皆様ご機嫌いかがでしょうか 

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【久保田光彦オフィシャルブログ】 

アナウンサー歴30年(元テレビ東京)。スポーツ実況中心に活動してきました。アナウンサーのこと、スポーツのこと、テレビのこと、その他諸々。気になることを書き散らしたいと思います。
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カンプノウで行われるクラシコに、また今年もやって来ました。これで4年連続です。本当にWOWOWのサッカー班には感謝しております。思い返せば、初めてクラシコを担当したのが、07年3月。カンプノウでの対戦は、3-3の引き分け。まだ子供子供していたメッシが、なんとハットトリックをやらかして、隣にいた現地のコーディネーターは声を嗄らしながら絶叫していた。終了直前の同点劇は、今でもはっきりと思い出す。

私は現地で生で、世間で言われるダービー・ライバル対決・因縁の一戦を見たことが無いので、他との比較は出来ないが、これまで経験してきた数ある中継・観戦試合の中でも、その音量やどよめき圧倒感は、間違いなく№1である。とにかく、ブーイングの音が半端ないし、観客が床を踏み鳴らすとスタジアムが揺れるんですヨ。大袈裟じゃなく、最初は何事が起きたのかと思ってしまった。

去年も世界中の注目を集めたが、今年は輪をかけてすごいことになっている。その最大の理由は、モウリーニョの存在だろう。ご存知のように、モウリーニョは90年代にバルサで通訳とアシスタントコーチを務めていた。その後超一流監督になっていくのだが、事あるごとにバルサをライバル視し、挑発的言動をとってバルサ関係者やサポーターを怒らせてきた。モウリーニョという人は、頭が切れて人心掌握術に長けた、アジテーター的な性格な人だと思う。マスコミと対立しながら、それをうまくコントロールして、否が応でも、盛り上がるように仕向けているようにさえ見えますネ。

そのモウリーニョが会見で、「引き分けでもいい。」という発言をした。これがまた憶測を呼ぶ。バルサのペップや選手達は、その発言をどう受け止めるのか。意に介さないのか。表面は平静さを装いつつ、考え分析しているのか。昨季のチャンピオンズリーグ・インテル戦のことがある。バルサは苦杯を嘗めさせられた。リベンジに燃えていることは想像に難くない。だからなおのこと、陽動作戦と捉えてしまうのは、下種の勘繰りというヤツでしょうか。

去年のクラシコは”カンテラ(育成組織)vsカルテラ(財布)”といわれ、レアルが金に飽かせて選手を集めたことを揶揄して、皮肉っぽく新聞に書かれていた(もちろんバルセロナの地元紙)。今年クラシコにタイトルと付けるとすれば、”W杯優勝チームvs世界選抜”でしょう。まさにドリームマッチである。しかもガチンコ、親善試合とはわけが違う。28年ぶりの月曜開催も、特別感があっていいですネェ。

自分のことで恐縮だが、過去にユーロの決勝や五輪の決勝、93年Jリーグ開幕戦、それにあの”ドーハの悲劇”など、何百試合と実況してきたが、クラシコはまったく別物である。なんだろう…、カテゴリーが別とでもいうのか、匂いが違う、舌触りが違う?ウ~ン、うまく表現できませんネェ。改めて29日の夜、その辺のところをカンプノウで確かめてみたいと思います。

以前このブログで宮根誠司アナのことをとりあげたことがありました。そのとき、4・5年の間に人気局アナが何人か独立する、みたいなことを締めのコメントとして載せたことがあったが、なんと日テレの羽鳥アナが来年春で退社するそうだ。予想があたりましたネェ。まだまだ続きますヨ、たぶん。

ところで日テレは、夏目アナも退社するそうで、あのスキャンダルが原因だとかどうだとか…。宮崎アナは体調不良で休職したそうだし、他にも何人か辞たがっている人がいると、週刊誌に報じられていた。そういえばイヤなことを思い出したが、この3年間に2人の自殺者も出ているし、痴漢行為で捕まったアナウンサーもいた。いずれも2000年に入ってからの、つまり最近の出来事である。事由はそれぞれ別だろうが、ひとまとめに考えれば、アナウンス部どうなってんの?といわれてもしょうがない。これだけ出揃えば、お世辞にも明るく楽しい職場環境とはいかないでしょう…。

日テレのアナウンサーは、男子も女子も、きっちりとしたしゃべりが出来る人が多い。新人からの教育がしっかりしていて、鍛えられている。タレント性を前面にだして、ニュース・原稿読みは素人並みといったどこかの局とは、モノが違うと私は思っています。また日テレはアナウンサーに限らず、体質に体育会系のノリがある。実際、一緒に仕事をしたこともあるし、アナウンサーに知り合いもいたが、先輩後輩の関係や接し方に体育会の残滓を感じたりもした。

