ーあらすじー
(人力うどん全店舗で「かけうどん」を食べ続ける男の一大叙事詩。一部の読者の間で熱狂的な支持を集めた「かけうどん物語」。その続編が、今、幕を開けたのだった…)
「本当にかけうどんでいいんですか?それとも何か具を追加して更においしくします?」
「何を追加する?」と男は言った。
「そこに物語はあるのか」
青いポロシャツ姿の店員はにやりと笑った。
…男は「まるふくうどん」までの道中、そんなやり取りを是非ともかわしてみたいものだ、と下卑た表情を浮かべていた。男はここ最近、ハードボイルドを気取っているのだ。男はそれを大きく勘違いしている風であった。
男の目論見は儚く砕け散った。「まるふくうどん」さんの注文方法は、券売機だったのだ。
男は黙って「かけうどん160円」の釦を押した。本当安いなあ、男は感嘆の声を心中秘かに上げた。男は周囲を見渡しテーブル席に座る。店内は鳥栖バイパス店とほぼ同じ作りのようだ。
看板に掲げられたかけうどんの字体も素晴らしい。特に「ど」の位置が秀逸である。
男はここで、何故に、福山製麺所さんはこの店舗だけ「人力うどん」という屋号を使用しなかったのだろうか、という疑問が浮かぶ。ま、いっか、知らん。男は思考停止した。そこに「かけうどん」がある。大事なのはそれだけだ。男は己を戒めた。
お待ちかね、かけうどんの到着である。天かすが最初から投入されている。粒が小さくて美しい。麺はやや細めに見える。男は麺を啜る。だし汁を飲む。うん、いつもの味である。もちもち&程よくしょっぱい、である。男は一気に平らげた。所要時間5分だろうか。
(…ああ、佐賀は結構遠いなあ)
男は愛車に跨った。ここから久留米まで二時間近くかかるだろう。男のマシンは「人力」なのだ。久留米方面の空を眺めると、うっすら見える山々の稜線が、分厚く黒い雲に覆われていた。
<p><a href="http://tabelog.com/saga/A4101/A410101/41001243/?tb_id=tabelog_e4461b9a9c2b43df58751210b740a7aeb98faeb0
">まるふくうどん 兵庫店</a> (<a href="http://tabelog.com/rstLst/udon/
">うどん</a> / <a href="http://tabelog.com/saga/A4101/A410101/R572/rstLst/
">伊賀屋駅</a>)
<br />昼総合点<span style="color: #FFD700;">★★★</span><span style="color: #A9A9A9;">☆☆</span> 3.5
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