妄想ストーリー☆ユチョン編 第21話~胸騒ぎ~
ユチョン編 第21話です☆
この先を
誰が予想してましたかね・・・
パターン化していると言えば
しているかも
ジュンス・・・大丈夫かな~
ほんと、5人全員の体調が
心配よ・・・
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
“ユチョン、またね―”
そう言って、
朝焼けの眩しい空の下、
彼女は、家へと帰っていった。
迷っていたその心が晴れたように、
清々しい笑顔を
俺に見せて―
俺は、彼女をベランダから
見えなくなるまで
その姿を見送ると、
1人になった部屋へと戻り、
ソファーへその身を沈めた。
そして、しばらくはボーっと
天井を見つめながら、
これから起きるであろうことを
予想してみた。
―じきに、ユノが訪ねてくるだろう。
きっと、すごく怒った顔をして。
・・・めぐと先に話をして、
少しは心の準備をしてくるだろうか?
ユノが怒るのも無理はない。
今まで本気で恋愛なんて、
ちゃんとした記憶すら
俺にはないもんな。
相手にしなくなって、
別れたくないと
泣きついてきた女を、
“お前もう、つまんねんだよ”
そう言って、ユノの前で、
ひどい振り方をしたこともあった。
そんなことがある度に、
“お前、女を何だと思ってんだよ”
いいかげんにしろよって、
怒られてたっけ・・・
恋愛に関しては、
ユノが俺を信用しなくて当たり前。
たった1人の妹を、
俺に任せられなくて、
当たり前なんだ―
だけど―
・・めぐだけは。
彼女だけは、
他の誰とも違うんだ。
まるで、少女の頃に
出会った時から、
いずれは恋に落ちるのが運命
だったかのように―
惹かれていく。
俺の心を、持ってかれていく。
・・心底惚れている今でも、
安易には、
その身体を抱けなくて。
彼女に嫌われるのが、・・怖くて。
めぐ・・・。
お前の前では、
カッコ悪いほど、
臆病になる俺がいるよ―
・
・
・
窓から吹いてきた
生温い風を頬に感じて、
ふと、俺は目が覚めた。
・・あのままソファーで
眠ってしまったか。
時計を見ると、
あれから3時間近くは経っている。
昨夜は一睡も
出来なかったからな・・・
俺は、起き上がると、
携帯を手に取った。
・・・着信履歴に、
ユノの名前はない。
この3時間の間に、
めぐはとっくに家に帰って、
ユノが居るなら話しているはずだ。
―すぐに行動するユノの事だ。
もう俺のところに
来てもいいはずなのに。
(・・何故、来ない・・?)
まだ彼女と話しているとでも
言うのだろうか。
一番に文句を言いたいのは、
この俺にだろ、ユノ?
俺は、そのまま迷いなく
ユノに電話を掛けた。
・・電源が入っていないのか、
お決まりのアナウンスが
流れるばかり―
(・・・・?)
どうしたんだ?
俺は代わってめぐにも
電話を掛けた。
・・・呼び出し音が鳴るものの、
いっこうに彼女は出ない。
そのうち留守番電話に切り変わる―
・・何故、出ない?
何故二人とも?
俺は何故か、
焦るような気持ちで、
幾度もその携帯を鳴らした。
数回掛けても、
やはり何の反応もない。
・・しかたない、
直接俺が家に向かおう。
俺は上着を羽織ると、
ユノの家に向かう為、
車のキーを手に部屋を出た。
何故か―・・
何故か。
さっきまでの幸せな気持ちが
落ちていくほどの、
妙な胸騒ぎを覚えながら―・・
・
・
・
・・・まだ日の高い空に。
―鳴り響く救急車のサイレン。
突然の事に取り乱し、
半ばパニックになっている
母親の肩を、
しっかりと抱きながら、
ユノが沈痛な面持ちで
彼女の顔を見る。
“おふくろ、大丈夫、
大丈夫だから。
めぐはきっと、大丈夫だから―”
母親を励ます彼のその声は、
まるで自分に
言い聞かせるようにも聞こえ、
・・若干震えていた。
僕は彼女の手をしっかりと握り、
ただ、ただ、
彼女の名を呼ぶしかなかった。
“・・・めぐちゃん!!めぐちゃん!!”
どうか、
どうか、僕の声に反応してくれ―
僕の声に、応えてくれ―・・・!
彼女と僕達を乗せた救急車が、
静かな街並みを、
そのサイレンと共に
駆け抜けて行った―。
(つづく・・)