ソーシャルゲームにはどんなものがあるのか? | 子供キューピーのブログ

ソーシャルゲームにはどんなものがあるのか?



プレイステーション3(PS3)の中で最も人気がある商品です。1時間ごとに更新します。

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ソーシャルゲームのすごい仕組み(2):
 一口にソーシャルゲームといっても、その種類はさまざまだ。多様なゲームが提供されているからこそ、幅広いユーザーの支持を集めているともいえるだろう。ソーシャルゲームのほとんどはゲームを無料で開始することができ、一定の段階までは時間をかければクリアすることができる。しかし、その先に進むためには、まず各プラットフォームが用意する仮想通貨を購入し、次にその仮想通貨をゲーム内で何らかのアイテムに替える必要があることが多い。これを月額定額制(例えば1カ月500円で遊び放題、といったようなシステム)などと区別するためにアイテム課金制と呼ぶ。



携帯ミニゲームのソーシャル化【釣り★スタ】

 この後、「ソーシャルゲームを手がける会社」の項目でも詳しく見ていくが、DeNAの展開するモバゲーよりも少し早い2007年に、GREEから本格的なソーシャルゲームが登場した。それが、日本の携帯ソーシャルゲームの草分け的存在ともいえる「釣り★スタ」だ。

 もともと、「釣り」はゲームと相性のよいモチーフだった。ソーシャルゲームが登場する以前からも、ファミコンを始めとするさまざまなプラットフォームでゲーム化されてきている。大きな魚を釣る、という誰でも理解できる目的に加え、仕掛けの面白さというアイテム要素、魚との駆け引きといったアクション性、釣った魚をコレクションする要素など、ゲームにしやすい要素が豊富にありながら、ほかのスポーツゲームに比較すると複雑なグラフィックなどを用意しなくてもいいという携帯ゲームの開発に適した要素も持ち合わせている。

 「釣り★スタ」もそういった要素を生かしながら、チーム戦という概念を加えることで、1人で遊ぶ釣りゲームをソーシャルゲームへと進化させた。ゲーム序盤は1人で遊びながらポイントをため、アイテムを購入しつつより大きな獲物がいる釣り場へと進んでいく(このように最初は利用できないゲーム中のステージやアイテムなどが一定の条件をクリアして利用できるようにすることを、「アンロック」すると呼ぶことが多い)。しかし、中盤以降は他のユーザーとチームを組まないと出場できない「大会」が現れ、同じチームのメンバーと協力しながら、他のチームと競争していくことになる。

 この後、紹介する他のソーシャルゲームと比べると、「釣り★スタ」はステータス表示(プレイヤーの強さなどを示すパラメーター)が少ない。この値を上げることを目標とさせるソーシャルゲームが多いなか、異色の味付けともいえるだろう。しかし、チーム戦を行う段階まで達すると「団結力」という表示が現れ、否応なく仲間同士でのアクティビティを意識するようになるという仕組みが用意されている。

 GREEではそれまでも「踊り子クリノッペ」といったペット育成ゲームや、「ハコニワ」という、読んで字の如く、自分の箱庭を飾るゲームを提供し、ほかのユーザーの訪問やアクションによってその成長過程が変わる、というゲームはラインアップしていた。「釣り★スタ」はそこで得た知見や開発ノウハウを惜しみなく注ぎ込み、本格的なソーシャルゲームに昇華させたものといえるだろう。現在では1000万人を超えるユーザーが楽しむまでに成長している。

協力・対戦を前面に【怪盗ロワイヤル】

 「釣り★スタ」は、いわば1人で遊ぶソーシャルゲーム未経験者を、知らず知らずのうちに仲間と遊ぶ、あるいは競争することの楽しさに誘導することに工夫を凝らしたゲームだ。一方、これから紹介する2009年にスタートしたモバゲーの「怪盗ロワイヤル」は、始めから戦略を駆使して対戦する要素を前面に押し出し、支持を拡げている。こちらもユーザー数は1000万人を超えるとされる。

