建設業の資金繰り表 その4
その4は、資金繰りの解説といきましょう。
1月2月の完成工事の入金で、短期借入金を返済したら・・・
このままだと、倒産です。
なんとしても、受注(落札)して、また短期借入をしなきゃいけません。
これが、建設業の宿命、自転車操業の実際です。
ほんとうは、短期借入を返済しても、
繰越金がマイナスにならないようにしてなきゃおかしいのですが。
なぜマイナスになってしまうのか・・・
乱暴に言えば、過去から現在への赤字か、不動産投資(購入)の失敗か・・・
その原因がどうであれ、対策はただひとつ。
受注して、借りる(つなぐ)。
そのためには、銀行対策が最重要です。
なので、表の「月末残高」は、各銀行の借入残高を記載してるのです。
短期、長期ともにA地銀の残高がトップです。
まさしくメインバンク・・・ですが、最近、やや引き気味のメインバンクです。
長期の借入残高の内訳の推移を見てください。
この1年、A地銀は長期を出してません。
ささえてきたのは、B都銀と政府系銀行です。
返済額もA地銀が多く、このペ-スでいくとあと3年少々でA地銀は完済です。
もちろん、そんなわけにはいかないというか、不可能です。
仮に、ここで受注をとり短期の借り換えができたとしても、
来期は長期の借り換えをしないと資金繰りが回らなくなるでしょう。
もっと現実的な話をすると、1月以降も心配ですが、それより12月です。
役員借入で12月をのりきることになったようです。
その資金、どこから借りてくるのかわかりませんが、1月と2月に返済するようです。
もし・・・新たな受注がとれなかったら、短期の借入ができません。
そうすると、2月に短期借入返済してしまうと、支払ができませんから、倒産!
でも、返済しなければ・・・ギリギリ、支払はできますね・・・
手形や小切手の決済をできないとと不渡り倒産・・・
でも・・・短期借入の返済をしない(できない)としても・・・倒産・・・ではない・・・かな。
銀行の返済を優先して不渡りとするか。
当座支払を優先して銀行返済をとばすか・・・