峰は、エベレスト以外は酸素ボンベなしで登れるのは誰もがわかっていることです。僕がそのようなことを言っていたら、僕がお世話になっている山の先輩方々に注意されます。でも、言ってもいないので注意もなにもないです。
 なぜ、そのようなことが広がったかというと、昔、取材で「6大陸を登ったら次はエベレストの単独・無酸素登山です」と答えたら記事に「7大陸単独無酸素を目指す」と書かれたのです。きちんとおつきあいをさせて頂いているメディアの方はそのような表現は決してしません。今は自分で栗城事務局のスタッフがメディアの管理をしてくれていますが、昔は一人で全てをやっていたので記事のチェックなどさせてもらえませんでした。今でも新聞やニュース、一部の雑誌などでは記事のチェックはさせてくれません。
 確かに登山を始めた学生の頃は、5大陸最高峰で地球を感じながら山を登ってみたいという夢がありました。しかし、今は全くの別の目標です。
 秋のエベレストは今の僕にとって最大の目標ですが、それは「終わり」ではなく、「始まり」です。8000mのバリエーションをソロで登るという究極の目標があります。(次に行く山は秘密です。)
 僕を知っている記者さんはきちんと理解してくれますが、全てとは言いませんが僕のことも山のこともよく知らずに一度会って取材し、何も調べないで書いている記事で「7大陸単独・無酸素」という表現をされます。もし僕が本当にそのようなことを言っているのであれば、今でも記事に「7大陸最高峰単独・無酸素登頂を目指す」と全部の記事に出ていいのに出ていませんよね。他にもウィキペディアでは正しくない情報がいっぱい載っているけど、、、
 明日はいよいよ「EVEREST SHARE 2011」の計画発表を行います。きちんと正確に自分の思いがメディアに出ているのか楽しみです。
 地上の山登りもしんどいな。あっ言っちゃった。
 ナマステ。