建設業の資金繰り表 復活のその2 | 資金繰りコンサルタント・小堺桂悦郎の自転車操業ブログ

建設業の資金繰り表 復活のその2

建設業の読者の皆さん、お喜びください。

幻の公開となってしまった建設業資金繰り表その2の復活です!

ブログ読者の方から、データをメ-ルでいただきました。

東京都のI(アイ)さん、大変ありがとうございました。

あれから消しちゃうのが怖くて、書いては即アップしてました。

微妙に文面が短くなってたのはそのためです。

では前置き書いてて消さないうちにどうぞ。



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さあ、解説を表の上から順番にやっていきましょう。

表の上、損益の抜粋は税込みです。
税抜きの試算表から、1.05倍します。

製造材料・経費とありますが、外注費も含まれます。
ただし、労務費は含めていません。
では労務費はどこにいったか?
支出の人件費に含まれてます。
ちなみに、人件費は実際に支払った支給額そのままです。

このサンプルの会社の場合、原価は直接法で、
発生した材料等は、いったん「未成工事支出金」に計上してます。
その後、完成した工事の分だけ、原価に振り替えてました。

表の上部にある製造材料経費は、
その未成工事支出金のその月の増加額というわけです。
もちろん税込みで。

収入に関しては、項目どおり、そのままです。
建設業の場合、完工の際、
前受(未成工事受け入れ金)との相殺がありますが、
ここでは考慮してません。

支出で解説が必要なのは、「諸経費支払」でしょう。
ここに、他の支出に該当しないものをすべて突っ込んでしまってます。
小切手支払や振り込み支払、手形決済は、すべて製造材料等に関する支払です。
勘定科目でいうと、工事未払い金の支払です。

人件費は支給額をそのままと、源泉所得税や社会保険料など。
ということは、これら以外のいわゆる経費の支払を、諸経費支払としてるわけです。
小口の支払もあるでしょうし、自動引き落としのリース料などもろもろ。
いったん未払い費用で計上した支払なども。
つまり、収入と支出で記入できる項目をすべて記入して、財務収支も記入して、
繰越金が合うように逆算して、諸経費支払に記入します。

あれ?試算表から資金繰り表を書くマニュアルと違うんじゃない?
ええ・・・この会社、試算表がじつに遅れてまして・・・
試算表ができあがるの待ってたら、いつまでたっても実績表が作れません。
でも、通帳を見れば、資金繰り表は書けるじゃないですか。
なので、表の上部の製造材料経費が、試算表ができあがると数字が変わってしまう・・・

おかしいでしょ?
試算表が遅れるのはしょうがないとしても、請求書は翌月には届くし、
その請求書を見て、小切手振り出したり手形振り出して、振り込みもして・・・
当然、それら支払の一覧表もあるわけで、
ならば、その合計額が製造材料等の発生額なわけじゃないですか。
その数字を書いているのに、なぜか試算表ができあがると変わってる・・・
それでも、たとえ試算表が遅れていても、資金繰り表は作れます。
表の上部は、あくまでも参考ですから、後日数字が変わってもOK。
でも、建設業ですから、受注や完工が大きく変わったらおかしいですよね。
収入の金額も、試算表が出来上がったら変わってしまった・・・
なんてことは現実としてありえません!
小切手の支払や手形の決済も、後日変わることはありえない。

これを書いてる今日は2月1日です。
1月末は終わってます。
当座や普通預金の残高はもう動きません。
つまり、1月末の繰越金は、もう動かないのです。
試算表がどれほど遅れていても、終わった資金繰りは動かないのです。
試算表ができあがると、損益など発生の数字は変わるかもしれません。
でも、入ってきたお金の総額も、支払った総額も、変わらないのです。