小さい頃から妖怪好き、墓場の鬼太郎(ゲゲゲではないところがポイントであります)が大好きだった。
普通の人間とは異なる様相と能力、そして影を常に纏っているもの。
そういった湿り気のある異形のモノという存在は常に私を魅了し続けている。
そしてこの夏。
妖怪展覧会がなんと3つも首都圏で開催されるという。
全制覇はムリでも、行けるところだけは、と、まずは日本橋・三井記念美術館へ。
企画展にはざっくりと二種類あって、
ひとつ目は作品・アーティストがメインとなるもの、
もうひとつはテーマ先行であるもの、
と、私は考えている。
前者は、例えば去年の「フェルメール・真珠の耳飾りの少女」などで、メインが明らかであるから期待値と実際がほぼ想定内で、大きな乖離がみられることは少ない。
対して後者は、テーマの切り口が鑑賞者のそれと合うかどうか、合ったとして、見合う質量の展示かどうか、鑑賞側の上から目線で言わせてもらえば、美術館の企画力のお手並み拝見と言った要素がとても多いと思うのだ。
今回の大妖怪展は明らかに後者、しかも妖怪など、私以上に一家言持つ人がてんこ盛りのジャンルであるのだから、どう切り込んでくるものか。
果たして。
展示はざっくりと言うと、
浮世絵・能の世界の鬼妖怪・百鬼夜行図、そして水木しげる作品。
浮世絵は有名どころで、国芳の滝夜叉姫や頼光などの王道を。滝夜叉姫は、後半の水木作品としてでがしゃどくろが展示されているので、そちらと呼応する。
展示内容で一番見応えのあったのが、一連の能面の展示。
ジャンルわけされた異形のモノとそのストーリー、能面の解説など、その展示のほとんどを所蔵している三井記念ならではの密度と熱を含んだ展示となっている。
妖怪、と聞いて能面は少々意外であったから、これは三井記念らしいアプローチというところだろうか。
逆にその他の展示は案外あっさりした印象。
全体を通して、気楽に楽しめる内容だと思うので、夏休みにはなかなかいい展示なのでないかと。
美術館に行く!というとちょっとプレッシャーになる方にもオススメかと。
と、思う人もなかなか多いようで、私が行ったのは土曜でしたが、そこそこの混み具合。
お気をつけ遊ばし。