 怪盗(とはいっても、ルパン三世のような義賊型の)にふんして、お宝と呼ばれるアイテムを敵キャラクターや、他のプレイヤーから獲得しながらミッションをクリアしていく。

 つまりこのタイプのこのゲームは、「ロワイヤル=フランス語で「大勢」の意」という言葉からイメージされるように、多数のユーザー同士が対戦するという側面も持っている。ミッションクリアのために敵キャラクターを倒すには、さまざまな装備品で自軍(怪盗団)を強くしておく必要があり、またユーザー同士の対戦(お宝の奪い合い)では、事前に組み合わせておいたアイテムで互いの隙を突く・戦略の裏を読むといった頭脳戦も鍵を握る。

 「ネットの向こう側の見知らぬ人と対戦する」というのは、ソーシャルゲーム未経験だとハードルが高い。実際に顔を見て対話しながら遊ぶのと異なり、ネット空間では相手の表情を見ることはできない。そういう状態では不安になってしまうプレイヤーは多いはずだ。

 モバゲーはサービス開始当初は1人で遊ぶ携帯ゲームが中心だった。しかし、前述のGREE同様、ユーザーとともに少しずつソーシャルゲームを開拓していったといえるだろう。ゲーム以外のバーチャル空間ではアバターに飾られたプロフィールページを備え、プレイヤーが少なくともゲーム空間ではどんな存在なのか、イメージがつかめるような仕組みも整備されていった。また、後にまとめるように、サービス内でのいわゆる「出会い系」のような事件・事故を防ぐための対策にも重点が置かれていく。そういった「場作り」の結果、ソーシャルゲームの面白さを突き詰めた作品として「怪盗ロワイヤル」が現れたというとらえ方もできるはずだ。

 モバゲーの看板商品ともいえる「怪盗ロワイヤル」は、TBSテレビでドラマ版が放送され、青年マンガ誌(ヤングジャンプ)・少女マンガ誌(Cookie)でコミック版も連載されるなど、メディアミックス展開も進んでいる。

カードゲームの面白さ【ドラゴンコレクション】

 ソーシャルゲームにおける対戦の面白さ=バーチャル空間で見知らぬ相手と戦略を競う面白さ、には実は先達がいる。後にゲームの歴史を考える際にも詳しく見ていこうと思うが、いわゆるTCG=トレーディングカードゲームがそれだ。

 持ち札のなかから指定枚数で対戦カードを選び(これを「デッキを組む」と呼んだりする)、相手の出す札を上回るカードで応戦して、勝利すればカードを獲得できる、というのが基本的なゲームの流れだ。あらかじめできるだけ多くの、かつできるだけ強いカードを集めておいた上で、対戦相手が繰り出してくるであろうカードを予測して、デッキを組んでおく。事前準備の戦略性、そして実際の対戦で手札のなかから効果的なカードを見極めて提示する戦術性が求められる。

 その始祖ともいえる「マジック・ザ・ギャザリング」は1993年に米国で生まれた。日本にも輸入されたトレーディングカードゲーム(TCG)はボードゲームマニアから人気が拡がり、現在ではブシロードの「ヴァンガード」のようにテレビアニメ化され、子どもたちにも支持されているものもある。こちらは紙に印刷されたカードで遊ぶのが基本だ。

 パッケージゲーム大手のコナミが、携帯向けカードゲームとしてGREEで配信を行っているのが「ドラゴンコレクション」だ。2010年9月に開始して、早くも登録会員数は550万人を超えたというのは前述の通り。

 デジタルならではの要素として、対人バトルだけでなく、モンスター(NPC=ノン・プレイヤー・キャラクターとも呼ばれる)戦があったり、そこでほかのユーザーとチームを組んで協力して戦うことができる。また、戦闘によってカード自体の経験値を上げたり、カードとカードを掛け合わせて別のカードに変化(合成)させるといった、デジタル・ソーシャルならではの要素も加わっている。

