月曜日(5月23日)に、みんなの党の仲間と浜岡原発の視察に行ってきました。


私が視察を通じて切実に感じたのは、「想定が甘い」という事でした。



中部電力の説明によると、浜岡原発で元々想定していた地震の規模は800ガル(1、2号機は600ガル)だったそうです。その想定の根拠となったのが1707年の宝永地震や、1854年の安政東海地震。現在はそれを1000ガルに引き上げ、耐震向上工事を実施しているとのこと。



しかし、2004年に起きた新潟県中越地震は1722ガル、東日本大震災では2933ガルが観測されています。津波に関しては最大8メートルを想定しているとのこと。それ以上の津波が押し寄せてきても「砂丘があるので大丈夫」という見解でした。


また、再稼働に向けた更なる防御策として、砂丘の後ろには高さ12メートルの防波壁、冷却用のポンプの周りには高さ1.5メートルの防水壁を設置する計画なので、更に安全になると言う事を強調されていました。



しかし、東日本大震災では20メートル以上の津波が各地で発生しているのです。



私は不安が高まってしまい、いくつか厳しい質問をしてしまいました。それに対し中部電力の役員は「岩盤の上に建っているので1000ガル以上は無い」「8メートル以上の津波は形状的に考えられない」と自信たっぷりの様子。



地盤や地形上の違いはあるにせよ、あれだけの想定外の地震が発生した後なので、私は3000ガル、30メートルの津波を想定するべきだと思いました。そして、その想定を超えた災害が起こった時も即座に対応できるように、エマージェンシーマニュアルに基づいた訓練を頻繁に実施する必要があるでしょう。



今回、一番不思議に感じたのは「何故、中部電力(他の電力会社も同様ですが)の社長・役員陣は、あれほどの事故が起こった後なのに、災害の想定を低い水準に据え置いたままなのか?」と言う事です。私の経験上、何か同業他社で問題が発生したら、社長は陣頭指揮を取って自社の問題点を洗い出し、これでもか!と言うぐらいの対処策を講じなくてはいけません。経営者は常にワーストシナリオを考え、100%は無理だとしても、それに少しでも近づけるべく準備をするべきものなのです。



半民半官、超大手企業の甘さを感じずにはいられませんでした。