ボタニカルズ≠ボテクリマワス | エキセントリックギャラクシーハードボイルドロマンス         

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〜文学、お笑い、オートバイを愛する気高く孤独な三十路独身男の魂の軌跡〜 by久留米の爪切り

巡礼 冊子に依ると「カーム&ボタニカルズ」をテーマにしたお店であるらしい。ああ、成程ね。ボタニカルね。ボタニカル。ふうん。その時、私は思った。


ボタニカルって何だろう。疑問を解決するためにググってみる。すぐに答えが提示される。植物、という意味らしい。植物に囲まれた静かで落ち着いた空間、そうしたコンセプトなのだろう。「ナンカ?ボテクリマワスゾ」という福岡県南部、筑後地域の物騒な方言では無いようで安心する。直訳すると「何だ君は?殴る蹴るなど、直接的で執拗な暴力行為を用いて君に身体的な苦痛を与えましょうか」大体そんな意味になるのだ。



私が訪れたのは福岡県久留米市合川町1642-16「ときどき食堂」さんだった。緑に囲まれており、庭園が綺麗に整備されていた。



天井が高く木の梁が見えていた。窓にステンドグラスが嵌まっている。店内に足を踏み入れた私は、まるで美容院みたいだ、との印象を受けた。カウンターに常連みたいな夫婦が座り、店員氏と談笑している。40代くらいに見えたが、その攻撃的なファッションセンスから、昔は相当ヤンチャしてて、そうした類いの武勇伝を幾つも持っていそうな雰囲気が濃厚に醸し出されていた。夫婦と思しき二人は話を中断すると窓ガラスの向こうの中庭へ煙草を喫いに出た。あまりジロジロ見たら因縁をつけられボテクリマワサレルかも知れない、私は視線に気を付けメニュー表を眺めた。



「季節野菜とチキンのグリーンカレー」800円を注文した。


一口食べて、あっ、と思った。私は自分がグリーンカレーが苦手な事を思い出した。ココナッツミルク的な、あの独特の「たるい」感じがどうも気に入らないのだ。


しかし、意外にも、どんどん食べ進めてしまう。具が大きい。米が細長い。ライス表面に盛られたナッツ的なものの食感が楽しい。青唐辛子がスパイシーでスプーンの動きが止まらない。底がじゃりじゃりしている器にスプーンが擦れて妙な音を立てる。結構イケてしまう。ペロリと平らげてしまった。グリーンカレーに対する苦手意識は吹き飛んだみたいである。


私は、顔立ちが東南アジア系だと言われる。タイ人だった前世の記憶が甦ったのかも知れなかった。





ときどき食堂カフェ・喫茶(その他) / 南久留米駅櫛原駅西鉄久留米駅
昼総合点★★★☆☆ 3.9