妄想ストーリー☆チャンミン編 第25話~今はまだ~
チャンミン編 第25話です☆
だいぶ長くなっちゃったよ!!
何話で終わりますかね~
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夜通し降り続いていた
雨は、朝方には
すっかり上がり、
日の出が眩しく
カーテンの隙間から
差し込んでくる。
―僕は小時間は眠っただろうか。
本来なら疲れ果て、
朝まで目が覚めなくても
おかしくはなかった。
だけど―
・・チラリと隣に目をやる。
ベッドの、僕の隣で
スヤスヤと眠る彼女の寝顔は、
頬も唇も艶めいて、
幸せそうな表情をしていた。
僕は、彼女の唇に
軽くキスをする。
それでも、
スウッと深い寝息を立てて、
目覚める様子はない。
さすがに疲れたか・・・
ぼくはあれから、
もう幾度となく
彼女の身体を
求めてやまなかった。
“もう、許して―”
僕の腕の中で
妖艶に喘ぎながらも、
力尽きる彼女を、
僕は離そうとはしなかった。
・・・疲れて当たり前か。
じっと彼女の寝顔を見つめる。
愛しい君を
やっと僕は抱いたのか。
―やっと僕のものに。
・・・一瞬、シュリのことが
頭をよぎった。
だけど、今はまだ。
今はただ、
彼女の吐息と、
肌の暖かさを
僕は感じていたかった―
「ん・・・。」
そのうち彼女が目覚めた。
「・・・ん・・・?
やだ、チャンミン起きてたの~?」
眠そうな目をこすりながら
僕の身体に
すり寄ってくる。
「誰かさんはホントに
よく寝ますよね。
・・よだれ垂らしてましたよ?」
「やだっ!嘘ばっかり~っ」
そう言ってベッドの中で、
二人でじゃれ合った。
―この時間が。
いつまでも続けばいい・・・
彼女が僕の背中を
指でなぞりながら、聞いた。
「ねえ・・・どうして私と―
別れるなんて、言ったの・・?」
「それは―」
僕は、彼女にその理由を
言おうとして、
・・止めた―
―まだ言わない方がいい。
彼女のことだ。
それを気にして
自分から辞めるとでも
いいかねない。
「・・今はまだ言えません。」
だけど。
だけど、信じて。
問題が解決したら。
必ず、
必ず君に話すから―
「・・・わかったわ。チャンミン。」
貴方を信じる。
貴方だから、信じるよ。
だって、別れを告げられても。
貴方の愛を
疑わなかったでしょう―?
そう言って彼女は
微笑んだ。
「みゆさん―。」
僕の大事な可愛い人。
僕が貴方を守ります。
その為には。
僕の問題は僕が
解決しなければ―
「みゆさん・・愛してる。」
「チャンミン・・・私も。。」
眩しい日差しを背に
浴びながら、
僕たちはまた固く抱き合った―
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「・・・もう一度言ってよ。」
「だから―・・僕は
もう君の言うことは聞けないよ。」
シュリを呼び出して、
僕は言った。
「僕は彼女を、
みゆさんを手放すことなんて
絶対に、出来ない。」
君がどんな手を使おうと、
僕達を引き離すことは
出来ないんだ―
「だから。
もう卑怯なマネはしないでくれ。」
君がみじめになるだけだ―
はっきりと僕はシュリに
そう伝えた。
震えてくる唇を
キュッと噛むと、
彼女は僕を睨んだ。
「・・じゃあ、彼女が
辞めてもいいってわけね・・・?」
「だから・・・!
そう言うやり方は
やめてくれって言ってるんだ!」
・
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―俺は仕事を終え、
また違う取引先のビルへと
移動しようと
廊下を急いだ。
ここは彼女の働くビルだったが、
最近、仕事も増え、
みゆちゃんとあれから
ゆっくり話す暇もなかった。
あれからチャンミンとは
一体どうなったのだろうか・・・
物思いにふけながらも、
急ぎ廊下を歩いていく。
―なにか廊下の隅から、
口論するような声が
聞こえてくる。
「・・・・?」
何か言い争いか・・・?
興味本位でそっと覗くと、
そこにはチャンミンと、
あの時一緒に
車に乗っていた
彼女がいた―
チャンミン―
あいつ、まだ―!?
まだみゆちゃんを
泣かせるようなことしてるのか!?
俺はつい、
そこに足を踏み出そうかと
身を乗り出した。
・・その足がピタリと止まる。
二人の会話が
耳に入ってくる。
「―じゃあ彼女を
辞めさせるだけよっ!」
「そんなことしても、
僕は君のものには
ならないぞっ!?」
だから止めてくれ。
彼女に何かするのだけは―
・・・一通りの話を耳にし、
俺はようやく理解した。
あれは。
あの話は―・・
チャンミン、お前は・・・
そのきつい彼女に
脅されていたのか?
みゆちゃんを盾にして。
代わりに自分と付き合えと―?
俺は、
二人に気づかれないように
その場を後にした―
・・・彼女は。
みゆちゃんは、
このことを、
知っているのだろうか・・・?
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・
とうとう、その場では、
シュリとの話は
うまく終わらなかった。
なんとかわかってもらおうと
話をしたが、
彼女はまるで納得しない―
本当にお金持ちというものは。
・・・権力というものを知ると。
ああまで自分中心でなければ
気が済まないものなのか―
僕は深くため息をついた・・・
「チャンミン、居た!!
電話が入ってるよ~!」
先輩から受話器を
受け取り電話に出た。
「はい、チャンミンですが・・・」
―仕事も終わり、皆
帰宅していく中、
僕は一人、大きく立派な
ドアの前に立っていた。
日々の生活の中で、
来ることもないはずの
重役室が連なる階の―
そのビルの病院の、
社長室の前で―・・
(つづく・・)