昨日、野田さんが政権交代直前に書いた「民主の敵(2009年7月発行)」を読みました。



内容は納得できる部分が多いのですが、今の野田さん(&民主党)のやっていることが、主張していることと違いすぎて、悲しくなってしまいます。



例えば、「与党のトップ(総理、総裁)が交代するときには総選挙を行う必要がある」と書き、安部・福田・麻生と毎年変わった自民党の事を厳しく批判しているにも関わらず、自分に総理席のチャンスが巡ってきたら、何食わぬ顔をして代表選に出馬する。



公務員改革、天下り根絶、特別会計への真剣での切り込みを主張しているにも関わらず、政権を取った今となっては峰打ちしかしていない状況。



野田さんは何故総理になりたかったのでしょうか?



子供の頃のエピソードを聞いても、就職をせずに松下政経塾に入塾したくだりを読んでも、見えてきません。心に響きません。
就職もせず、民間での経験もせず、「いつかは大臣、総理大臣に」という思いでやってきたとしか思えないのです。



野田さんが何に一番怒りを感じていたかを読み解こうとしました。
二つだけ浮かび上がってきます。



ひとつは世襲に対する怒り。そして、もうひとつは自民党に対する怒りです。



野田さんは「ジバン・カンバン・カバン」を持っているから世襲はアンフェアだと唱えています。しかし、私は世襲が選挙に有利なのが問題の本質ではないと思います。「実社会の経験が少ない人が国会議員になる」のが問題だと思うのです。親に言われて数年間は民間企業で働く人もいますが、それは腰掛け感覚でしかありません。それでは、国民の代弁者になれないのです。



また、野田さんは自民の4割が世襲だと痛烈に批判をしていますが、実社会の経験が無い人間が3人連続して民主党から総理大臣になっています。そう考えると、民主党も大して変わりは無いのではないでしょうか。



「私はあくまで『非自民党』を貫く。それが私の意地であり、少々格好をつけさせていただければ、『矜恃』なのだと思います」



・・・やはり、そこが野田さん最大の矜恃(プライド・誇り)なのでしょうか。
だとしたら、民主党代表選の時に「私は民主党が好きです!」と心から叫んでいた理由が見えてきます。



本来、総理大臣になる方の挨拶は「日本が好きです。だから、民主党を良くしたいのです!」であってほしかったと思うのは、私だけではないはずです(江口さんも代表質問の時に言及していました)



野田総理と国民の皆様に私は堂々と言いたい。

「日本が好きです。だからみんなの党を成長させたいのです!」