だが、すべてはほんの一時、やがてなにもかも消えてなくなる。 | こんな視点もいいじゃない。

だが、すべてはほんの一時、やがてなにもかも消えてなくなる。

土曜日。

新宿の紀伊国屋ホールへNYLON100℃ の「消失」という舞台を
観に行く。
このNYLON100℃という劇団の主宰であり、演出家でもあるケラリーノ・サンドロヴィッチ氏(通称ケラ。ちなみにバリバリの日本人)が手がける舞台を見るのはこれで2回目。
一度目は「カメレオンズリップ」という舞台を、主演の堤真一、深津絵里目当てで観に行ったのだが、このときの世界観とほぼ同じ空気を持った作品だったってことに驚いた。
あんまりレッテルとか、貼りたくないんだけど、
「ふーん・・・ケラってこういう雰囲気の話が得意なんだぁ・・・」と
思わずにはいられない、というのが第一の感想だった。


話の軸は、とにかく切ない。
ふたりの「もういい加減いい年だよね」と言っても過言ではない兄弟。
弟は兄が大好きで、兄もまた、そんな弟が大好きで・・・。
それだけならばごく普通の、ありふれた光景なのだろうけど、
どこかみんな、その「大好き」が歪んでいる。
歪んで歪んで、バランスが取りきれなくなったところで初めて、
このストーリーの全部の仕掛けが分かるという、
すべてを直視するのはあまりにも辛すぎるラスト。

見終わった後は、正直、ぐったり。
別に「駄作だ!」とか、「こーゆーの、嫌い」だとかは思わない。
むしろ、すげーな!と。良い空間にいさせてもらったなぁ、と思った
けれど、手放しで「良かったねぇ・・・」とは言えないような感覚。
前に、舞台から発せられるパワーをまともに受けると、見終わった後に
ぐったりしてしまう、みたいなことを書いたけど、
今回はそれがハンパなかった。
帰り道は頭痛がひどくて、どこにも寄り道せず、まっすぐ帰った。

ただ、これだけは手放しで「良かった!」と大いに言えると思ったのが、
役者の力の素晴らしさ!
「少数精鋭」という言葉がまさにぴったんこな芝居だった。
いなくても別にいいやという役がひとつもなく、
いなくても別にいいやという役者もひとりもいない。
もちろん、この役は別の人の方がいいよね、というのもない。
その点においては、パーフェクトだったんじゃないかと思う。
特に大倉孝二!エロい!(爆)
いや、全然色っぽい話ではないんだけど、彼の立ち居振る舞い?
なんか、立ってるだけでエロいオーラが放たれててしょうがない!
思うのは、あたしが彼のことを贔屓にしているからだけなんだろうか(笑)
そして、みのすけ氏のすごさを、今回間近で拝見することが出来たのは
ものすごく、良かった。


追記
あたしが座っていた席のひとつ後ろの列の右斜めに
日テレの松本志のぶアナが!
顔、めちゃくちゃちっちゃいことに、めちゃくちゃ驚きました。