 ここまで読んで気付いた読者も多いと思うが、そのゲームシステムは「怪盗ロワイヤル」ともよく似ている。人によっては「ソーシャルゲームの9割方はカードゲームをモチーフにしている」と呼ぶくらいだ。それほど、20年近く前に生まれたマジック・ザ・ギャザリングはよくできたゲームシステムだったもいえるだろう。テレビCMでよく見かけるようになった、GREEの「探検ドリランド」なども同様のゲームシステムを備えている。カードの絵柄もよく似ており、30代以上の読者であればおなじみのビックリマンチョコを彷彿(ほうふつ)とさせるモチーフだ。こういうところにもソーシャルゲーム利用者の世代の拡がりを感じとることができる。

 前述の通り、ドラゴンコレクションはパッケージゲーム大手のコナミが、自ら手がけ成功したソーシャルゲームであり、ゲーム業界の変化を象徴するタイトルでもある。その変化については後ほどさらにくわしく見ていきたい。

人気パッケージゲームをソーシャル化【アイドルマスター シンデレラガールズ】

 「ドラゴンコレクション」でGREEをパートナーに選んだコナミに対し、バンダイナムコゲームスはモバゲーのDeNAとタッグを組んだ。2011年8月には共同出資による新会社「BDNA」を設立し、その連携の強さを印象づけている(とはいえ、バンダイナムコはGREE向けにもソーシャルゲームを提供している点にも注意が必要だ)。

 パッケージゲームの市場が縮小するなか、成長著しいソーシャルゲームに注目するゲームメーカー大手のバンダイナムコ。そのバンダイナムコが生み出し、ネットベンチャーからソーシャルゲームプラットフォームを築き上げたDeNAが提供するのが「アイドルマスター シンデレラガールズ」だ。モバイル版(モバゲー版)アイドルマスターを略して「モバマス」とも呼ばれている。

 アイドル育成ゲーム「アイドルマスター」はもともと、2005年にアーケードゲームとしてスタートした作品だ。初登場の時点からすでにネットワーク対戦機能を備えていた。そして、XboxやPS3やアニメなどへのメディアミックス展開を進め、2011年11月、モバゲーでのソーシャルゲームが提供開始となった。2012年2月時点で登録会員数は100万人を超えている。

 シリーズを通じてプレイヤーは、アイドル事務所のプロデューサーとなり、新人アイドルグループのメンバーをさまざまなトレーニングやライブなどの芸能活動を通じて育成していく。ゲームの合間には、ライバルグループとの評価を競うバトルが用意されており、それを勝ち抜くことでステータスや所持金がアップしていく。ユーザーはプロデューサーとして、アイドルたちと交流を図りながら、衣装や交流のためのアイテムを買いそろえトップアイドルを目指していく、というストーリーになっている。

 ソーシャルゲームの「モバマス」では、アイドルたちはやはり「カード」として登場する。アイドルカードごとにパラメーターが割り振られており、対戦を通じてこれを強化していくことができる。強化されたアイドルカードのグラフィックは変化するためコレクター心を満足させる要素ともなっている。一定の条件をクリアしなければ手に入れることができないレアカード=強いアイドルの獲得を目指して、多くのユーザーがネット上の対戦に精を出している。

 アイドルマスターはもともとパッケージゲームでも人気のあるシリーズだ。2011年末発売されたPS3版「アイドルマスター2」は販売本数10万本を超え、前作にあたるXbox版では、DLC(ダウンロードコンテンツ)の販売金額が3億円を超えたと報じられた。衣装やアイテムなどをオンラインで追加購入するアイドルマスターのDLCの販売規模はXboxの全ゲーム世界ランキングでも歴代3位となっている。

 このように、始めからネットワーク対戦機能を備えて登場し、アイテム課金とも極めて相性の良いアイドルマスターが、ソーシャルゲームでどれほどの躍進を見せるのか——プレイヤーのみならず、ゲーム業界も非常に高い関心を寄せている。

