チームビルディングが刺し合いの文化を生む~新興外食企業 HUGE社~① | チームビルディングブログ

チームビルディングが刺し合いの文化を生む~新興外食企業 HUGE社~①

互いが「刺し合い」高め合う現場が自ら進化する組織~HUGE社~

日経トップリーダー 2010年12月号から

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外食業界で「接客の神様」とまで呼ばれる、HUGE社長の新川義弘。現場同士が互いの課題を公然と指摘し合い、切磋琢磨する。そんな自律型の組織をつくり、「最高のサービス」を追求する。


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<差すではなく、刺す>
HUGEの店は何度も通う熱烈なファンが少なくない。顧客の気持ちを半歩先取りし、居心地の良さを演出する。サービスの質の高さが根強い人気を支えている。高級店ではないが、新川によると、取り皿の交換もドリンクのお代わりも「お客様に『すみません』と言わせたら負け」だという。


そんなハイレベルのサービスを支えるのが、自ら考え、動く従業員だ。その時々の自分の役割を判断し、刻々と変化する状況に対応する。店に今足りないものは何か、常に神経を巡らす。こうした従業員を育てるために新川は社内に公明正大に互いを「刺し合う」文化を根付かせようと努めてきた。刺し合うとは社内用語で、お互いの足りない点を、歯に衣を着せず公然と指摘し合うことを意味する。


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グローバルダイニングで過ごした四半世紀、新川自身が「スター」だった。自分がうまく立ち回って常連客を増やしても、別の店に移った途端に、お客が離れる。自分の実力が証明されているようで、そんな状況が小気味良かった時代もあった。だが、やがて気付く。それでは永続する会社になれない。一部のスターが引っ張るよりも、チームが力を結集する方が最後は強い。


HUGEを立ち上げた新川は、そのためには全従業員が情報を共有し、考え、動けるようになる必要があると思った。一人残さず全員のレベルが自動的に底上げされていく仕組みを考え抜き、たどり着いた結論。それが「刺し合う」ことだった。


これだけ「刺し合い」ながら」も現場には笑いが絶えない。10月に入社した飛田静恵はその理由をこう説明する。
「みんな遠慮なく言い合うので初めは驚いたけど、よく聞いてみると、個人を攻撃しているんじゃなくて、全部お店を良くするための前向きな意見なんだと思えた。それぐらい皆お店とお客さんのことを考えている。だから自分が指摘を受けても何とか頑張ろうと思える。」


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