妄想プチストーリー☆タプ&ジヨン編~愛することを~
先日、BIGBANGの新曲の記事をUPしたら、
そのMVが映画みたいであまりにカッコ良くて、
トックリさんからこれで是非妄想を
と要望いただいちゃいました☆
ふふふ
私も書いてみたかったのよ~
このMVからキャプって
プチ編、書いてみました~
BIGBANGの他のプチ小説は
こちら→プチストーリー☆ジヨン編
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先月、俺の父親が亡くなった―
母親は、
俺が記憶もない幼少の頃に
すでに他界し、
俺はこれで、
天涯孤独の身となった。
・・・主のいなくなった、
その書斎に足を踏み入れる。
ふと目にした一冊の本―
それは、
死期を予感していたのだろうか、
父親が書き遺した日記だった。
俺は、いつも父親が座っていた
その古い椅子に腰かけ、
そのページを開いた―・・
・
・
・
今書いているこの日記を。
もう私が
読み返すことはないだろう。
いつか私の息子に。
伝えられることが出来るならと、
そう思っていた私の―
若かりし頃の話を・・・
ここに、書き遺そう―
・
・
・
・・君に会えなくなってから。
もうどれ程の月日が流れただろう。
あれほど愛し合ったのに。
一緒になろうと誓ったのに。
俺達は、
君の両親から許されず、
話すことさえままならないまま、
無情に引き裂かれた―
由緒正しきその家柄を
守る為、
君は見も知らぬ相手のところへと
嫁がされた。
―まるで、身を売る様にして。
遠い街へと行ってしまうその朝に、
追いかけた俺に彼女は言った。
“愛することをやめないで”
どうか、
どうか二人が離れても。
愛することをやめないで―
もう二度と逢えなくても。
逢えなくても・・・
―月日は流れ。
俺は、君の面影を探し求めて
街を彷徨う。
冷やかな雨が、
流れ落ちる涙をも、隠して―
・
・
・
・・若かりし頃の、父親の恋―
母以外に、心に想う人が、
父には居たのか・・・
俺はタバコをふかしながら、
その先を、読み進めた―
・
・
・
―ある日、
俺は病院から呼び出された。
俺を呼んだのは―・・
あの時、
俺達を引き裂いた、
紛れもない彼女の両親だった。
何故今さら―?
何故、病院に―?
俺は困惑と同時に、
不安な予感が頭をよぎった。
悲しみにくれる、
その両親が、
しっかりと俺の手を握る―
許してくれ。
私達の過ちを許してくれ、と言って・・・
・・娘は今、息を引き取ったと。
最後まで。
最期まで。
君の名を呼びながら―・・
―そこには。
数年前と変わらない美しい姿で
眠る様に逝った彼女がいた。
―どうして!?
どうして、もっと早くに―・・!!
俺は彼女の両親を、
そして、
最後まで彼女を
追いかけなかった自分を責めた―
家柄を守る為に。
家族の為に。
どうしようもなかったのだと、
両親は泣いて・・・
―そして、彼女の両親の
後ろに隠れるようにして
立っていた、
まだ幼い小さな男の子―。
両親が、その子を抱いて
俺に言った。
この子は娘の子供だ。
―そして。
君の。
君の息子だ、と―・・・
最大の隠しごとだった。
―娘が亡くなった今。
もう、家を守る必要も
なくなったと・・・
最期まで。
最期まで、娘は君を想っていた。
君の面影そのものの、
我が子を愛しながら―・・
―俺は・・・
彼女の病室の前で。
ただ、ただ。
むせび泣いた・・・
―君の残した、
たったひとつの形見を。
俺の息子を。
彼女の両親から引き取った―
・・小さなお前を育てながら。
俺は彼女の墓の前で誓った。
いつまでも、君を愛するよ―
“愛することをやめないで”
そう言った彼女に応えるように―
―息子よ。
お前にも伝えよう。
言葉では言えぬことも。
ここでなら、言えるだろう―
お前を愛していると。
お前の母を、今でも、
愛していると―。。
―そして息子よ。
今、愛する人が
お前にもいるのなら。
悔いなく、
迷いなく、
その人を愛しなさい。
愛する人を、お前が守るんだ―・・
・
・
・
・・・俺は静かに、
その日記を閉じた。
そして、
溢れる涙を・・・拭った。。
―知らなかった。
知らなかったんだ。
いつも冷淡で、仕事のことしか
頭にないと思っていた父親が―
最期に残した言葉に。
葬儀の時でさえ、涙の欠片も
出なかった俺が・・・
そして、記憶もない母親を・・・
想い、ただ静かに泣いた―
・
・
・
―そして、俺は1本の電話を入れた。
「・・・もしもし?」
耳に心地よく聞き慣れた
女性の声が、聞こえてくる。
「俺だよ。・・今から会いたいんだ。」
愛する君に。
今すぐに会いたい。
そして伝えたい。
君を、誰よりも愛していると。
そしてこの先もずっと、
愛することをやめないと・・・
俺の両親のように―。
~完~