●ソーシャルゲームを手がける会社

 さて、ここまでも多くの会社名が登場し、読者の中には少々混乱された方もいるかもしれない。新聞やテレビなどの報道、コマーシャルを賑わすGREEやモバゲーのDeNA以外にも、ソーシャルゲームには数多くの会社がそれぞれの役割や狙いを持って参入している構図がそこにはある。

 まず、現在の主役ともいえる、GREEとDeNA。DeNAは1999年創業、GREEはそれに遅れること5年の2004年に会社を設立している。いずれも大手ゲーム会社などと比べると社歴は短く、同年代に起こったインターネットバブルの波を大きく受けたインターネットベンチャーだった。

 GREEは代表取締役社長の田中良和氏が、東京ゲームショウなどで自ら登壇しそのビジョンを語ることが増え、テレビや新聞記事などでその姿を見る機会も増えた。

 またDeNAは、2011年にプロ野球球団横浜ベイスターズの買収で、IT業界のみならず広く注目を集めることになった。

 その出自やソーシャルゲーム事業に至る過程などは後ほど第2章で詳しく追うが、まずこの2社はソーシャルゲームの「プラットフォーム」を整備し、運営するのが事業の肝となっている点は押さえておきたい。逆にいえば両社がにらみ合う訴訟や話題を集めた球団買収はその本質ではない。

 ユーザーを集め、ラインアップしたゲームに誘導し、ユーザーができるだけ快適・活発にゲームをプレイできるよう環境を整えていく。携帯電話とスマートフォン、そしてそのOSによって決済における役割は異なってくるが、プレイヤーから見たときのいわば「窓口」となる存在だといえるだろう。

 GREEとDeNA自身もソーシャルゲームの開発を手がけているが、売り場としてのプラットフォームに並べられている多くのゲームは、ほかの会社(SAP=ソーシャルアプリケーションプロバイダー)が提供するものがほとんどだ。従来の家庭用ゲーム機の世界でいえば、プラットフォームを開発・運営しながら、自らもキラーソフトを開発するSCEや任天堂と、そこにゲームを提供するコナミ、ナムコ、カプコンといったサードパーティ各社が参加するという構図にそれはよく似ている。

 ソーシャルゲームプラットフォームにゲームを提供する会社も、プロジェクトを取り仕切る企業と、各種機能を提供する制作会社という役割分担が行われることも多い。ソーシャルゲームのリッチ化、大型化が進むなかで1社が1つのゲームのすべてを提供するというのはなかなか難しくなってきている、というのが現状だ。コナミがGREEで展開する「ドラゴンコレクション」も、実際にはゲーム部分の開発、インフラ部分の整備、データ解析などを複数の会社で分担して取り持つという形を取っている。見た目のシンプルさとは異なり、ソーシャルゲームでは、いわゆる「ビッグデータ」と呼ばれるような膨大なユーザーの行動履歴が蓄積され、その分析に基づいて日々刻々と改良が行われている。そのため、昨今の高機能な家庭用ゲーム機向けの開発と引けを取らない体制が取られているのだ。

 GREEとDeNAが厳しい競争を繰り広げるなか、人気ゲーム、そしてそれを開発できる一連の会社をいかに確保するかが両社にとっての大きな課題になっているのは想像に難くない。先ほど、ゲームが類似していることをめぐって訴訟が発生した例を挙げたが、ゲーム会社のプラットフォーム選択を拘束したとして、公正取引委員会が調査に乗り出すに至っている。この問題についても後で詳しく考えていくが、「プラットフォーム事業者」「SAP」「ソーシャルゲーム開発会社」の3つのプレイヤーが互いに必要な機能を提供し、時には混乱や衝突を起こしながらも急速な進歩を遂げている、ということをここではまず押さえておきたい。(次回に続く)

●ソーシャルゲームのすごい仕組み

 この連載は4月10日に発売された『ソーシャルゲームのすごい仕組み』(アスキー新書)の第1章から抜粋、編集したものです。

[まつもとあつし,Business Media 誠]
「この記事の著作権はBusiness Media 誠 に帰属します。」




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