素晴らしき才能(スグルットその5) | どこかの世界、どこかの大陸のおはなし

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アグルフェイトと言う名前の大陸で起きた

大小様々な出来事を綴っていきます                                                   たまに下らない事も書きます

スグルット達は山頂付近までたどり着いた。


「この辺りからは気をつけないと・・・何が出てくるか分かりませんから」

「そうだな!気合を入れないと、な」

スグルットは周囲を警戒しながら、辺りを調べだした。

「どうした?」

「何かありそうなんで・・・あった!」

スグルットはそう言って、そう言って先に進んでいった。

「あ・・・」

「おいおい、なにがあったんだ?」

二人はスグルットの後をついて行くと、その先には、人為的に隠された遺跡の入り口があった。


「な・・・」

「おい!こりゃ一体なんだ?」

「さぁ?・・・ただ、この先に僕の求めている”もの”がありそうな気がして」

「なんだそりゃ?ドラゴンパピーじゃないのか?」

「それともう一つ、師匠となる人から出されたテストで、勇気と言うのがあって、この先にその勇気が手に入りそうだな?って思ったんです」

「勇気?・・・ですか?」

「なんかよく分からんが、行ってみようぜ!」

そう言ってリッツは、バックパックからランタンを取り出していた。


スグルット達は遺跡を進んでいくと、何度か魔物に襲われたがそれらを退け、大きな広間までやってきた。

「でっけぇ~!」

「凄いですね……この遺跡は」

スグルットは無言で辺りを調べだし、何かを探し始めた。

「ん?何かあるのか?」

「・・・多分」

スグルットはそう言うと、床や壁を丹念に指で確認しながら、何かを探していた。


「ほほぅ・・・こんな所に人間が現れるとは、珍しい」

「だ・・・誰だ?!」

「私か?・・・私はルディック・・・人間が言うところの悪魔だ」

「な!?・・・悪魔ですって!!!」

リッツよりも先にジェニスが怒声を発した。

「ほほぅ・・・神に仕える者が居るのか?・・・これは面白い」

「ジェニス?」

「自分達の住処へ帰るが良い!」

ジェニスはアンクを片手に持ち、ルディックになにかを唱え始めた。

「これは・・・愉快だ」

「き・・・効かない!?」

「その程度の祝詞で、私がたじろぐとでも思っていたのか?」

「あ~!!!鬱陶しいな~!!!なんかよく分からんが、敵なんだろ?」

「リッツ・・・危ない!」


「あ?」

リッツがそう言った瞬間に、きりもみ状態で、後方に飛ばされた。

「ぐへっ・・・」

リッツはかなりのダメージを受けたが、なんとか片膝をついて身体を起こした。

「よ・・・よくもリッツを!」

「は?だったらどうする?神に仕える者よ・・・私の力は分かったであろう?」

「ぐ・・・神よ!」

ジェニスはそう叫ぶと、両腕を前に突き出し、両の掌から炎の塊を何発も出した。

「・・・効かぬ・・・効かぬのだよ、か弱き者よ」

ルディックがそう言って、片手を振り上げた時、背後からスグルットが姿を現した。

「・・・くらえ!」

スグルットはそう言って、背後から短剣を突き立てた。

「ぐぬ!・・・きさまぁ!よ~くもやってくれたな~」

次の瞬間、スグルットもリッツ同様に、きりもみ状態で、後方に飛ばされた。

ただ、スグルットは身を翻して、着地すると、そのまま前方に駆け出し、ルディックに切りかかっていった。

「あ!・・・☆〇#блдЯθαβЩ・・Αλληλούια

スグルットの攻撃を片手で止めたルディックに、リッツは飛び蹴りをHITさせた。

「ふざけるな!」

リッツはそう叫ぶと、ルディックの顔面を何度も殴り始めた。

「僕だって!」

スグルットもそう言うと、ルディックの背後に回り、何度も短剣で斬りつけていく。

「き・・・きさまらぁ~!!!よ・・・よくも~・・・」

最後に、リッツの拳がルディックの顔面を捉えた時、鈍い光がルディックを包み込んで消えていった。

「た・・・倒した・・・のか?」

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・た・・・多分・・・」

「リッツとスグルットのおかげで、悪魔を退治する事が出来ました・・・本当に有難う」

ジェニスはそう言うと、ふらふらになりながらリッツとスグルットの傍まで来て、へたり込んだ。


「スグルット・・・おまえ、本当に凄いな」

「そんな事ないですよ・・・」

「いいえ、あなたはとても素晴らしい勇気の持ち主ですわ」

「あぁ・・・俺もそう思う」

「・・・ありがとう」


スグルットはテストの一つを手に入れれたのであろうか?

また、この遺跡の先に何が待ち構えているのか?

それは次回の講釈で・・・。