キャリア・パスポートというのが2020年に学校現場に入ってくる。 | かずえ☆since2016.4 大崎上島、親子で移住、古民家暮らし。

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平成28年3月に19年勤めた小学校の先生を辞め、広島の大崎上島に家族で移住しました。
子どもは、8才と7才の男の子です。子ども達はずいぶん大きくなりました。

そんな我が家の子ども達の成長や、私の気づきを記録していきます。

柴田朋子さんのFacebookから、こんな情報が入ってきた。



2020年に、キャリアパスポートというのが学校現場に入ってくるとのこと。


小学校から高校まで一貫して取り組めるようになるのだそうな。


紙ベースでファイルにするのだそうな。


学年間の持ち上がりは、学校でするそうな。


小学校から中学校へなど校種が変わるときは、子ども達に返して、早い時期に集めるのだそうな。


これが意味することって、

◎ひとつめ、保管場所の確保。
少人数の学校では、あまり気にならないかもしれないけれど、1学年6クラスとかある学校の場合、1000人くらいの児童分のファイルを保管する場所を確保しなければならない。個人情報に関わるものの保管場所として教室が適当なのかどうかも検討しなければならない。


◎ふたつめ
年度始めの事務がまたひとつ増える。

もともと、
指導要録・個人の氏名印・健康のきろくなど、クラス毎に分け直す。
名簿を作る。
名前シールをロッカーなどに貼る。
給食当番や掃除当番表を作る。
学級開きについて考える。
担当学年の指導計画を見直したり、頭に入れたりする。
1年生の入学準備の協力。
などなど、ものすごい量の仕事がある。
(既に忘れてるのもあるかも。)

◎みっつめ
進学する際に、子どもに一旦返すって…。

全員分揃わないような気がする。



そして、
先生方が、キャリア教育について指導するって…。


学校って、英語が導入され、プログラミングが導入されることが決まって、そして、今度はこれ。


何か減ったのか??
増えたのは知ってる。


息子の通知票、道徳も外国語も、所見(言葉)でしたことやその時の様子が書かれてあった。


総合的な学習も、今までからの学校での活動の所見もあった。


数年前までは、総合と所見ふたつだけだったのに。


教科の成績をつけるだけでも、テストをして、ノートを見て、発表などの授業の様子を考慮しないとつかないので、大変なのに、その上に文が4つ。


30人担任していたら、×4で120個、「個に応じた文」がいる。
昔の手書きから比べるとパソコンになったので、ミスを直したりするのは楽になったとはいえ、すごい量。


最後に、中身。
教師の対話的な関わりが重要ってある。


そりゃ、キャリアだもの、重要でしょう。


でも、職業とか言われても、小学1年生は、ピンとこないぞ。
ちなみに、うちの息子達、まだ、特にないらしく、学校でそんなのを書かなきゃいけないとき(自己紹介シートなどに、その欄があるときがある。)は、テキトーにやりすごしているそうな。


二人とも楽しんで今を生きてるし、今、学んでることそのものが楽しいから、それこそがだいじって思ってる。


字が読めるといいことがいっぱいあるし、読めないと困ることがいっぱいあることは伝えているけど、何か特定の何かのために勉強しなくていいと思ってる。


それより、将来にワクワクさせてやってほしい。今、その瞬間をワクワクさせてやってほしい。


どの学年でも、
書けない子がいたときに、
間違っても、早く書きなさい。
何でもいいから、書いちゃいなさいってことをしないでほしい。
それを積み重ねさせてほしくない。


先生がゆったりと対話してくださるなら、いいのだけれど、ただでさえ、この仕事量なのに、そんなゆとりあるのか??


新たに研修するのなら、その時間を教科の学習がワクワクできるように使ってほしい。
先生が楽しんで仕事できるようにしてほしい。


私は、正規の先生を辞めて、非常勤講師として3年間、理科、社会、総合的な学習と教科だけを教えていたけれど、ほんと、楽しかった。


子ども達のワクワクした顔を余裕のある心で眺められて本当に楽しかった。


期限がきて、私の仕事がなくなって、プツって切れてなくなったから、制度については、思うこと山盛だけど、子ども達と勉強するのは、本当に楽しかった。


先生って、こういう喜びのために仕事してるんよねって、思った。


キャリア・パスポートも、発想自体は、いいと思う。
でも、先生に求めすぎじゃないのか?


本気で取り組むのなら、
キャリアコンサルタントに外注とかも、ありじゃないのか?


学校現場は、「やったらいいこと」で、あふれてる。
あれもこれも、やったらいいことには違いない。


でも、その中で、本当にだいじは、なんなんだろう。


子どもも楽しくって、先生も楽しくって、ワクワクできるようには、できないものなのか?


私が先生の仕事を始めた頃は、土曜日が各週あったので、その分の休みを夏休み中にとらなきゃいけなかったこともあり、夏休みに休みが多かった。


普段は忙しかったけれど、夏休みにまとめて休めて、ぼんっと旅行に行けたので、本当に楽しかった。
年休も、ここぞとばかりに使えたし。


でも、どんどん、夏休み中の研修が増えていった。


先生は、いつ、休むんだろう。
ぼおっとするんだろう。


違う職種の人としゃべったり、旅行に行ったり、読書したりすることが、長期的に見たら、先生の素養を高めたりするんじゃないのかなぁ…。


また、新しいものが降ってきたのか、と、思ったら、くらくらしてしまった。


先生の負担を軽くするために、人を新しく入れるといっても、それは、大概が正規ではなく、非正規雇用で、本当に不安定だし。
期限つき任用という立場が不安定ということは、自分がなってみて、本当によく分かった。
毎年、3月初めにに雇用が終わり、3月の終わりにならないとどうなるか分からない空白があるんだもの。


空白、しんどい。


で、仕事がないことが判明して、仕事を探して変えたんだけど。
新しい職場の面接の時に、
「すぐに移住とかは、ないですよね?」
と、できたら長くいてほしい的なことを言っていただいたときは、感激したものなぁ。


学校現場で人が足りないって、そりゃそうだよって思っちゃう。
空白に耐えられる人って、配偶者がいて、経済的になんとかなる人とかだもの。
常勤だったら、足りてないから、ほぼ、なくなることはないけど、でも、みんな、この空白の時期が嫌だとおっしゃっていたなぁ。


なんか、先生って職業の人達のことを、どう見ているんだろう、って、改めて思ってしまった。


公務員だから、言われたことは、やらなきゃいけない。


でも、先生も、人間だよ。


家庭がある人もいるんだよ。


共働きでやってる人も多いよ。


先生の親が協力できない環境の人もいるよ。


シングルで育てている人もいるよ。


独身の人だって、他にやりたいことあると思うよ。


私、とっくに辞めちゃった人間だけど、このニュースでどよーんとしてしまった。


子ども達が、1日の多くを過ごす場所なんだから、そこがワクワクして、ほっこりして、あったかい場所であることを望みます。


そして、そのためには、現場の先生が、先生ってたのしーって思っていてくれることが一番だと思います。


週に何日かとか、何時までとかしかできないけど、教えることはできるよって人が、毎年、年度末に路頭に迷わなくてすんだら、先生が、足りてないって状況、少しは改善されるかも、と、思います。
そんな制度ができないかなぁ。


No.1298