今回の写真展の内容をお話ししていきたいと思います。
代政雄写真展[奥武蔵・光の詩]は
リコーイメージングスクエア新宿の
ギャラリーⅠとIIの2スペースをお借りして
個展を開催します。
その内のギャラリーⅠが代さんとボク(倉島木工所制作チーム)との
協同制作で構成をしてます。
壁面に展示された通りに鑑賞をしていただくほかに
より作品の魅力を伝えられる展示室を
作り出してみよう
という試みでもあります。
紙木(しき)の部屋
ギャラリーⅠ「紙木の部屋」
今回、協同制作で展示するギャラリーⅠを「紙木(しき)の部屋」と名前を付けました。
〔紙木:カミギ、カミノキ 〕植物。クワ科の落葉低木。コウゾの別称
というように言葉として「紙木」はありますが
今回は、紙と木、の素材で構成した展示室の造語として
「紙木(しき)」と読んで、使わせていただきます。
あとは、写真作品に絡めて季節の言葉「四季(しき)」の意味も込めてあります。
代さんは、和紙に転写した写真
ボクは、和紙と木材を使った木工
木工と写真作品が互いに引き立て合って1つの展示室になっていることが見所です。
3つのポイント
- 見方の色々
紙木の部屋には格子のスクリーンや木製ベンチが配置させています。
スクリーンの間を縫うように歩いていくと
木々に見立てた格子の隙間から写真(風景)が見え隠れしていきながら
その抜けた先に写真作品が広がります。
展示風景の確認
そして見えた写真(風景)をゆったり眺められるように
木製のベンチがあります。
このベンチの座面に和紙が使用されていて、座った感触に
ちょっとした仕掛けをしていますので
お越しいただいて座っていただけたらと思います。
- 森の散策路
代さんの題材が奥武蔵の自然です。
なので、森を歩いているときの感覚で鑑賞をすることを提案しました。
森の中を歩いていると、木々が立ち並び
その間から光が漏れたり、風景が望めたりします。
また風が吹けば葉や木々が揺れ、匂いも漂い
歩けば落ち葉を踏みしめる音。
そうした、森の出来事、を反映させた木工作品を置かれた中を
歩いて(鑑賞)もらえたらと考えています。
- 紙と木
なぜ和紙と木材をなのか?
というと、共通して元は樹木から生まれた素材だからです。
ボクの制作分野、生業が木工なのと
代さんの写真も和紙に転写された作品を展示します。
それらの共通点があり自然な成り行きで
和紙と木材をベースにしたカタチづくりに進んでいきました。
木工作品は
格子のスクリーンは「木立の格子」
木製ベンチは「紙の縁台」
写真に転写されたフスマ「写襖」
※木材は奥武蔵の木々である
埼玉県産材の西川材を使用しています。
和紙も木材も、人にとって優しい素材なので
質感や温かみを感じてもらえると嬉しいです(^^)
写真展は2月6日から
紙木の部屋 スケッチ
森を会場に持っていくことは不可能ですが、
作品化させて、そこに森の何かを感じられる
事柄を反映させることで
奥武蔵の空気を運ぶことは可能だと思いました。
いらした方々が思い思いに代政雄氏の
作品に触れながら写真展自体も楽しんで
ご覧いただけると幸いです(^^♪
倉嶋洋介