この物語は世界のどこかにあるアヒル村に住むアヒルたちの物語です
その夜、あひるんはアヒルオバケの所へ行きました。
アヒルオバケは布団を掛けて寝る準備をしていました。
「寝るところだったんだね。夜の見回りはしないの?」
オバケなのに夜は寝るんだな~とあひるんは思いました。
「この村は平和だから見回りの仕事はないんだ」
アヒルオバケは眠そうに言いました。
「何か用かい?」
アヒルオバケが聞くと、あひるんは雲から吊り下げられたブランコに気がつき、
そのブランコに座って話を始めました。
「今日、リンゴを届けた街のアヒルってセレルさんでしょう」
と聞いた後に、「街へ戻ったんだ」とあひるんは小さな声でつぶやきました。
アヒルオバケは街へ行った時のことを思い出しながら静かに答えました。
「街外れで小さな帽子屋をやってるよ。カモメと暮らすのは無理だったみたいだよ。
この村へ来る前は自分を着飾ることばかり考えていたけど、 今はみんなのためになる
帽子を作ってるって言ってたな。 街ではとても評判がいい帽子屋さんらしいよ。
この村で暮らしたことがよかったんじゃないのかなあ」
あひるんは空を見上げました。
アヒル村の夜空に輝く星はいつも綺麗です。今夜もいつもと同じように輝いています。
街の星はどんな輝きをしているんだろうとあひるんは考えました。
しばらく星を眺めた後、あひるんはまたアヒルオバケに話かけました。
「今度街へ行ったら、セレルさんに伝えてよ。リンゴは採れたてが一番美味しいんだよって。
それから、子供の頭はすぐに大きくなるからちゃんと測ってほしいってね」
「わかったよ」とアヒルオバケは答えると、大きなあくびをしました。
「ところで、このブランコどうしたの?」
あひるんが聞くと、
「街でサーカスってのやっていて、使わないからって捨てようとしたのをもらったんだ。
もったいないよね、まだ使えるのに」
アヒルオバケはそれだけ言うと、静かな寝息を立て始めました。
あひるんはしばらくブランコに揺れながら、明日あひこちゃんとせれこちゃんを
ここへ連れてきてブランコに乗せてあげようと思いました。
完
今日でこのアヒル村のアヒルたちのお話は終わります。
ド素人が描いた下手な物語を読んでいただけたこと、
読者になってくださった方々に心から感謝します。
ありがとうございました。
この物語は私にとってはとても大切な物語ですので、いつかどこかで
もう少し形のいいものにしたいと思っています。
アマゾンで電子書籍でも作るかな・・・
ブログの今後の更新は特に考えていません。
しばらくはこのままの状態でここに置いておきます。
そして私自身は別の場所に出没するかもしれません。
webのどこかでまた出会えたときはよろしくお願いいたします。