返済原資
1ヶ月のご無沙汰でした。
暑くって・・・更新、できませんでした・・・。
不思議なことなのですが、わたしの本業の近況は、メルマガ の方がよくわかります。
本来、ブログの方が、話し言葉でさほど長くもなく、気楽に書けるような感じなのですが、逆転現象がおきてます。
さて、今日のテーマは、返済原資(へんさいげんし)です。
この返済原資という言葉、会計用語ではなく、銀行の“融資に関する用語”です。
融資を返済するにあたって、そのもとになるものは何? 「もと」、つまり、原資です。
融資=借りた金を返すには、
・自分で稼いだお金のなかから返す のか、
・いま持っている何か(資産)を売って(換金)返す のか、
そのどちらかしかありません。
別のどこかから借りたお金を借金の返済にあてるというのもありますが、それじゃぁ借金そのものの返済にはなりませんから、除外。
これ、サラリーマンだったら、毎月の手取り給料のなかから生活費を引いた残りを借金の返済にあてるだけ。なーんにも迷うことはありません。
ところが、会社経営になっちゃうと、返せるかどうかの基準をどこに求めたらいいのか、貸す方も借りる方もわからなくなっちゃうんだから、不思議です。
答えを言っちゃうと、決算書の当期利益に減価償却費を足した数字、これが会社として借金返済ができるかどうかの基準値になります。この数値を、税引き後償却前利益、といいます。
あーあ、なんだか難しそうな感じがしてきましたね。
たしか、銀行に就職して融資の研修を受けた時に、すぐに習ったような覚えがあるなぁ。でも、現実の融資の決算書で、それ(税引き後償却前利益)をクリアしてるのなんて見たことないぞ。実際のお金の動きは損益計算書のとおりじゃないし。そう、実際には、損益計算書の数字のようにはお金の出入りはしていません。
が!
それでも、返せるかどうかの目安をどこに求めるかといったら、儲かってるかどうか。それってつまり、利益です。
返せる分だけの利益があってはじめて返せるわけじゃないですか。
たとえば、借金返済が毎月100万あるのに、損益計算書の税引き後利益が50万しかなかったら、どうやって返せるんですか?
「そこはほら、いろいろうまいことやって・・・やり繰りして・・・さ」
ほらほら、
うまいことやって・・・ってのは、なんだか脱税っぽくなるので論外。
やり繰り・・・って、そりゃぁ他に払うべきものをちょっと待ってもらったりして・・・つまり、払えてないってことでしょ。
と、ここまで読んで、ガッカリしないでください。
だいじょうぶです、借金返済をクリアできる利益のある会社、わたし、記憶にありません。
銀行員時代から今日現在までおよそ二十有余年、そんな会社、見たことありません。
なぜかって?多くの会社は、借り換えで回しているからです。
黒字が続いていると、銀行はお金を貸してくれます。
その黒字が大きければ大きいほど、こっちが黙っていても、銀行の方から融資のセールスにやってきます。
結果、借り換えして、手元資金が豊富になる・・・ゆえに、利益以上の返済ができている・・・
そうなると、大切なことは、
・次の借り換えのタイミングがいつごろ で、
・どこの銀行が応じてくれそうなのか
この2つです。
それでは、それを判断するものは?
それは、決算書が出来上がったときです。
先ほどの例でいうと、毎月100万の返済で、税引き後償却前利益が50万ということは、自力で返済できるのは半月分だけ。
ということは、500万の資金があれば、5カ月はなんとかなるかもしれません。
それでは、借り換えがうまくいかなかったときは・・・
そう、次回のテーマは「返済条件変更(リスケジュール)」通称、リスケ にしましょう。
こうやってテーマを決めて書こうとするから、更新が遅くなってしまうんだよなぁ・・・。