「日本代表のGK川島選手は、福島原発事故の影響で腕が4本あるのではないか」


この発言をしたのはローラン・リキュエ(Laurent Ruquier)という風刺コメディアンであり、原発反対派。そのような背景を考慮したとしても、許されるものではありません。
しかも、放送されたのは国営TV「フランス2」の番組なのです。


日本には真の「風刺コメディアン」がいないような気がしますが、あえて言うなら、ビートたけしさんがスリーマイル原発事故直後に「NYヤンキースのレジー・ジャクソンは原発事故の影響で腕が4本ある」とNHKでコメントするようなもの。


このニュースをネットで読んだ時、昨年、ヘラルド・トリビューン紙の一コマ風刺漫画を目にした時以上の憤りを感じました。


今回の悪質なジョークは、福島県民・日本国民だけではなく、チェルノブイリやスリーマイルの周辺住民で、相関性の議論は別にしても、癌や病気、もしくは肢体に不自由を持って生まれて苦しんでいる人達の心をも踏みにじっているのです。


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「このリンゴは日本産のリンゴ? 忘れないように事務所の壁に貼っています」



二度とこのような事が起こらないよう、日本政府として厳しく抗議をしなくてはいけません。
しかし、同時に認識しなくてはいけないのは、実際、心の中でそう思っている人たちが世界にはまだまだ多いという事。


私が原発事故直後から枝野大臣(経産相)や細野大臣(消費者相)に福島や周辺地域の米や農産物の全量検査を強く提言してきたのは、そのようなイメージを少しでも早く払しょくする為なのです。


いま世界のマーケットで日本がどのように見られているか。
国内にいると気づき難いですが、このような事件が起きる度に、自分たちが起こしてしまった現実を思い出し、相手を責めるだけではなく、国内外共に更なる対策を講じていく必要があるでしょう。