あたしと素敵な酸欠-notitle006.jpg

30男の百瀬と28歳の佳代は同棲中のカップル。
どこか倦怠感の漂うふたりのアパートに、佳代の妹の桃が夏休みの間だけ下宿することになった。
中学生といえど、大人びた桃の小悪魔な行動に百瀬は翻弄され、次第に桃に想いを寄せるようになる。

ただのラブコメディかと思いきや、最後一気に重い話になってびっくり。
最初から最後まで画面に釘付けでした。

桃が好きになり、百瀬は佳代に別れを告げる。
しかし、現実が受け入れられない佳代は、百瀬のストーカーになってしまう。
百瀬のいない間に家を掃除したり、洗濯したり、食材を買い足したり…。
佳代の痛さが泣けてくる。

百瀬は百瀬で、夏休みが終わって桃が実家に帰ってしまっても、桃のことが忘れられず、電話をかけまくる。
着信を無視され続けても、それを受け入れられずに留守番電話を入れまくり、逆に桃からストーカー扱いされる百瀬。
これもまた痛い。


本当に、この映画を見ていると「うぁぁぁぁぁ」と頭を抱えて唸りたくなる。

それぞれの恋愛が痛すぎて、見ていられないの。

別れを告げられた佳代が出発しようとしている百瀬の車に「行かないでぇぇぇ」とすがり付くシーンは、ある種のホラー。
胸が痛むのう。

登場人物の設定とか、周りの人たちも抜かりなくて、本当によくできた話だと思う。
また、主演の高岡蒼甫の演技が上手いので、だめ男ぶりが際立っている。

桃役はAKBの娘らしく、演技は今一つだけど、小悪魔な役どころがぴったりでした。
それにしても、この小悪魔具合、肖りたい。
かわゆす。
「あ、白髪あるよ」とか言って、胸が顔に当たるすれすれの位置で百瀬の髪をいじったりするの。
小悪魔こわいー。

人間模様がよく描かれていて、主人公と一緒にキュンキュンしたり、ハラハラしたりできる映画です。