長く拙い文で恐縮ですが読んで頂けましたら幸いです。
昨夏の人生の楽園の放送後、ご注文を申し受けていたお客さまへの発送をほぼ終えることが出来ました。お手元にお届けするまで長くお待たせしてしまい大変申し訳ありませんでした。
昨年7月番組でご紹介頂き、放送より暫くの期間、大変多くのご来店や、電話やメール等でのお問合せやご注文を頂戴し、今迄に無い忙しい夏を経験させて頂きました。
日本中多くの方々に当店と五八みそを知って頂けた事はとても嬉しく、小さな僕たちの店を見つけ選んでくれた制作の皆さまにも感謝の気持ちでいっぱいです。
ご覧頂いた方々の温かい応援のお言葉もたくさん頂戴致しました。多くの反響や番組の影響の大きさに、驚きと喜びを感じております。
その一方で、小さき僕たちの店は需要の集中に関しての許容は狭く、番組でも触れて頂いた様に、味噌はすぐには出来ず、その時売っているものは約1年前に仕込んだものを販売してます。
もとより2人での仕込み量いっぱい作業してましたが、絶対的な製造量が他のお味噌屋さんに比べればおそらくだいぶ少ない事もあり、瞬く間に底が見える樽に慄きつつ、励ましあって作業しておりました。
放送前より日々のみそとしてお召し上がり頂いているお客さまへの供給分を見込んだ上で、発送など按分しておりましたが、注文数に味噌の熟成が追いつかず、やむを得ず新規受注停止や、求めて下さる出来るだけ多くの方々にと数量制限を設けて調整を試みていました。ご来店でご説明出来た方々の多くはご理解頂けたのですが、タイミングがあわずしっかりご説明出来なかった方や、お電話などでは、たくさんのお叱りも賜りました。
様々考え調整致しましたが、全てのお客様のご要望にお応え出来ぬ無力感で途方に暮れた事もありました。
ご注文頂く際にも、お届けまで相当の期間を頂戴する事をお伝えしておりましたが、発送時期の見込みが全く立たなくなった後は、それ以上の受注は心苦しく、一旦停止させて頂いてました。
その頃のとあるお叱りからの学びを得て、発送見込みの立たない受注をすぐにお受けする訳では無く、お待たせする事は同じでも、ある程度発送時期の見込みがつき順番が来たら、伺ったご連絡先に改めてご意向を確認させて頂いて、発送させて頂く形に変更致しました。そうする事で、一様に受注停止と言うよりも気持ちを伝え合う機会になると知りました。
順番になり確認電話をさせて頂くと、もう要らないと仰る方も、待ってたよ〜と喜んで下さる方もおり、行き詰まった末に考えついて良かったと思いました。
この度、発送を終える事が出来た事を区切りとして、元の状態へ向け舵を切りたいと思います。
一番推したい五八みそを推せずに、やや悶々としていた数ヶ月でしたが、少しずつ以前のように推し活も頑張りたい思います。
まずは、店舗や出店先での数量制限も終えます。今までご協力頂きまして、誠にありがとうございました。製造量は増やせないので、品薄になる事も有るかもしれませんが、そろそろ前に進まなければと思います。
また、直販ネットショップでは、随時数量を勘案しつつ再開しようと思います。時期的には7月後半以降を予定しております。
継業11年、次の目標を模索していましたが、昨夏の経験を経て、改めて僕たちの在り方を再確認する機会を得ました。
先代までの主な商品もみそ。夫婦で作って売るのが生業です。集落単位の顔見知りのお客さんとの関わりの中で平成21年までしっかり直販の糀屋を営んでいました。
東京の古いベッドタウンで生まれ育った僕には奇跡のような存在に感じました。昭和平成の拡大路線・大量消費の時代も、どこ吹く風と、イオン全盛の時代に卸売も行わず家族経営。忙しくも楽しげに汗かき働く様子も目指したい素敵な姿でした。
僕らも山形の米と豆のみを使い、手で仕込み、熟成発酵し、袋詰めや販売も夫婦で行います。
道具と製法・屋号と在り様も継承して、場所は新たに探し求めましたが、縁あって良い場所を得たと思っています。
開業準備で数年期間が空いたので、先代の顧客は直接受け継ぐ事はありませんでしたが、それも必然と理解してます。
マルシェイベントや店頭で、一人一人のお客さまと顔を合わせ、お話しをして、お求め頂いた方々のご感想を糧に紡いだ大切なご縁の輪の中で、僕たちは存続させて頂いています。
五八みそを販売してくれているお店もございます。
販売店様と製造者の関係というだけでは無く、売ってくれる方が僕らの五八みそを日々食べてくれている「人」の居るお店さん達です。お客さま方は勿論、大切な方々とのご縁に恵まれ、タイミングにも恵まれ、ここに在る事が叶った果報者です。不思議なものです。
代々の製法技法、夫婦で営む生業としての糀屋。とても重要な財産である木製樽で熟成する事。
そうして仕込んで育てた僕たちの五八みそを求めて下さる方がいる幸せ!放送で知って頂いた方々の中にもリピートの方が出来て嬉しいっ!小さな子供達がうちのお味噌でお味噌汁好きになってくれたら最高!
そんなハッピーを頼りに、ずっと作り続けたいって思います。
大切にすべきことを見失わぬよう、日々の味噌としてご愛顧頂けるように。
この先も夫婦二人で手しごとを続け、ご機嫌さんで作り売る人でいたいと思います。