【行った国々の話 スペイン11】

さて、スペインといえば闘牛とフラメンコですが、闘牛はどうやら夏の間だけの催しらしく残念ながら見られませんでした。

一方でフラメンコは年中やっているとの事、グラナダでは洞窟をそのままステージとして使った「洞窟フラメンコ」なるものが有名だったので、ホテルでお店を予約してもらいました。

フラメンコ見学のツアーは夜から開催だったのでホテルでしばらくまったりした後に集合場所に集まったのですが、そらるが中々出てきません。

聞けばそらる、出発前からの体調不良が治らず、道中で更に悪化。「今日はムリ」とギブアップ宣言をしていたのでした。

「そんな、そらるがおらんかったらオレらのフラメンコが完成しないよ、一緒に行こうって決めたじゃん、てか体調管理くらいしっかりしろよ」等と半ばクレーム気味に説得を試みましたがどうやら本当に死にそうだった様なので、まぁ仕方ないと3人で行く事にしました。

そんな洞窟フラメンコが見れるお店『ロス・タラントス』は事前にネットで現地のガイドサイトで調べた情報によると「妖怪フラメンコババア出現!」等と煽りを入れられていました。

「どういう事だよ!」と思いつつも店内に入るとそこは中々に雰囲気のある場所。

しかし一度幕が上がればお客さんの目と鼻の先で、情熱的な歌と楽器の音に乗ったダンサーがステップを踏む世界。狭い洞窟の中全体に広がる熱気を一気に放ち、経験した事のない世界に引き込まれました。

生命力というか、表現の力強さというか、これまでなんとなくフラメンコに抱いていた「カスタネット叩きながら踊る赤い女の人」的安易なイメージは本場の技の前に塗り替えられてしまいました。

『こりゃたまげましたなぁ』みたいな顔で隣のみるくてぃの顔を覗き込むとヤツもまた『こりゃたまげましたなぁ』みたいな表情で返す。

やはり、みんな等しく驚き感激するものです。
レミューもきっとさぞかしたまげているんだろうと思い横を向くと...

なんとレミュー、頬を伝う一筋の美しい涙。

「こいつ、泣いてる...!」

レミューの涙は語る言葉が見つからなかった作品に対する最大限の賛辞、かつてわたあめさんという歌い手のあまりに素敵な歌唱にカラオケで同席したレミューは感動のあまり涙したと伝えられていますが、あの伝説は本当だったんや!