2月9日に放送された「ガイアの夜明け・密着!会社と闘うものたち」(テレビ東京)への反響をまとめました。綿密で切り込んだ取材内容と編集は、とても見応えがありました。
当ユニオンで連帯するプレカリアートユニオンの案件、あのアリさんマークの「引越社」との闘いも詳しく紹介されました。
なお、この番組は、2月18日(木)BSジャパン再放送予定です。

数多くの反響の中から、「レイバーネット」から番組評を紹介いたします。
http://www.labornetjp.org/news/2016/0212gaia より出典しました。

 
痛快にブラックぶりを描く~「ガイアの夜明け・密着!会社と闘うものたち」    幸野 真

 昨日(2/9)の「ガイアの夜明け・密着!会社と闘うものたち」(テレビ東京)は面白かったなぁ。アリさんマークの「引越社」との闘いに関わっている友人からの情報で知ったのだが、正直、実際に視るまでは、どの程度しっかし扱ってくれるのか、数ある事例のワンオブゼムで終わるんじゃないか!、と半信半疑だった。しかし実際に視てみると、番組の後半が、ほとんど引越社への密着取材で構成されているではないか!しかも、ちゃんと労働者側の主張を真摯に伝えている。これは番組側の良心というだけでなく、それだけ引越社のブラックぶりが「絵になる」からでもあるんだろうなぁ。

 それでもやはりマスメディアなので、企業側の言い分も伝えなければいけないと見えて、副社長がとうとうと冷徹に自分らの正当性を主張する場面もあった。ところが次の場面になると、本社前で組合の抗議行動に対し、同じ副社長が、ヤクザ顔負けの区長で凄んでいる。このコントラストが絶妙で、You Tube動画で見慣れた副社長の恫喝ぶりが、よりいっそう新鮮に見えてくる。何だか、マスメディアにつきまとう両輪併記主義を逆利用しているようで、まことに痛快無比であった。

 惜しむらくは和解協議の中身がはっきり伝わってこなかったが、これは訴訟になる可能性がある以上、致し方ないんだろうな。実際には、裁判をやったら企業側が負ける可能性がきわめて高い主張を、引越社が頑として譲らなかったために、和解が決裂せざるを得なかったらしいそれによって、これから引越繁忙期に入るという時に、引越社はテレビで無様な姿をさらけ出して、経営的にもそうとう痛手を負うことになるだろう。間抜けな話だ。

 ブラック企業問題が広く共有されるようになり、今や企業のブラックぶりやコンプライアンス違反が明らかになることは、その企業の社会的信用を失わせ、顧客や市場の離反を招き、経営的にもマイナスになるという認識が企業社会に広まりつつあるところが世の中には、いまだにそういう認識を持たず、ブラックな労使関係に固執して開き直る企業も、まだまだ存在しているということだ。そのような企業には、もはや痛い目に遭ってもらうしかあるまい。引越社との闘い、これからも注目し続けようと思う。
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(引用ここまで)

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次は、アメーバニュースから紹介します。
http://yukan-news.ameba.jp/20160211-70/ より出典抜粋しました。

「ガイアの夜明け」の長時間労働特集に「神回」評
2016年02月11日 17時31分 提供:アメーバニュース政治・社会

2月9日放送の『ガイアの夜明け』(テレビ東京系)が、特集のテーマに「長時間労働」をピックアップ。
実名で企業を告発した番組内容が話題となっている。

毎回、経済の現場で奮闘している人たちを通して、様々な経済ニュースの裏側に迫るこの番組。同日は「密着!会社と闘うものたちから”長時間労働”をなくすために~」と題し、2015年4月に厚生労働省で発足した「過重労働撲滅特別対策班」の取り組みや、月300時間以上の長時間労働をした上に残業代が未払いとなり、会社と闘っている男性などが紹介された。

同日の放送は、ネットで大きな反響を呼んだ。番組は、「ドン・キホーテ」「和民」「すき家」「アリさんマークの引越社」など、長時間労働や賃金未払いといった問題を巡って労使間で紛争が起きている会社を実名で紹介。それゆえ番組終了後には・・・(引用ここまで(*v.v)・・以下は、上記URLからご確認ください)
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番組放送の中で、当ユニオンの労使紛争や相談、案件の中でも同じようなポイントがいくつかありました。
①長時間労働を強いられ、渦中に巻き込まれた労働者自身は、「オカシイ」と感じなくなっていくこと。
そして、家族の指摘で我に返り、改めて考え直すことができた。

②ブラック企業の経営者は「労基法」(最低限の労働者を守る基準を定めたもの)すら守ろうとはしていないこと。(疑問を持った労働者を「問題社員」としてアラ探しをして、その社員個人の問題として、徹底的に排除しようとする。)

③会社にユニオンがない。あっても相談に乗ってくれなかった。

・・・などです。
 当ユニオンの中で、最も悪質な会社は、裁判判決を守らない、和解に応じない、逆に提訴すると脅す(マスコミに出たこと、ブログ、You Tube動画アップなどを理由に、代表取締役・弁護士連名で「訴訟を起こす!」などの文書をユニオン、組合員宛に送りつけてくる。これらは「スラップ訴訟」と呼ばれ、一番弱いものを攻撃する卑劣な手段として米国などでは法律で禁じられています。日本ではブラック士業が企業に指南をするケースも多々あります。)などは、本当にタチの悪いブラック企業の恫喝手段でもあります。
労働組合の正当な活動として法律で厚く保護されている争議申し入れ活動に対しても同様の手段を講じてきたりします。このような事が社会に知られれば、その会社の評判は最悪となるでしょう。いずれにしても、このような企業は遅かれ早かれ、淘汰されていくのは目にみえています。そもそも、会社自身が労使紛争を大きく長引かせたりしないものです。

 「おかしい!」と思ったら声をあげましょう。自分以外の誰かに相談しましょう。悪いのは決してアナタではありません。