もう時効だからいいと思うが、以前のアナウンス部長で現在は役員を務めている某氏から直接聞いた話です。昔キャスターで人気が出て、かなり有名になった女性アナがいた。若くしていろんなところで持ち上げられたので、まぁ天狗になったんでしょうネ。偉そうな態度をとるようになったそうです。周りもかなり持て余し気味なり、上司の言うことも聞かなくなった。そんな時、部の忘年会か新年会か忘れたが、某氏がその言動に頭に来て、その女性アナを皆の前で平手でぶん殴った。

今なら当然、その当時でもよく問題にならなかったですね…、と思わず尋ねてしまいました。その後和解し、関係は以前より良好になったと某氏は話していたが、日テレのある種体質を表している逸話でしょう。良い悪いではなく、テレビ局にはそれぞれその局のアナウンス部(室)の体質がある。軟弱・軟派なイメージの多いテレビ局のアナウンス部(室)が多いだけに、日テレはなかなかどうして特異である。

内情を知らないから、余計なことは言えないが、今のご時世厳しく教育されるのは貴重です。暴力やセクハラは論外だが、男子はもちろん女子もどやしつけらながら勉強する時間を大切にするべきだ。アナウンサーの場合、レギュラー番組を持てばアッという間に一端になってしまう。そうして数年過ぎると、誰も何も言わなくなる。これって振り返ると結構キツいですヨ。あとになって響いてくる。私の場合は幸か不幸か、いい年になっても怒られてばかりですが…。やっぱり幸せなのかなぁ~?

地上波の、特にキー局と呼ばれるテレビ局のスポーツ中継が劣化しているということは、このブログでも取り上げたし、新聞・雑誌等でも繰り返し語られている。今更指摘するまでもないが、確認のためにあえて俎上にのせたいと思います。

時まさにTBS系列の世界バレー花盛りです。日本女子は32年ぶりのメダル獲得。視聴率も、終盤は20%超えを連発し、低迷TBSも久しぶりに快哉を叫びたいところでしょう。もちろん代表の健闘にイチャモンをつける気は毛頭ない。参加国も強豪揃いで、黄金時代復活の予感といっていいでしょうネ。

問題は中継である。有名タレントを並べてバラエティーのノリで騒ぎ煽ることに対する苦言は、ナンシー関さんの本を読むまでもない。なんなんだ、これは!と思うのが、”世界選手権”の看板を掲げながら地上波の決勝の放送が深夜枠なことである。なんで3位決定戦をゴールデンでやって、決勝が深夜枠なのか?! バレー界で最も権威のある大会と、「ひるおび」で安東アナが言っていたが、だったらその権威を傷つけるようなことをしちゃだめでしょ。視聴率欲しさに、最高の舞台・試合をないがしろにしたら、バレー界のためには決してならないと思うがナァ・・・。

しかも3位決定戦自体が、生を装いながら実は追っかけ(専門用語)というスタイルで延長時間枠を含めた、時間内におさまるようにしている。だから、ああ~、これはファイナルセットまでいくなぁ、と読めてしまうのだ。このやり方はフジが始めたのだが、TBSは本当にフジの真似をしますネ。バレーは試合時間がまちまちなので、ゴールデンで放送枠を切るのが難しい。したがって、生っぽくするある種苦肉の策なんです。

上記の事柄は、最初にも書いたが以前から指摘されていた。こんなことを個人でどれだけ声高に叫んでも、露ほどの影響もないでしょう。キー局は視聴率獲得のためなら、文字通りどんなことでもする。スポーツ中継を一つの作品としてみるのではなく、素材として意識する。だからズタズタに中身を切り裂いても気にならないし、スポーツの(この場合バレーボール)の未来・啓蒙などは、ハナから眼中にない。

このことは、なにもTBSに限ったことではありません。他も依って知るべしで、テレ東などはもっとヒドイ。つまり結論を言えば、スポーツ中継はBS・CSで観る時代に入ったということなんです。スポーツはライブがベスト。中継枠を十分に取れる、しかも試合そのものを忠実に真正面から捉えて、余計な脚色を排除し性格な情報を提供する。地上波との棲み分けをしないと、劣化は他媒体にも波及しますよ。もうそろそろ、本物を見極めようぜ!って、なんか気張ってしまうんですヨ、この話題になると…。