昨日、国会事故調査委員会の国会議員向け説明会が開催されました。



予定があった為、冒頭の30分しか出席できなかったのですが、それだけでも十分「本質をとらえた」報告だという事を感じ取ることが出来ました。



例えば、野村委員が事故の発端は規制する側に専門知識が無く、規制される側にコントロールされる『虜の関係』になってしまった事だ…と指摘した部分。



私もその通りだと思いますし、そこには根深い日本中枢の仕組みの問題が浮き彫りになっているのです。



それを端的に表しているのが、日本の大臣の専門性の無さ。その人の適正や経験ではなく、「好きだ・嫌いだ」の人事を続ける以上は、今後も官僚(本来は指示をされる側)の言いなりになってしまうのは間違いないでしょう。




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「右の「報告書」一冊だけで640ページ超になります」




また、「組織の利益を守ることが国民の命を守る事よりも優先されるようになった」と
黒川委員長の冒頭のコメント(ダイジェスト)にあります。



ショッキングですが、これも言い当てていると思います。



以下、そのコメントの一部を抜粋しましたので、是非お読み頂ければと思います:



・・・想定できたはずの事故がなぜ起こったのか。その根本的な原因は、日本が高度経済成長を遂げたころにまで遡る。政界、官界、財界が一体となり、国策として共通の目標に向かって進む中、複雑に絡まった『規制の虜(Regulatory Capture)』が生まれた。そこには、ほぼ50 年にわたる一党支配と、新卒一括採用、年功序列、終身雇用といった官と財の際立った組織構造と、それを当然と考える日本人の「思いこみ(マインドセット)」があった。経済成長に伴い、「自信」は次第に「おごり、慢心」に変わり始めた。入社や入省年次で上り詰める「単線路線のエリート」たちにとって、前例を踏襲すること、組織の利益を守ることは、重要な使命となった。この使命は、国民の命を守ることよりも優先され、世界の安全に対する動向を知りながらも、それらに目を向けず安全対策は先送りされた。そして、日本の原発は、いわば無防備のまま、3.11 の日を迎えることとなった・・・



つまり、日本の憲政史上初である今回の国会事故調が伝えたいのは、原発事故の究明や規制の在り方だけではないのです。
一番の本質的なメッセージは「今の統治機構の仕組みを変えないと、今回の原発事故に限らず、同じような問題が永遠と続き、日本は復活できませんよ」という事なのです。



ここまで深堀りをして、指摘をして頂いた黒川委員長と委員各位の皆様は流石だと思いました。



さて、問題点は明らかになりました。
その教訓を生かし、新しい日本を実現できるのは、民主でしょうか自民でしょうか。



例えば、この事故調の報告の前に民・自・公によって無理やり作られてしまった原子力規制委員会に最後まで反対し、また、同様の問題点を多々指摘し、「このままでは今までと変わらなくなってしまう」と提言し続けたのはどこの政党だったか。



やはり、しがらみの無い政党にしか改革が出来ないのが明白です。