妄想ストーリー☆ユチョン編 第7話~嫉妬~
ユチョン編 第7話です☆
雨~雨~雨~
嫌よねえ・・・
またDVDでも観るか~
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“私の恋人よ―・・”
そう言って、俺の手を離した
彼女の後姿を、
俺はただ、
黙って見つめるしかなかった。
・・・もう君は大人で。
誰もが振り向くほどに、
素敵な女性になった。
―恋人がいるであろうと、
容易に予想できたはずなのに、
何故、俺は
思いもしなかったのか―・・
・・・心のどこかで。
“貴方の彼女になりたい―・・”
そう言った幼い彼女を。
今もまだ、
どこかで彼女は、
俺に気があるかもと、
思う自分がいたからかもしれない。
俺はこの時初めて・・・
あの日の幼い彼女の言葉を。
無視した自分に、
腹が立った―
・・・この俺が。
誰かに嫉妬するなんて。
―めぐ・・・。
俺は自分で思っていたよりも、
お前のことが
好きになっているみたいだ・・・
めぐの名を呼んだ、
あの彼の顔を思い出し。
苛立つその感情に、
俺はキュッと唇を噛んだ―
・
・
・
チャンミンとの映画デートを終え、
終電が無くなる前にと
私は彼と別れ、
駅からそう遠くない家路へと
足を急がせた。
―家の玄関の前に。
誰かが立っているシルエットが、
遠くから私の目に移った。
街灯の明かりの下、
スッとその姿を見せたのは―
「・・・ユチョン?」
どこか固い表情をして、
こちらを見つめる彼。
「・・何?帰ってなかったの?」
「・・・・。」
「お兄ちゃんを待ってるなら―
部屋に上がってればいいじゃない。」
そう言って、
黙るユチョンの横を
通り過ぎようとした。
「あっ!!」
そんな私の腕を、
彼が、グッとその胸に引き寄せた。
「めぐ。・・・お前を待ってたんだよ。」
俺は―
俺は、お前を待ってたんだよ・・・
そう言って、
いつもと違う真剣な眼差しで、
私を見つめる―
「ユチョン・・・っ?」
「めぐ、お前―・・あの彼と・・・」
一瞬、ユチョンの表情が、
切なくかげると、
そっとその手が、
私の頬に触れた―
・・そしてその指が。
とまどい、何も言えずにいる
私の唇に、
ゆっくりと触れる―
・・見つめるその瞳の奥に。
小さく映る自分の姿を―・・
吸いこまれるように、
ただ、私も見つめ返した。
―その時。
「・・何やってんだ?」
振り向いたその視線の先に。
険しい表情で立ちすくむ、
お兄ちゃんが、
ユノが、そこにいた―。
(つづく・・)